IS6FXのスプレッド乖離“瞬間合成”スキャルについて

「スプレッド乖離“瞬間合成”スキャル」は一般用語ではありませんが、実務トレーダー・裁定/高速スキャルピング界隈でよく使われる表現で、概念としてはかなり明確です。

これは一言で言うと、

複数ブローカー(または複数気配=Bid/Ask)の“瞬間的なスプレッドの歪み”を合成(結合)して、
低リスクで数pipsを抜く超短期スキャルピング手法

を指します。

以下、体系的に詳しく解説します。


目次

🔎 スプレッド乖離とは?

FXブローカーは
異なるLP(リクイディティ・プロバイダー)からの価格
を受けています。

そのため、一瞬だけ次のような状態が起きます:

  • A社:Bid が跳ねる(買い気配が強い)
  • B社:Ask が遅延して残る

A社のBid > B社のAsk という“スプレッド逆転(理論上の裁定)”が発生。

これが スプレッド乖離(Spread Divergence) です。


“瞬間合成”とは何か?

“瞬間合成”とは、
複数業者の Bid / Ask を一つの“合成板”として捉え、
有利な売買組み合わせを瞬時に作る技法
です。

たとえば:

  • A社の Bid = 150.020
  • B社の Ask = 150.010

この場合、合成すると

合成Bid(A社) > 合成Ask(B社) → 10銭の歪みが生まれている

本来1つの市場では存在しない現象で、
これをスキャルで取るのが「瞬間合成スキャル」。


🧠 “スプレッド乖離 × 瞬間合成”スキャルの構造

■ 基本ロジック(同時両建て)

  1. B社で買い(Askが安い)
  2. A社で売り(Bidが高い)

= 価格乖離を“合成した板”から抜き取る構造。

乖離が解消したら、

  • A社:売り決済
  • B社:買い決済

これで差額が利益として残る。


📈 具体例(数値で理解)

例えば USD/JPY:

時刻A社 BidB社 Ask乖離
t0150.000150.0000
t1150.025150.0101.5pips

このとき、

  • B社で買う
  • A社で売る

1.5pips の“瞬間合成利益”が発生

乖離が0に戻った時点で両方とも閉じると、
スプレッドや約定コストを引いても利益になる場合がある。


🧩 この手法が成立する理由(プロ仕様)

  1. ブローカーは異なるLPから価格を配信する
  2. 配信レイテンシ(遅延)は各社で違う
  3. 相場急変時は Bid と Ask が非対称に動く
  4. スプレッド制御アルゴが会社によって性質が違う

つまり、
単一市場では消える“裁定チャンス”が生まれる。


🔧 瞬間合成スキャルを支える技術的要素

✔ 複数ブローカーのTickデータをリアルタイム合成

(MT5ブリッジ・独自Python・FIX APIなど)

✔ 合成Bid / 合成Ask を算出

(最良Bidと最良Askの逆転を検知)

✔ 乖離閾値で自動発注

(例:1.0pips以上の乖離で同時両建て)

✔ スリッページ補正

(実際にずれる可能性を加味する)

✔ 数百ms以内にクローズ

(乖離の寿命は0.2秒〜数秒)

この手法は、人間の手動ではほぼ不可能で、
半自動〜完全自動(アルゴ)で行うのが一般的です。


🎯 メリット

  • 方向予測が不要 → “値動きの方向を当てる必要がない”
  • リスクが極めて低い(両建て構造に近い)
  • ボラティリティが高い時間ほどチャンスが増える
  • 小さめの証拠金でもロットを持てる(瞬間決済のため)

⚠️ デメリット / リスク

❌ 約定拒否(この手法を嫌う業者が多い)

❌ スリッページの非対称性(片方だけ滑る)

❌ 両建て禁止の業者では不可

❌ 乖離が解消しない“片伸び”が起きるケース

❌ 疑似アービトラージ扱いで口座凍結の可能性

特に レイテンシアービトラージ系の禁止規約 には注意が必要です。


🧮 実戦での運用例(構造)

手順

  1. 複数ブローカーのBid/Askを同時監視
  2. 合成スプレッド = 最良Ask(B社) − 最良Bid(A社)
  3. 合成スプレッド < −1.0pips ならエントリー
  4. 合成スプレッド = 0〜0.5pipsに戻ったら決済
  5. ロスカット値幅は極小(1〜2pips)でOK

これは、**方向予測ゼロの純粋な“歪み取り”**です。


🧭 誰向けか?

  • スキャルパー
  • 裁定系手法に興味ある人
  • 自動売買(EA・Python)ユーザー
  • 速度・乖離系の研究をしている人

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