「週末の窓(週末ギャップ)を月曜朝だけ狙って埋めにいく」という発想を、仕組み→勝ち筋→死に筋→(それでもやるなら)運用ルールの順で、約6千文字くらいのボリュームでまとめたものです。
※投資助言ではありません。とくに「ハイレバ」は一発で想定外損失になりやすいので、読んだうえで“やらない判断”も含めて検討してください。

1) 「窓埋め(月曜朝限定)」は何を狙っているのか
FXは週末に実質クローズし、週明けに再開します。一般的にリテールで言われる“市場オープン”は**ニューヨーク時間 日曜17:00(=週明け開始)が目安で、ここは日本時間だと月曜朝(だいたい6〜7時ごろ)**になります。
この再開直後に、金曜終値と週明け始値がズレることがあり、これが「窓(ギャップ)」です。
窓埋め戦略の賭けは単純で、
- 週末ニュースで飛んだ分が、流動性が戻るにつれて金曜終値方向へ“戻る”
- その“戻り”が、月曜朝のうちに起きやすいことがある
…という“短期の平均回帰”を取りにいきます。
ただし、ギャップが埋まるのは「よくある」一方で、埋まらない日(=そのまま走る日)も普通にあります。週末ギャップは「埋めに行きやすい」という紹介記事も多いですが、同時にリスク管理が最重要だと強調されがちです。
2) なぜ“埋まりやすい日”があるのか(雑に言うと)
月曜朝の最初は、
- 価格が「ニュースの第一反応」で飛ぶ
- その後、アジア勢・ロンドン勢…と参加者が増えるにつれて
「その飛びは行き過ぎだったのでは?」という反対売買も入りやすい
このとき、ギャップが小さかったり、週末材料が弱かったりすると、**“金曜の価格帯に戻って落ち着く”ことがあります。
逆に、週末材料が強烈(地政学、金融危機級、政策転換など)だと、戻らず新しい相場(新レジーム)**が始まり、窓は埋まりません。
3) いちばん大事:窓埋めは「当て方」より「死なない設計」
窓埋めが危険なのは、負け方がこうなりやすいからです。
- 目標利幅:小さい(数pips〜数十pips)
- でも負け:ギャップ拡大で一方向に走ると青天井
- しかも月曜朝は流動性が薄く、スプレッド拡大・滑りが起きやすい
要するに「小さく勝って、まれに大きく負ける」構造になりがち。
この“まれな大負け”を封じ込めない限り、ハイレバはほぼ破綻します。
4) 月曜朝限定・窓埋めの“型”はだいたい2つ
型A:即フェード(超攻撃)
- 月曜オープン直後のギャップを見て、金曜終値方向へ逆張り
- “最初の戻り”を抜いて撤退
メリット:うまくいけば早い・大きい
デメリット:スプレッド拡大と滑りで、期待値が壊れやすい(最難関)
型B:初動確認フェード(現実的)
- オープン直後は触らず、5〜15分待つ
- 1分足/5分足で「戻る意思」が見えたら逆張り
例:戻り方向の包み足、長ヒゲ、W天井/底、出来高(ティック)増など
メリット:事故率が下がる
デメリット:取り分は減る(でも残りやすい)
「ハイレバで月曜朝だけ」なら、実務上は型B寄りにしないと生存率が下がりやすいです。
5) “窓埋めをやっていい日”フィルター(ここが勝率の大半)
窓埋めは、やらない日を増やすほど成績が安定しやすいです。
フィルター例(全部満たさなくていいけど、満たすほど安全):
- ギャップが小さい
- 「金曜の値動き(ATR)に対してギャップが小さめ」
- 大ギャップほど“埋まらない日”に当たると致命傷
- 週末に強烈な材料がない
- 選挙、戦争級、金融システム不安、中央銀行のサプライズなど
- 金曜引けが一方向に走り過ぎていない
- 走り過ぎの延長でさらに飛ぶ週明けがある
- 月曜に大指標が控えていない(早い時間に)
- 追加材料で“戻り”が潰れる
- スプレッドが許容範囲
- 月曜朝にスプレッドが通常の2倍以上なら基本見送り
6) 具体ルールの作り方(“ハイレバ”の毒を薄める)
「ハイレバ戦略」と言っても、現実には “レバを上げる”のではなく、取引回数を絞って損失上限を極端に小さくする” 方向にしないと事故ります。
6.1 入口:ギャップの定義
- Gap = 月曜オープン付近の価格 − 金曜クローズ付近の価格
(ブローカーで金曜クローズ表示が違うので、同一業者・同一チャートで統一)
6.2 エントリー(型Bの例)
- オープン直後は5〜15分待つ(スプレッドと価格発見が落ち着くまで)
- 金曜終値方向に“戻りが始まった”形が出たら入る
- 例:オープン後の最初の戻り高値/安値を抜けたら小さく
- 伸びたらすぐ一部利確 or 建値付近へストップ移動
- 「勝ちを確定しつつ、事故を消す」
6.3 利確(現実的)
- 目標は欲張らず段階的に
- 第1利確:ギャップの50%埋め
- 第2利確:金曜終値(完全埋め)
- “完全埋めまで粘る”は、途中反転で利益を吐きやすいので分割が無難
6.4 損切り(最重要)
窓埋めの損切りは「戻り失敗」を早期に認める位置。
- 例:オープン直後につけた極値(高値/安値)の外
- もしくは「戻り始めの形」が否定されたら即撤退
そして、損切り幅が広い日はロットを下げるか、そもそも見送る。
ここで“ハイレバ”を貫くと、一撃で終わります。
7) 窓埋めハイレバの典型的な死亡パターン
- 日曜オープン直後に逆張り→そのまま走って戻らない
- スプレッド拡大で、損切りが想定より悪い位置で約定(滑り)
- “いずれ埋まるはず”でナンピンして、トレンド日に焼かれる
- 月曜朝の値動きが荒いのに、いつもの感覚でロットを張る
- そもそも配信停止・価格更新遅延などのインフラ事故
(実際、取引所や周辺システムの障害がマーケット運用リスクになる例も報じられています)
8) それでも“月曜朝だけ”やるなら:最低限の運用ルール
最後に、生存率を上げるための最小セット。
- 1回の最大損失を口座の0.2〜0.5%以下に固定(慣れるまで)
- 1日1回まで(“取り返す”を封じる)
- ギャップが大きい日はノートレ(自分の基準でOK、統一が大事)
- スプレッドが広いならノートレ(通常時の何倍かで基準化)
- エントリーはオープン直後を避け、形が出てから
- 利確は分割、埋め切りに固執しない
- 30回分ログを取って、
- ギャップ幅
- 埋まった/埋まらない
- 最大逆行
- スプレッド
を集計して「勝てる日だけ残す」
まとめ
月曜朝の窓埋めは、たしかに“戻る日がある”一方で、戻らない日にハイレバで踏むと即死しやすい戦い方です。
勝ち筋は「窓が埋まる前提で張る」ではなく、埋まらない日を避け、埋めに向かう形が出た時だけ小さく取り、事故を小さくすることに寄ります。

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