ここでは 「ブローバック・スキャル(瞬間過伸び戻し)」 を、
実際の短期スキャルパーや HFT が意識している
マイクロストラクチャーの仕組み → 過伸びの正体 → 反転の“本物サイン” → エントリー基準 → 偽反転の見極め → リスク管理
まで、徹底的に深掘りして説明します。
※一般的なマーケット構造の解説であり、特定の売買アドバイスではありません。
◆ 1. ブローバック・スキャルとは?
価格が一瞬だけ行きすぎて(過伸び)
その直後に元の価格帯へ“素早く戻る”動き(ブローバック)を
1〜3pips程度で刈り取るスキャル手法。
特徴は:
- 行きすぎる動きは「本流」ではない
- 数秒〜0.5秒程度で“戻る”
- アジア時間・東京時間・薄い時間帯で発生しやすい
- 指標直後の1波目後にも多い
ブローバックは
純粋なマイクロストラクチャーの歪み から生まれます。
◆ 2. なぜ“過伸び → 戻し”が起きるのか?(メカニズム)
瞬間の過伸びの原因は、ほぼ以下のいずれかです。
◎(A)板が薄い方向に成行がヒットする
- 買い板が薄い → 成行買いで上に飛ぶ
- 売り板が薄い → 成行売りで下へ飛ぶ
「飛んだ」部分には継続の大口はいないため、
すぐに反転しやすい。
◎(B)LPの一瞬の気配消失(クオートギャップ)
これは海外FXで非常に多い。
- Ask(買い気配)が一瞬消える → 上に空白 → ヒゲだけ伸びる
- すぐにLP気配が戻る → 元の位置へ戻る
この“消失→復帰”で起きる戻しは最も取りやすい。
◎(C)HFTの誤差的なプッシュ
高頻度取引の一部が
「需給偏りを検出 → 素早く押す → 利確して消える」
という動きを行う。
残されたのは“押されたヒゲだけ” → 戻る。
◎(D)逆張り勢の損切り吸収
薄い相場では、
- 逆張り組の損切り
- 自動注文をヒット
- 瞬間的に伸びる
- 損切りが終わると反転
が起きやすい。
◆ 3. ブローバックが起きやすい時間帯・局面
■(1)アジア時間(東京前半・豪アジア)
流動性が薄く、ヒゲ的な過伸びが多い。
■(2)ロンドンオープン前(15:30〜16:00)
流動性と注文が揃っておらず、誤差的な伸びが頻発。
■(3)指標初動後の“2段目”
1波目が大口
2波目は薄い
→ 過伸び → ブローバック
■(4)NY後半(3時前後)
市場参加者が少なく、急伸→消失が多い。
◆ 4. ブローバックの“発生直前サイン”
過伸びの直前には、必ず次の兆候がある。
◎【1】ティック速度が突然上がる
→ 成行が片方向に一気に入った証拠。
◎【2】スプレッドが一瞬だけ広がる
→ LPの気配消失。
→ “飛びヒゲ”が確定しやすい。
◎【3】実体よりヒゲが異常に長くなる
→ 明らかに“行きすぎ挙動”。
◎【4】ティックの間隔が一瞬空く
→ 板が薄く、一段上(下)へ飛ぶ前兆。
◆ 5. ブローバックの“反転本物サイン”
ここが最重要。
ブローバックが“本物”の場合、必ず次が出る:
✔(A)ティック速度が急停止する
スッ…と止まる。
勢いが途切れた証拠。
✔(B)最初の逆方向ティックが出る
これがもっとも重要。
過伸び → 逆ティック
これだけで勝率が跳ね上がる。
✔(C)スプレッドが正常位置へ戻る
過伸び方向の LP 気配が復帰したサイン。
✔(D)逆方向へ 2〜3ティック連続
加速ではなくても
「チ、チ、チ…」と連続で入る。
✔(E)ヒゲの根元まで戻る動きが起きる
“飛びヒゲ”は根元へ戻りやすい。
◆ 6. エントリー戦略(一般的理論)
ブローバック・スキャルは
「行きすぎ → 逆ティック」 を拾う手法。
◎(1)過伸びのヒゲが出る
↓
◎(2)ティックが止まる
↓
◎(3)逆方向ティックが出る
↓
◎(4)逆方向連続(2〜3ティック)
↓
◎(5)0.5〜1.5pipsで利確(最大3pips)
狙うのは
“飛んだ分の戻り”だけ。
伸ばしてはいけないタイプのスキャル。
◆ 7. 偽のブローバック(入ってはいけない)
以下の場合は“本流のトレンド”なので取れない。
✕(1)反転ティックが弱い
1ティックだけ逆に出ても、本物ではない。
✕(2)スプレッドが戻らない
LP気配が戻っていない → 本流の押し込み。
✕(3)ティック速度が落ちずに走る
大口の成行が継続中。
✕(4)指標後1秒以内の動き
初動はほぼ全部“偽反転”。
✕(5)ブレイク・トレンド中
トレンド発生時は“過伸び=継続”で戻らない。
◆ 8. リスク管理(一般的な基準)
● 損切り:1〜2pips
逆ティックが消えたら即損切り。
引っ張ってはいけない。
● 利確:1〜3pips
“戻し専門”なので伸ばすトレードではない。
● 連続過伸びは触らない
2回以上同方向に過伸び → トレンド警告。
◆ 9. ブローバックの本質
ブローバックは、
「薄い板に押された“ノイズのヒゲ”を取り返す動き」
という、
純粋なマイクロストラクチャーの歪みスキャル。
- トレンドとは無関係
- マーケットノイズの収束を利用
- 最も短命で高速なスキャル


\ HFM(Hotforex)は500万ユーロの民事賠償保険に加入! /






