「ロールオーバー・スプレッド圧縮抜き」という表現は、FXトレーダーの間で独自用語・俗語的に使われることが多く、公式な金融用語ではありません。ただし、指している現象と意図はほぼ共通しており、正しく説明できます。
以下では、
- ロールオーバーとは何か
- スプレッド圧縮とは何か
- “ロールオーバー・スプレッド圧縮抜き” が実際に意味する行動・狙い
- この手法のリスク・実現可能性
を、体系的に詳しく解説します。
✅ 1. ロールオーバー(Rollover)とは
FXブローカーでは、毎日決まった時間(多くはサーバー時間の 23:59〜00:05 頃)にスワップポイントの付与/支払いが行われる処理のことを「ロールオーバー」と呼びます。
この時間帯は市場流動性が一時的に極端に落ちるため、次のような現象が発生します:
- スプレッドが急拡大(例:0.1p → 10p以上)
- 約定が重くなる(LPが価格を出しにくい)
- ボラティリティが乱れる(値飛びが起こる)
- 指値・逆指値が異常に滑りやすい
特に海外FXブローカー(HFM、XM、Exness など)では顕著です。
✅ 2. スプレッド圧縮(Spread Compression)とは
ロールオーバー通過後、流動性が戻り始めると、一度広がったスプレッドが急速に狭まり、通常状態に戻る現象が起こります。
例:
- ロールオーバー中:EURUSD 10〜30p まで拡大
- ロールオーバー後:0.1〜1.0p に急回復(=スプレッド圧縮)
この “スプレッドの再縮小” をトレーダーが狙うことがあります。
✅ 3. 「ロールオーバー・スプレッド圧縮抜き」とは何か
これは俗語であり、次のような行動を指します:
🔵 意味(要約)
ロールオーバー直後に一度広がったスプレッドが急速に縮むタイミングを狙って、短期的に利益を得ようとする手法。
🔧 手法の具体的なイメージ
- ロールオーバーで “スプレッドが異常に広がる”
- その時、価格も乱れ、短期的に行き過ぎた動き(オーバーシュート)が出る
- ロールオーバー終了後、
- スプレッドが急縮小
- 価格が正常値(=元のレート)に戻りやすい
- この “正常化プロセス(リバウンド)” を小さく抜く
つまり:
- スプレッドが戻る
- レートが戻る(ミニリバ)
この2つを利用して、数秒〜数分で「数pips抜く」短期戦略です。
✅ 4. 実際にどういう値動きが起きる?
典型例(EURUSDなど)
- 23:59〜00:02
→ スプレッドが 0.2p → 20p に拡大
→ 価格がヒゲ状に 10〜30p 飛ぶ - 00:03〜00:05
→ スプレッド 1p に急縮小
→ 飛んだ分の価格が半分以上戻る
→ 小さなリバウンドが発生
→ この部分を「圧縮抜き」するのが狙い。
✅ 5. 実際の狙い方(典型例)
✔ ① “異常な拡大+瞬間オーバーシュート” 後の逆張り
ロールオーバーによるオーバーシュートは持続性がなく、直後に戻ることが多いため、短期逆張りが主流。
✔ ② スプレッド縮小を確認してから成行
実戦では、スプレッドがまだ広い時に入ると瞬殺されるため、狭まったのを見てから動く。
✔ ③ 1〜5pips を確実に取る
利確は極めて短い。10p とか狙うと逆に飲み込まれやすい。
❌ 6. この手法の重大なリスク
① スプレッド拡大中に入ると即死(強制損切)
LPレートが不安定なため、異常値で約定することがある。
② スリッページが極端に大きい
ロールオーバー時は LP が価格提供を止めたりするため、
注文が 3〜20p ずれることすらある。
③ 価格が戻らない時もある
月末・月初・指標前後では “正常化” が起きず、逆にトレンドが走るケースもある。
④ 業者ごとに挙動が違う(HFMでも口座タイプによって差が出る)
- Zero スプレッド口座:スプレッドは狭いが急拡大しやすい
- Premium:多少安定
- Pro:ややマシ
ロールオーバーの動きはブローカーの LP に依存するため、
HFM でも時間帯・銘柄・口座で挙動が完全に違う。
⭐ 7. この手法が成立しやすい条件
| 条件 | 理由 |
|---|---|
| 通貨ペアの流動性が高い(EURUSDなど) | 正常化が早い |
| 指標が無い日 | オーバーシュートが短く止まる |
| 月末・四半期末でない | フローが歪みにくい |
| HFMなど“スプレッドが普段狭い業者” | 拡大→縮小の差分が利益になる |
🧠 8. 結論 ― “ロールオーバー・スプレッド圧縮抜き”とは?
ロールオーバーで広がったスプレッドと乱れた価格が、
その後正常化するタイミング(スプレッド縮小+価格リバウンド)を狙って、超短期で抜く手法。
しかし、
- 約定リスク
- スリッページ
- LPの価格停止
- 突然の走り(トレンド)
が非常に高いため、プロトレーダーの中でも難度は最上級レベルと評価されています。


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