「マルチタイムフレーム+トレンド強度フィルタによる順張り戦略」は、テクニカル分析の中でも非常に理論的かつ実践的なアプローチで、トレンドフォロー(順張り)戦略をより精度高く行うための考え方です。
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以下で、構成要素・理論背景・実装の流れ・具体的な例などを詳しく解説します。
目次
🧭 1. 戦略の概要
目的:
異なる時間軸のトレンド方向を統合し、トレンドの「強さ」を数値化して、
その勢いに乗る(=順張り)ことで勝率とリスクリワードを最適化する戦略。
基本の考え方:
- 上位足(例:日足、4時間足)で「方向(トレンドの向き)」を確認
- 下位足(例:1時間足、15分足)で「エントリーポイント」を探す
- トレンドが複数時間軸で一致しており、かつ強度が高いときにのみエントリーする
🕒 2. マルチタイムフレーム(MTF)分析の基本構造
マルチタイムフレームとは、複数の時間軸(足種)を組み合わせてトレード判断を行う方法です。
| 役割 | 例 | 目的 |
|---|---|---|
| 上位足 | 日足 / 4時間足 | 全体のトレンド方向を確認(順張りの軸) |
| 中位足 | 1時間足 | エントリー方向の確認、モメンタムの把握 |
| 下位足 | 15分足 / 5分足 | タイミングを取る(押し目・戻り) |
上位足が上昇トレンドのとき
- 下位足で押し目を狙って買いエントリー。
上位足が下降トレンドのとき
- 下位足で戻りを狙って売りエントリー。
📈 3. トレンド強度フィルタ(Trend Strength Filter)
トレンドが「あるかないか」ではなく、「どの程度強いか」を定量的に測ることで、
“ダマシ”を減らすフィルタを追加します。
代表的なトレンド強度の測定方法:
| 指標 | 計算方法・特徴 |
|---|---|
| ADX(Average Directional Index) | 0〜100でトレンドの強さを表す(25以上が強トレンド) |
| MACDヒストグラム | 正負の拡大でモメンタムの強弱を測る |
| RSIの傾き | RSIが上昇傾向なら上昇圧力、下降傾向なら下降圧力 |
| 移動平均の乖離率 / スロープ | EMAの傾斜角でトレンドの勢いを数値化 |
| 価格×出来高(VWAPなど) | トレンドにボリュームが伴っているか確認 |
🧩 4. 戦略構築の流れ(例)
ここでは、4時間足+1時間足+ADXフィルタを使った例を示します。
- 上位足(4時間足)でトレンド確認
- EMA(50) > EMA(200) → 上昇トレンドと定義
- ADX(14) > 25 → トレンド強度が高いと判断
- 中位足(1時間足)で押し目 or 戻りを確認
- RSIが30〜40近辺で反転 → 押し目買い候補
- MACDがシグナルを上抜け → エントリーシグナル
- 下位足(15分足)でタイミングを取る
- ローソク足の高値更新(またはブレイクアウト)でエントリー
- 直近安値にストップを設定
- トレンド強度フィルタを重ねる
- エントリー時点で上位足ADX > 25、下位足ADX > 20
- → 強トレンド中のエントリーのみ採用
💡 5. エントリー・エグジット条件の例(擬似コード)
# 上位足
if EMA_4h_50 > EMA_4h_200 and ADX_4h > 25:
trend = "up"
elif EMA_4h_50 < EMA_4h_200 and ADX_4h > 25:
trend = "down"
else:
trend = "neutral"
# 中位足
if trend == "up" and RSI_1h < 40 and MACD_cross_up:
entry_signal = "buy"
elif trend == "down" and RSI_1h > 60 and MACD_cross_down:
entry_signal = "sell"
# 下位足(トリガー)
if entry_signal == "buy" and close_15m > recent_high:
execute_buy()
elif entry_signal == "sell" and close_15m < recent_low:
execute_sell()
🧮 6. メリット・デメリット
✅ メリット
- トレンド方向が一致しているため、勝率・再現性が高い
- 強トレンド時だけ参入するため、レンジでのダマシを回避しやすい
- フィルタを追加することでノイズを削減
⚠️ デメリット
- エントリー回数が減る(機会損失)
- トレンド転換初期には乗り遅れる
- 過度に条件を厳しくするとバックテストで過剰最適化のリスク
🧠 7. 改良のアイデア
- ADXだけでなくボラティリティ指標(ATR)も併用
- 価格アクション(チャートパターン)を追加フィルタ
- AI学習(ランダムフォレストなど)でトレンド強度を学習的に分類
- 複数銘柄・通貨ペアで共通トレンドをチェック(クロスマーケット分析)

