IS6FXのスプレッド観測 × 時間差エントリー（スプレッド遅延戦略）について

以下では、スプレッド観測 × 時間差エントリー（スプレッド遅延戦略） を、
プロが使うレベルの視点で “メカニズム → エントリーロジック → 使い方 → リスク” の順で詳しく解説します。

🔍 スプレッド遅延戦略とは？

スプレッドが拡大した「後」数百ミリ秒〜数秒遅れて価格が動く “遅延（ラグ）” を利用し、
その遅れてくる値動きを先回りして仕掛ける手法。

別名：

スプレッドディレイ戦略（Spread Delay Strategy）
スプレッド観測スキャル
流動性遅延スキャル

など。

🧠 背景：なぜ“スプレッド遅延”が起きるのか？

FXや仮想通貨の価格更新は、
LP（流動性プロバイダ）→ ブローカー → 取引端末
という階層を経由して届きます。

この時、

✔「スプレッドだけ先に変化し、レートは遅れて変化する」という現象が発生する

理由は：

LPが板を引く動きは即時反映される（スプレッド拡大）
Bid/Ask レート本体の再計算や、複数LPの調整には微妙な遅れが出る
MT4/MT5などはスプレッド変化を先に送る設計
ブローカーの内部処理や通信遅延によるタイムラグ

この“遅れて動く価格”が、
トレーダーにとって 予測しやすい“未来の動き” になる。

📈 **戦略の本質：

「スプレッド拡大 → 遅れて来る値動きを取る」**

例：

通常スプ 0.2
急に 2.0 まで拡大（※原因：LP離脱）
数百ミリ秒後に Ask が上へ跳ねる（遅れて反応）
その跳ねを予測してエントリー（買い）

という流れ。

つまり、

スプレッドは“未来の価格反応”の先行指標になる

これが戦略の核。

🛠 エントリーの具体的ロジック

以下は代表的なロジック例です。

🔸 ① スプレッド急拡大を検知

条件例：

平常 0.2〜0.3
→ 一瞬で 1.0 以上へ
直近平均の 3倍以上
指標時以外での異常スプ

🔸 ② 拡大方向を読み取る

Ask側に偏った拡大 → 上方向の圧力（買い優勢）
Bid側に偏った拡大 → 下方向の圧力（売り優勢）

🔸 ③ スプレッド拡大直後はエントリーしない（重要）

遅れて来る動きを狙うため、一般に：

0.2〜1.0 秒待つ

（高速スキャルでは 100〜300ms などの世界）

🔸 ④ 遅れて動き出した方向へ順張りエントリー

例：

Ask側の拡大 → 0.3秒後に Ask が上に動き始めた瞬間
→ 成行“買い”

損切り：2〜4pips
利確：1〜6pips

⏱ 時間差が発生しやすい条件

以下の状況では“スプレッド先行・価格後追い”が起きやすい：

◎ ① ロンドン〜NYの移行時間

LP切り替わりにより遅延が頻発。

◎ ② 経済指標の直後（直前は危険）

直後は“板が戻る瞬間の反応遅れ”が狙い目。

◎ ③ 低流動性の瞬間（数十秒の空白など）

突然のLP離脱→復帰の遅れ。

◎ ④ 高速で行き過ぎた値動きの後

スプレッドだけが先に広がり、価格が追いつくパターン。

🔍 具体例（イメージ）

通常スプ：0.3

14:22:10.200 スプが 0.3 → 1.5 へ急拡大
14:22:10.300 Ask側の拡大と判明
14:22:10.450 Askレートが 2.0pips 上へ跳ね始める

→ 14:22:10.450 〜 10.600 の間に “買い”

利確は 1〜3pips が多い。
価格反応は短命なので保有は数秒以内。

⚙ 必要な環境

この戦略は「反応速度」が命のため、

◎ 推奨環境

約定力の高いECN口座
低スプレッド・低遅延のブローカー
VPS（Ping 1〜5ms）
Tickデータ表示ツール
スプレッド変化をリアルタイム監視できるインジケーター

⚠ リスクと注意点

❌ ① スプレッドが戻らない“本物のトレンド”だった場合

→ 逆方向に大きく持っていかれる

❌ ② 指標・大口注文でスリッページが発生

→ エントリー位置がズレる

❌ ③ ブローカーの仕様による遅延

→ スプレッド拡大だけ速く届くタイプに左右される

❌ ④ 高速取引用なので「約定拒否」が致命傷

🧩 まとめ

項目	内容
手法名	スプレッド観測 × 時間差エントリー（スプレッド遅延戦略）
狙い	スプレッド変化 → レートの遅延反応を先回り
タイプ	超短期スキャル
方向性	遅れてくる価格の方向へ順張り
利幅	1〜6 pips
必要	高速環境・ECN口座・スプ監視ツール