ここでは、「スパイク → 二段伸び読み(スパイク後追い)」 を、
実際の超短期トレーダーやHFTが意識する “マイクロストラクチャーの二段階反応” を軸に、
仕組み → なぜ二段伸びが起きるのか → 本物の二段目の見極め → エントリー基準 → 偽二段の見分け → リスク管理
まで、極めて実戦的に詳しく解説します。
(※一般的な市場構造の解説であり、個別の売買助言ではありません。)
◆ 1. スパイク → 二段伸び(スパ二段)とは?
急激なスパイク(瞬間の大きなヒット or 指標ショック)の後、
一旦 “止まる/固まる” 挙動が入り、
そこから遅れてもう一度同じ方向に伸びる 現象を指します。
つまり:
① スパイク
② 一時停止 or 軽い逆戻り
③ 遅れて本流方向へ「二段目」の走り
この「② → ③」の移行が“後追い”の狙い目です。
◆ 2. なぜスパイクの“あとに”伸びるのか?(二段伸びのメカニズム)
スパイク後すぐ伸びず、少し遅れて伸びるのは理由があります。
◎(A)大口の成行 → 一時消失
スパイクは基本、
“瞬間的な大口の成行注文” で発生します。
→ その直後は
- 板が荒れる
- 価格が過敏になる
- LPが気配調整に入る
ため、いったん止まる。
◎(B)遅れて追随勢が入る
スパイク後は
- トレンドフォロワー
- モメンタムアルゴ
- 遅れた裁量トレーダー
- スキャル勢のブレイク追い
が “追随買い/売り” を入れてくる。
これが二段目のエネルギー。
◎(C)指標なら “内容解釈の遅れ”
初動は
→ HFTのアルゴ反応
二段目は
→ 人間と遅延アルゴの反応
となるケースが多い。
◎(D)LPが気配を戻し、板が“本来の方向”へ傾く
スパイク直後は板が乱れるが、
少し時間が経つと
板が安定し、価格が“行きたい方向”へ走り出す。
◆ 3. 二段伸びの“前兆シグナル”
本物の二段目が発生する前には、
共通して見られるサインがあります。
✔(1)スパイク後のティック速度が急減速する
止まる → これは第一段目が終了したサイン。
✔(2)スプレッドが正常位置へ戻る
スパイク直後は広がるが、
二段伸びの前には 必ず戻る。
✔(3)逆方向の戻りが弱い
- 押し目が浅い
- 引き戻しが弱い
- ティックが “パラッ…” としか戻らない
これは本流方向の勢いが残っている証拠。
✔(4)二段方向の「小さな先行ティック」
本流方向へ1〜2ティック先走りが出る。
これがもっとも精度が高いシグナル。
✔(5)モミのあと、値動きが“片側に寄る”
レンジの中央ではなく
レートが上側・下側に寄り続ける。
これは二段目の準備動作。
◆ 4. 典型的な“二段伸びパターン”
■【A】スパイク → 小戻し → 本伸び(最頻出)
↑↑↑(スパイク)
↓(浅い戻し)
↑↑(二段伸び)
浅い戻しが特徴。
■【B】スパイク → モミ → 片側へドンッ
↑↑↑(スパイク)
───(細かい横モミ)
↑(突然二段伸び)
スプレッド正常化後に勢いが出る。
■【C】スパイク → 逆ヒゲ → すぐ本流へ
↑↑↑(スパイク)
│(逆方向の小ヒゲ)
↑↑↑(本流二段)
逆ヒゲが“騙しの掃除”になっているパターン。
◆ 5. エントリー基準(一般的理論)
※売買助言ではなく、一般的な仕組みの説明です。
スパイク後追いは “二段目の初動” だけ取る戦略。
ポイントは:
早すぎず、遅すぎず。「逆戻りが弱い」と確定してから。
◎(A)条件1:スプレッドが通常に戻る
これが最重要。
◎(B)条件2:ティックが一度停止する
勢いが切れた合図。
◎(C)条件3:逆方向ティックが弱い
押し目/戻りが浅い場合、二段目が生まれやすい。
◎(D)条件4:本方向へ連続ティック(2〜3連)
ここがエントリータイミング。
◎(E)利確目安:2〜5pips
二段目は長いこともあるが、
安全に取るなら短距離が基本。
◆ 6. “偽の二段目”に注意(入ってはいけない)
以下は“本物ではない伸び”が起きる典型例。
✕(1)逆方向への戻りが深い
=本流の力が弱い。
✕(2)スプレッドが戻らない
LPの気配復帰前の伸びは全部フェイク。
✕(3)ティックが加速しすぎている
“初動”の可能性が高く、持続しない。
✕(4)二段目発生が“スパイク直後すぎる”
スパイク後1〜2秒は
- フェイク乱発
- 実需注文が乱れる
ため危険。
✕(5)レンジ中央からの伸び
本流の力不足が多い。
◆ 7. リスク管理(一般理論)
● 損切り:2〜4pips
スパイク後追いは、戻りが急なことがあるため浅め。
● 利確:2〜5pips
伸ばすトレードではない。
● 指標時は“初動”で飛び乗らない
初動はアルゴのフェイクが多い。
◆ 8. スパ二段の本質
スパイク後追いの本質は:
**「本流の大口 → 一時停止 → 遅れてくる追随の波」
この “追随の波” を拾う戦略。**
- スパイクそのものを取る必要はない
- 過伸びや戻しを待ってから本流に乗る
- マイクロ構造の“遅れ”を利用する
これがスパ二段スキャルの核です。


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