**損益比率レバ最適化(Optimal MR : Optimal Margin / Risk–Reward Leverage)は、
これまでの手法群を「破綻させずに最大効率で回すための最終層」**にあたります。
これは手法ではなく、
👉 **すべての戦略に上から被せる“資金工学ルール”**です。
目次
1. 損益比率レバ最適化(Optimal MR)とは
一言定義
勝率・損益比・分散を使って「最も破綻確率が低く、成長率が高いレバレッジ」を数理的に決める方法
- どこで入るか → 手法
- どれだけ賭けるか → Optimal MR
👉 ここを間違えると、
どんな高精度手法も必ず死ぬ
2. なぜ「レバ最適化」が必要か
多くのトレーダーの誤解
- 勝率が高い → レバ上げてOK
→ ❌ - RRが良い → レバ上げてOK
→ ❌
正しくは:
勝率 × RR × 分散 × 連敗耐性
3. Optimal MRの理論的ベース
① 期待値(EV)
EV=p×R−(1−p)
- p:勝率
- R:損益比(平均利益 ÷ 平均損失)
EV > 0 が前提。
② 破綻確率(Risk of Ruin)
- 最大連敗数
- 1トレードの資金リスク
- 分布の歪み(ファットテール)
👉 EVが正でも破綻する
③ ケリー基準(不完全版)
理論上:f∗=p−R1−p
だが:
- 分散を無視
- 実務では使えない
👉 1/4〜1/10ケリーが現実解
4. Optimal MRの実務的定義
Optimal MR =
「最大連敗が来ても、メンタルも資金も壊れない最大レバ」
数式より耐久性。
5. 実践用ステップ(超重要)
STEP 1:戦略ごとの統計を出す
最低でも:
- 勝率 p
- 平均RR
- 最大連敗数(実測 or 想定)
STEP 2:許容ドローダウンを決める
例:
- 月次DD:10%
- 単発最大損失:0.5〜1%
STEP 3:1トレードの資金リスクを逆算
例:
- 最大連敗:8
- 許容DD:10%
→
1回あたり
10% ÷ 8 ≒ 1.25%(上限)
STEP 4:そこからレバを決める
Leverage=損切り幅許容損失率
例:
- 損切り幅:0.1%
- 許容損失:0.5%
→
最大レバ = 5倍
6. 手法別 Optimal MR目安
| 手法 | 勝率 | RR | Optimal MR |
|---|---|---|---|
| micro-tick | 高 | 低 | 3〜8倍 |
| ピンバー反転 | 中 | 中 | 2〜5倍 |
| ダイナミックBO | 中 | 高 | 5〜15倍 |
| ボリューム反転 | 高 | 低 | 5〜10倍 |
※ SNSのレバは全て嘘
7. 分散(ボラ)を考慮した調整
ボラが上がったら
- レバを下げる
- 損切り幅を広げる
ボラが低い時だけ
- レバを上げる(条件付き)
👉 常に同じレバは愚行
8. 最も危険な勘違い
- 「今月勝ってるからレバ上げる」
- 「この手法は勝率高い」
- 「今回は自信ある」
👉 全て破綻トリガー
9. Optimal MRが機能する人
- トレードを「事業」と見る
- 数値を取れる
- 自分の連敗を想定できる
10. 核心まとめ
Optimal MRとは
「勝つための最大レバ」ではない
「死なないための最大レバ」
そして真理は一つ:
破綻しなければ、期待値は必ず収束する
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