ここでは **スワップ・スプレッド逆転スキャル(Swap–Spread Flip Scalping)**を、
理論 → 市場構造 → 成立条件 → 実行フロー → 失敗回避 → 実戦テンプレまで、
体系的に解説します。
(※コスト構造を理解していないと絶対に使えない上級戦略)
目次
スワップ・スプレッド逆転スキャル
(Swap–Spread Flip Scalping)
① 戦略の本質(結論)
スワップ発生という「時間コスト」を嫌う資金が、
スプレッドという「即時コスト」を一瞬だけ歪める
その歪みが
👉 逆転(Flip)した瞬間だけを抜く。
② スワップが市場に与える“歪み”
スワップは「見えない締切」
- FXでは
**NYクローズ(日本時間 6:55〜7:05 前後)**で
スワップが確定 - 多くの短期勢は
👉 マイナススワップを絶対に跨ぎたくない
その結果…
③ 発生する典型的な市場構造
NYクローズ前(−10〜0分)
- ポジション解消の成行が増える
- 板が薄くなる
- スプレッド拡大
NYクローズ直後(+0〜5分)
- 解消フロー終了
- LP再参入
- スプレッド急縮小
- 一方向に価格が戻る
👉 ここが逆転ゾーン
④ 成立する“限定条件”
4条件すべて必須
1️⃣ スワップ方向が明確
- どちらがマイナスか事前に把握
2️⃣ 時間
- NYクローズ前後 ±10分
3️⃣ スプレッド異常
- クローズ前に拡大
- クローズ後に急縮小
4️⃣ 価格の行き過ぎ
- 解消方向へ一時的に偏る
❌ 1つ欠けたら不成立
⑤ エントリー方向の決め方
原則
- マイナススワップ側のフローに乗らない
- 解消が終わった後、逆方向を取る
例
- ロングがマイナススワップ
- クローズ前:ロング解消 → 下落
- クローズ後:売り枯渇 → ロング
⑥ 秒〜分単位の実行フロー
Step 0:準備
- スワップ表を事前確認
- 対象ペアを限定
Step 1:クローズ前観測
- スプレッドが徐々に拡大
- 一方向への値偏り
📌 ここでは入らない
Step 2:クローズ通過
- 約定が一瞬止まる
- スプレッドピーク確認
Step 3:縮小転換
- スプレッドが急縮小
- 約定が安定
Step 4:逆転エントリー
- 成行
- クローズ前の動きと逆方向
⑦ 利確・損切り
TP
- クローズ前に歪んだ値幅の
30〜60%
SL
- 再スプレッド拡大
- 再度一方向フロー出現
👉 価格より構造で切る
⑧ 成功しやすい通貨ペア
- 高金利差ペア
(例:TRY、MXN、ZAR絡み) - スワップ差が大きい主要通貨
👉 差が小さいと歪みも小さい
⑨ 致命的な失敗例
❌ スワップ方向を誤認
❌ クローズ前に仕込む
❌ 流動性ゼロ時間で拡大追随
❌ 水曜3倍を無視
⑩ 他戦略との役割分担
- 時間帯クラスター:待機
- スワップ逆転:時間歪み
- Low-High Flip:初動
- 微格差:最初の一滴
👉 “時間×コスト”を取る戦略
⑪ 実戦テンプレ(保存用)
入る条件
- NYクローズ前後 ✔
- マイナススワップ方向の歪み ✔
- スプレッド縮小開始 ✔
→ 逆方向に成行
切る条件
- 再歪み
- 流れ継続
⑫ 向いている人
- コスト構造を理解している
- 夜間対応できる
- 待てる・切れる
⑬ まとめ(核心)
- スワップは「時間の罠」
- 短期勢は必ず逃げる
- 逃げ切った後に逆転が起きる
- 狙うのはその一瞬だけ
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