**セッションタイム・スプレッド・フロー戦略
(Session-Time Spread Flow Strategy, STSF)**は、
1日の中で「流動性の質」が時間帯ごとに周期的に変化することを前提に、
スプレッドの“流れ(拡大→収縮)”だけを取引判断の中核に据える時間構造型戦略です。
価格は副次的。
**主役は「いつ・どのセッションで・スプレッドがどう振る舞うか」**です。
目次
1. なぜ「時間 × スプレッド」が効くのか
FXは24時間市場ですが、
流動性は連続していません。
東京 → ロンドン → NY → クローズ
この移行点で必ず起きるのが:
- LP(流動性供給者)の交代
- 在庫リセット
- リスク再評価
👉 スプレッドは“時間イベント”に反応する
2. STSFの基本思想
「スプレッドはランダムではなく、
セッションごとに“癖”を持つ」
3. セッション別スプレッド特性
① 東京セッション
- 流動性:低〜中
- スプレッド:やや広い・安定
- 特徴:収縮しにくい
👉 スキャルピング不利
② ロンドンオープン(最重要)
- 流動性:急増
- スプレッド:急収縮
- 特徴:一方向に整う
👉 最高の取引時間帯
③ ロンドン × NY 重複
- 流動性:最大
- スプレッド:最狭
- 特徴:フローが継続
👉 ブレイク・順張り向き
④ NY後半〜クローズ
- 流動性:低下
- スプレッド:拡大
- 特徴:ダマシ多発
👉 原則取引しない
4. STSFのコア変数
① 時間正規化スプレッド
St,h∗=SˉhSt
- h:時間帯
- 各セッションの“通常”からの乖離
② スプレッド・フロー
FtS=St−St−Δ
- 拡大中か収縮中か
③ セッション境界フラグ
- 東京→ロンドン
- ロンドン→NY
👉 最重要トリガー
5. エントリー思想
原則
- 拡大局面では入らない
- 収縮が始まってから入る
ロンドン初動モデル(代表例)
if Session = London_Open
and S*_t > 1.2 // 東京で広がっていた
and dS/dt < 0 // 収縮開始
→ エントリー許可
👉 価格は後からついてくる
6. 利確・撤退ロジック
TP
- 収縮が止まった時点
- or セッション平均に回帰
SL
- スプレッド再拡大
- or 次セッションへの移行
7. STSFが効く通貨ペア
| ペア | 理由 |
|---|---|
| EUR/USD | ロンドン主導 |
| GBP/USD | 初動フロー明確 |
| EUR/JPY | 東京→欧州差 |
8. よくある誤解
誤解①
「時間帯だけ見れば勝てる」
❌
👉 スプレッドが伴わないと意味なし
誤解②
「NYはいつも良い」
❌
👉 後半は最悪
9. 他モデルとの接続
| モデル | 接続点 |
|---|---|
| SDSA | エントリー許可 |
| VSB | ロンドン初動 |
| スプレッド弾性 | セッション切替 |
| 流動性真空 | NYクローズ |
10. 崩壊点・注意
- 夏時間/冬時間切替
- 祝日(米・英)
- 重要ニュースとの重なり
👉 時間構造が壊れる
11. 実務ルール(重要)
- セッション平均スプレッドを事前計測
- エントリーは毎日同じ時間
- 取引回数を増やさない
12. 核心まとめ
- スプレッドは時計を見て動く
- 良いトレードは時間で決まる
- 価格は結果にすぎない
- 待てない人はSTSFに向かない
実務家の一文
「相場を見るな、
時計とスプレッドを見ろ。」
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