FXGTのスプレッド利用の擬似ヘッジ(Spread Offset Hedging)について

ここでは、FXGTのスプレッド特性を“逆手にとって”
ポジション同士でスプレッド差を相殺し、
片方のポジションの損益をスプレッド変動に同期させて利益を抜く

という上級戦略、

目次

Spread Offset Hedging(スプレッド利用の擬似ヘッジ)

について プロ仕様で詳しく解説します。

これは普通の両建てとはまったく異なる、
“スプレッド変動そのものを利益源にする高度戦術”
です。

FXGTのような変動スプレッド環境だからこそ成立するテクニックで、
特殊ですが非常に強力です。


🧠 Spread Offset Hedging とは?(本質)

簡単に言うと:

2つのポジションを“スプレッド差でヘッジ”し、
スプレッド拡大または縮小のタイミングで
一方のポジションだけを決済して利益を抜く手法。

普通の両建ては
価格変動による損益の相殺
ですが、

Spread Offset Hedging は“スプレッド変動”の損益の相殺・利用
です。


🧩 この戦略が成立する理由(FXGT特有)

FXGTは変動スプレッドなので:

✔ 銘柄ごとにスプレッド変動幅が異なる

✔ 時間帯でスプレッド構造が変わる

✔ ロングとショートで実質のエントリー価格が違う

(Ask と Bid の差を利用できる)

この “Bid/Ask の位置関係のズレ” が大きいほど、
スプレッドを利用した擬似ヘッジ(Offset)が可能になります。


🎯 Spread Offset Hedging のパターンは大きく2種類


① スプレッド拡大狙い型(Expansion Offset)

これは主に 早朝・指標前・ゴールド で最強。

▼ 手法の流れ

  1. スプレッドが狭い時間帯に両建て(Buy & Sell)を同時保有
  2. その後、スプレッドが拡大(Ask↑、Bid↓)
  3. 拡大により片方(通常 Buy)の含み損が急激に増える
  4. その“スプレッド分の損失”を利用して、Sell側を利益で決済
  5. 残った片側は、スプレッド回復待ち or そのまま流す

つまり:

スプレッド拡大 → Sell側の“実質有利レート”が生まれる → 利確

“損失”ではなく
スプ拡大を利用して利益を作るという奇妙な構造。


② スプレッド縮小狙い型(Normalization Offset)

ロンドン・NY時間、または急スプレッド後の回復局面。

▼ 手法の流れ

  1. スプレッドが広いタイミングで両建てを持つ
  2. 時間が経つとスプレッドが縮小
  3. 縮小によって Buy側が有利に(Ask が狭まりポジの含み益が増える)
  4. Buy側のみを決済して利益獲得
  5. Sell側は後でカバーするか小損で逃げる

逆に
“スプレッド縮小で利益を作る” パターン。


🧮 実際の損益構造(重要)

例えばゴールド(XAUUSD)

  • 通常スプレッド:1.5
  • スプレッド拡大時:4.0
  • 拡大幅:+2.5

拡大時に:

  • Buy は Ask が+2.5 → 含み損が増加
  • Sell は Bid が−2.5 → 実質有利レートで含み益が増加

この “2.5” 分を利益に変換して決済するのがこの戦略。

普通のトレードでは“悪”のスプレッドが、
この戦略では“利益源”に変わる。


🧩 この戦略が最も強烈に効く銘柄(FXGT実戦)

銘柄理由
XAUUSD(ゴールド)スプレッド変動が大きく、Offset が非常に取りやすい
NAS100 / US30指標前後のスプレッド跳ね上げ→縮小が明確
GBPUSD欧州初動で毎日“スプレッド差”が発生

特に ゴールドの早朝スプレッド拡大 → ロンドンで縮小 が最強。


🔍 具体的なエントリーパターン(実例)


🟡 Case 1:早朝のスプレッド拡大を狙う(拡大Offset)

Step 1

7:00〜9:00前後に両建て(スプが狭い瞬間)

Step 2

ゴールドのスプレッドが一気に拡大(1.5→4.0)

Step 3

Sell側が +2.5 有利レートを得る
Sell側だけ決済

Step 4

Buy側はスプレッドが戻るまで保有
(通常NY時間に戻る)

結果:
Sellの利益 > Buyの数時間保有のコスト
で利益が残る。


🔵 Case 2:急スプレッドからの Normalization を狙う(縮小Offset)

Step 1

指標後の混乱に両建てを持つ(スプが広がっている状態)

Step 2

数分後にスプレッドが戻り始める(4.0→1.7)

Step 3

Buy側の含み益が急増
Buy側だけ決済して利益獲得

Step 4

Sell側はタイミングを見て逃げる


❌ NGパターン(絶対やらないこと)

  • 指標“直前”に両建てを仕込む(SL飛ぶ危険)
  • スプレッドが狭い時間帯だけを狙わない
  • 片側だけを即切りせず両方持ち続ける
  • ゴールドで値幅型逆張りと併用

特に、
“両建て放置”は資金効率が最悪で危険。


🔥 メリット(この戦略が本当に強い点)

  • 通常のトレードとは“逆の発想”
  • スプレッドの弱点を完全に武器化
  • トレンドでもレンジでも実行可能
  • リスクを限定しつつ、安定的に利益を作れる
  • 時間帯とクセを押さえれば再現性が高い

⚠️ デメリット(正直)

  • 判断を間違えると片側が高値掴み/安値掴みになる
  • スプレッド監視が必須
  • 結果が分かりづらい(初心者には理解しにくい)
  • 長時間保有でスワップの影響が出る

🎯 まとめ(本質)

Spread Offset Hedging =
スプレッドが“広がる/戻る”という事象を
ポジションの片側決済によって利益化する戦略。

FXGTの変動スプレッドを“完全に武器化した”非常に高度な擬似ヘッジ手法。

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