FXGTのpread Normalization Counter(スプレッド平常化カウンター)について

以下では、**Spread Normalization Counter(スプレッド平常化カウンター)**について、
その概念・目的・内部ロジック・活用場面・他戦略との違いまで、
体系的に詳しく日本語で解説します。

(※用語としては一般化した名称ではなく、
スプレッド戦略の中で“平常化の進行度を数値化する仕組み”を指す概念的名称です。)


目次

🔵 Spread Normalization Counter(スプレッド平常化カウンター)とは?

スプレッドが異常値(拡大・縮小)から
“平常状態(平均付近)へ戻る度合い”を
段階的にカウントして測る指標(Counter)のこと。

これは 平均回帰の進行度を数値化するツールであり、

  • 逆張りエントリーの精度向上
  • 途中撤退判断
  • 平常化の強弱判定
  • レバ調整(補強 or 手仕舞い)
    などに使われます。

いわば “スプレッド回復メーター” のようなもの。


🔍 なぜ“平常化カウンター”が必要なのか?

多くのスプレッド戦略は
「異常に広がった(または縮まった)→ 平均に戻るだろう」
を前提にしているが、

現実には:

  • 平常化の速度はバラバラ
  • 拡大したまま停滞することもある
  • 歩み寄るように段階的に戻ることが多い

つまり 平均回帰は連続的(ステップ型) であり、
その進行をモニターする指標があると精度が上がる。

そこで、

スプレッドが“どれだけ正常に向かっているか”を
カウンター(段階)として記録する
という発想が生まれる。


📐 Spread Normalization Counter の基本構造

典型的には以下の形で構築されます。

① スプレッドの乖離度(Zスコア)

Zt=StμσZ_t = \frac{S_t – \mu}{\sigma}Zt​=σSt​−μ​

② 平常化に向かう“方向性”

直近の変化方向:ΔS=StSt1\Delta S = S_t – S_{t-1}ΔS=St​−St−1​

  • 平常方向に近づけば Counter++
  • 平常方向から遠ざかれば Counterリセット or −−

③ 平常化カウンター(例)

  • Z > 2(異常) → カウンター開始(0段階)
  • Z が 1.8 → カウンター 1
  • Z が 1.5 → カウンター 2
  • Z が 1.0 → カウンター 3
  • Z が 0.5 → カウンター 4(ほぼ平常)
  • Z ≈ 0 → カウンター MAX(平常化完了)

段階数は 5〜20 程度に設定されることが多い。


🧠 どう使うのか?(運用での活用例)

✔ ① 逆張りエントリーの強弱判断

スプレッド拡大時:

  • カウンターが 0 → まだ危険(まったく戻る気配なし)
  • カウンターが 1〜3 → 回帰の期待が強まり始める
  • カウンターが 4〜6 → エントリーに適したタイミング

エントリーを“戻り始めた段階で入る”戦略が可能。

✔ ② 平常化の確認による利確

平常化カウンターが一定値に到達したら利確。
Z=0にこだわらないため、早めに安全に利益確定できる

✔ ③ 逆張り戦略の“ウマみがない”局面の判定

カウンターが高い状態 → すでに平常化済み → ノートレード判断。

✔ ④ レバレッジ調整

  • カウンター低→回復不確実→レバ低め
  • カウンター中→回復進行→レバ中
  • カウンター高→ほぼ正常→ポジ縮小

特に “安全レバ戦略” と相性が良い。

✔ ⑤ 停滞判定

カウンターが増え続けない → 停滞サイン → ポジション縮小。


📊 よく使われる市場

◆ ペアトレード(株式)

  • 銀行株ペア
  • 自動車株ペア
  • ETF/SPY vs IVV

◆ 債券スプレッド

  • 国債カレンダースプレッド
  • クレジットスプレッドの正常化計測

◆ FX

  • EUR/GBP vs USD/JPY の統計的スプレッド

✨ メリット(利点)

✓ 1. 平均回帰の“質”を見える化

単なるZスコアより、回復の勢いを捉えられる。

✓ 2. ダマしの異常スプレッドに耐性ができる

「拡大した → 即逆張り」より安全。

✓ 3. エントリー & イグジット判定が改善

  • エントリーは“戻り始めたタイミング”
  • イグジットは“戻り切る前の安全域”

✓ 4. レバレッジと相性がいい

“回復進行度”を見れば過剰レバを避けられる。

✓ 5. 停滞や構造崩壊を検知可能

カウンターが増えない → 回帰性が弱い → 危険。


⚠️ デメリット(注意点)

✗ 1. 閾値設計が難しい

スプレッド特性は市場ごとに異なる。

✗ 2. 停滞局面ではカウンターが動かず判断が鈍る

平均回帰しない“横ばい”局面に弱い。

✗ 3. パラメータ最適化しすぎると過剰フィッティング

バックテストで強いが実運用で弱いという問題が発生しがち。

✗ 4. 急激なスプレッド崩壊には対処不能

本質的に平均回帰を前提としているため、
構造変化には弱い。


🆚 他スプレッド戦略との関係(位置づけ)

名称タイプ狙い
スプレッド収縮逆張り平均回帰異常縮小→戻り
Spread Spike Reversal瞬間逆張り急拡大の反転
Pre-Expansion Escapeリスク回避拡大前に逃げ
Spread Normalization Counter(今回)進行度評価平常化の段階測定

Spread Normalization Counter は
**“どの戦略にも組み込める汎用性の高い補助システム”**です。

  • 逆張りの精度アップ
  • 退避シグナルの補助
  • レバ調整の強化
  • 平常化の監視

など横断的に使える点が特徴。


📚 まとめ

**Spread Normalization Counter(スプレッド平常化カウンター)**とは:

  • スプレッドが“どれだけ正常に戻っているか”を
    段階的に測定する指標
  • 平均回帰戦略のエントリー・利確を最適化する
  • 回帰の勢い/方向/持続性を把握できる
  • レバ調整・退避判断など、安全性向上に寄与
  • ただしパラメータ最適化や停滞局面には注意

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