MiltonMarketsのスキャルピング with 動的スプレッド適応について

**スキャルピング with 動的スプレッド適応
(Scalping with Dynamic Spread Adaptation, SDSA)**は、
**「スプレッドを固定コストとして扱わず、リアルタイムで“状態変数”として適応させながら超短期売買を行う高度スキャルピングモデル」**です。

通常のスキャルピングが壊れる最大の理由は
👉 「スプレッドが動く」
SDSAはそこを中心変数に据えます。

以下、思想 → 構造 → 数理 → 実装 → 崩壊点 → 実務ルールの順で詳しく解説します。


目次

1. なぜ「動的スプレッド」が必要か

従来スキャルピングの前提

  • スプレッドはほぼ一定
  • コストは事前に分かる
  • 価格だけ見ればよい

現実

  • スプレッドは秒単位で変動
  • 拡大はランダムではない
  • 拡大時に入ると 勝率 < 50% が確定

👉 スプレッドを読めない限り負ける


2. SDSAの基本思想

「エントリー条件は価格ではなく、
“スプレッド状態”が許可したときだけ成立する」


3. 中核変数(リアルタイム)

(1) 正規化スプレッド

St=StATRnS_t^* = \frac{S_t}{\text{ATR}_{n}}St∗​=ATRn​St​​

  • ATR比で評価
  • 通貨ペア間比較可能

(2) スプレッド速度

vtS=dStdtv^S_t = \frac{dS_t}{dt}vtS​=dtdSt​​

  • 拡大中か、収縮中か

(3) スプレッド加速度

atS=d2Stdt2a^S_t = \frac{d^2S_t}{dt^2}atS​=dt2d2St​​

  • 危険は加速度

4. エントリー許可ロジック

基本ルール

if  S*_t < θ1
and v^S_t ≤ 0
and a^S_t ≈ 0
→ エントリー許可
  • 狭い
  • 広がっていない
  • 暴れていない

👉 価格条件はその後


5. 利益幅とスプレッドの連動

動的TP/SL

TPt=kSt,SLt=mStTP_t = k \cdot S_t \quad,\quad SL_t = m \cdot S_tTPt​=k⋅St​,SLt​=m⋅St​

  • スプレッドが狭いときだけ
    小利確が成立

6. 執行設計(実務)

成行 vs 指値

  • 通常:指値
  • 拡大兆候:即停止
  • 収縮初動:成行も可

Order Size 制御

SizetDepthtSt\text{Size}_t \propto \frac{\text{Depth}_t}{S_t}Sizet​∝St​Deptht​​

  • スプレッドが広いほど
    サイズを落とす

7. スプレッド × ボラの交差点

危険ゾーン

  • ボラ↑
  • スプレッド↑

👉 絶対に入らない


黄金ゾーン

  • ボラ中
  • スプレッド低位・安定

8. 時間帯適応(重要)

時間帯SDSA適性
東京午前
ロンドン初動
ロンドン×NY
指標直前後

9. 崩壊点(必ず来る)

① 突発ニュース

  • スプレッド瞬間拡大
  • SLが機能しない

② ブローカー裁量

  • 高速約定拒否
  • スプレッド非対称拡大

10. 回避・生存ルール

  • スプレッド急拡大 → 全停止
  • 成行依存を下げる
  • 1トレード期待値 < 0.2R なら不参加
  • レバは低め(超重要)

11. EA化する場合の構造

Tick Listener
 ↓
Spread Filter
 ↓
Price Signal
 ↓
Execution Guard

※ Spread Filter が最優先


12. SDSAの本質まとめ

  • スキャルピングは
    スプレッドとの戦い
  • 勝っている人は
    入らない時間が長い
  • 動的適応できない戦略は
    長期的に死ぬ

実務家の一文

「良いエントリー」ではなく、
「入っていい状態」を探せ。

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