「スプレッド前提両建てスナップ」という言葉は、FX界隈(特に海外FXユーザー)の間で使われる“俗語的な戦略名”であり、公式な金融用語ではありません。しかし、戦略そのものは実在し、明確に体系化して説明できます。
以下では、
- この戦略の本来の意味
- 実際の仕組み(なぜ利益が出る可能性があるのか)
- 具体的なやり方(エントリー構造)
- 典型的シナリオ
- 巨大なリスク・制約
まで、専門家レベルで深く解説します。
🔵 1. 「スプレッド前提両建てスナップ」とは?
要約すると:
ロールオーバーや流動性低下でスプレッドが急拡大するタイミングで、両建てを前提にして一時的に歪む価格(スナップ)を利用して利益を抜く超短期戦略。
“両建てでスプレッドの変動を受け流し、
価格の暴れ(スナップ)だけを取るための構造”
であるということ。
🔵 2. なぜ「スナップ(瞬間的な歪み)が生まれる」のか?
主な原因は3つ
① ロールオーバー前後の LP レート停止・縮退
流動性が一時的に消失 → 価格が飛ぶ(オーバーシュート)
② スプレッドが瞬間的に異常拡大
Bid/Ask の片側だけが飛ぶので、レートが“片方に引っ張られ”てヒゲを出す。
③ 圧縮時(スプレッド縮小)に値が戻る
正常化が起こり、飛んだ分の “反動” が出る。
これが「スナップ(SNAP=瞬間反転)」。
🔵 3. 戦略の基本構造(両建ての意味)
この戦略での 両建ては“ポジションではなくスプレッドの回避”が目的。
✔ 通常の両建て → リスクヘッジ
✔ この戦略の両建て → スプレッド拡大による損失を受けないための盾
スプレッドが広がると、片側の損失が急増する
↓
しかし両建てしていると、その損失を反対ポジションで相殺できる。
↓
その間に 価格の異常な片側飛び(スナップ) を利用して、
片側を利確して“先に逃がす”。
その後、落ち着いてから残りの片側も決済。
🔵 4. 実際のやり方(典型的ロジック)
以下は多くのトレーダーが使っている型です。
【ステップ①】ロールオーバー前後に両建てを固定
例:
- Buy 1lot
- Sell 1lot
これにより、スプレッド拡大の影響をほぼ中和できる。
【ステップ②】ロールオーバーの瞬間に“片側が一時的に大きくプラスになる”
- LP が片側レートだけ飛ばす
- 価格が 10〜30p ほど“瞬間的に行き過ぎる”
【ステップ③】飛んだ方を利確(スナップ抜き)
飛んだ瞬間に 利益がついた側を即利確
(両建てなので、もう片方は同額の含み損がある)
【ステップ④】正常化で戻ったら逆側もクローズして損失を消す
価格が正常に戻る
↓
損側(残った片側)が減少
↓
スプレッドも圧縮
↓
両建ての残りを閉じて損失を最小化
🎉 結果
スナップの“片道分”だけが利益として残る。
🔵 5. 情景で見るとこうなる
▼ 23:59(ロールオーバー前)
EURUSD スプレッド:0.2p
→ Buy/Sell 両建て
▼ 00:00(ロールオーバー)
スプレッド:20p
価格が Ask 側に急飛び +25p
→ Buy が +25p
→ Sell が –25p
▼ すぐBuy利確
→ +25p 確定
(Sellは –25p のまま)
▼ 00:02(圧縮)
価格が 20p 戻る
→ Sell の損失が –5pに縮む
→ ここでSellも閉じる
👉 合計利益:+20p だけ残る
🔵 6. どの業者で起きやすい?
- 海外FX(HFM、Exness、XMなど)
- NDD系で LP が複数
- ロールオーバーが強烈にスプレッド拡大するタイプ
HFM は比較的 “スナップが発生しやすい” 時期があったが、
仕様変更で発生頻度は年々減少傾向。
🔥 7. 最大のリスク(知らないと即死)
❌ ① スプレッド拡大中に片側のみ強制損切り(=両建て崩壊)
スナップ戦略最大の破滅パターン。
❌ ② 価格が戻らず、逆側が永遠にマイナス
ロールオーバー後にトレンドが走ると残った片側の損が膨張。
❌ ③ スリッページで“狙いと反対方向で約定する”
特にロールオーバーは LP が不安定。
❌ ④ ブローカーが「スナップ狙い行為」を禁止していることがある
特に
- スキャルピング規制
- 異常変動狙いの両建て禁止
- 裁定に類する行為
で口座凍結の可能性。
HFM も利用規約に抵触する場合がある。
🔍 8. この手法は実際に再現性があるのか?
- 昔は比較的容易に勝てた時期があった
- 今は業者側のシステム改善により、
スナップの“異常値が出にくい”
ただし、
- ゴールド
- ナスダック
- マイナー通貨
- ロールオーバー直前後
- LP切替タイミング
などでは今でも稀に発生する。
🧠 9. 本質的な理解(上級者向け)
「スプレッド前提両建てスナップ」とは、
LP(Liquidity Provider)サイドの価格提供の歪みを
両建てで保護しつつ、異常変動だけ刈り取る
“マイクロ裁定の一種”
です。
ただし、
本当の裁定取引(機関投資家がやるもの)とは違い、
個人トレーダーは LP の約定保証が弱いため、
事故率が極めて高い代替スキームです。
🔚 まとめ:戦略の概要
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 戦略名 | スプレッド前提両建てスナップ(俗称) |
| 核心 | スナップ=ロールオーバー時の瞬間的な価格の歪みを抜く |
| 両建ての役割 | スプレッド拡大のダメージを避ける盾 |
| 利益源 | スプレッド圧縮+価格正常化の“片道分” |
| 危険度 | 最上級(約定の不確実性が極めて高い) |
| 再現性 | 業者と市場条件に強く依存 |


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