**ヘッジ付きレバレッジ戦略(通貨ペア相関+両建て)**は、
「相関のある2つ以上の通貨ペアを同時に使い、
方向リスクを削りながら“歪み(ズレ)”だけをレバレッジで取る」
という、裁量と構造理解が必要な“準プロ〜プロ向け戦略”です。
単なる両建てとは別物なので、誤解が多い点も含めて体系的に説明します。
目次
① この戦略の本質(最重要)
何をヘッジしているのか?
- 方向(ドル高・円安など)
- 指標・突発ニュースの一次ショック
何を狙っているのか?
- 相関の崩れ
- 強弱差(Relative Strength)
👉
「当てに行く」のではなく
「ズレが戻る or 拡大する」ことに賭ける
② 両建て=安全、ではない(重要)
❌ よくある誤解
「同時に買いと売りを持てば安全」
⭕ 実際
- スプレッド2倍
- スワップ悪化
- 相関が壊れると両方負け
👉
戦略的ヘッジのみが有効
③ 通貨ペア相関の基本
正の相関(同じ方向に動きやすい)
- EURUSD ↔ GBPUSD
- AUDUSD ↔ NZDUSD
負の相関(逆方向に動きやすい)
- USDJPY ↔ EURUSD
- USDCHF ↔ EURUSD
👉
相関は“固定”ではなく“状態依存”
④ 基本構造(王道2パターン)
パターンA:方向ヘッジ+強弱取り(おすすめ)
例:USD主導相場
- 強い:EUR
- 弱い:JPY
ポジション
- EURUSD:ロング
- USDJPY:ショート
👉
USDリスクを相殺し、
EUR vs JPYの強弱だけを取る
パターンB:相関乖離の回帰狙い(上級)
例
- EURUSDとGBPUSDが
通常は同方向なのに乖離
ポジション
- 強く動いた方:逆張り
- 動いていない方:順張り
👉
スプレッドトレード的発想
⑤ レバレッジが使える理由
- 単体ポジションより
純リスク(ネットエクスポージャー)が小さい - 方向ミスの耐性が高い
👉
「見た目レバ」より
「実質リスク」を見る
⑥ 数値例(超重要)
前提
- 資金:100万円
- 単体なら許容損失:1%
ヘッジ構成
- EURUSD ロング:100万円
- USDJPY ショート:100万円
👉 見た目:200万円(2倍)
👉 実質:USDはほぼ相殺
→
結果的にレバレッジを上げられる
⑦ エントリー条件(実践)
必須チェック
- 相関が直近で安定している
- 片方だけが先行して動いている
- 上位足でトレンドが同方向
タイミング
- 乖離が過去平均+1〜2σ
- or 指標後の一時的歪み
⑧ 損切り・出口戦略(最重要)
損切り基準
- 相関構造が壊れた時
- 乖離がさらに拡大し、
想定レンジを超えた時
👉
価格ではなく“関係性”で切る
利確
- 乖離解消(平均回帰)
- 強弱差が最大化した時
⑨ よくある失敗(致命的)
❌ 相関を過信する
❌ 長期放置(スワップ死)
❌ レンジ相場で強弱判断
❌ ポジションサイズ不均衡
⑩ 向いている相場/向いていない相場
向いている
- 指標前後
- リスクオン/オフ転換点
- 欧州・NY時間
向いていない
- 超低ボラ
- 単一通貨の独走相場
⑪ 上級テクニック
β(ベータ)調整
- ペアごとの値動き幅を考慮
- ロットを非対称にする
MTF併用
- 上位足:相関確認
- 下位足:レバトリガー
⑫ この戦略の正しい位置づけ
- 単独で完結する戦略ではない
- イベント対応・リスク低減レイヤー
- 高レバ戦略の安全装置
⑬ まとめ(核心)
- ヘッジは“保険”ではなく“構造”
- 価格ではなく相関をトレード
- レバレッジは“実質リスク”基準で考える
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