IFCmarketsの水平線サポート・レジスタンス逆張り戦略

水平線サポート・レジスタンス逆張り戦略(Horizontal S/R Reversal Strategy)」は、
テクニカル分析の中でも最も古典的で、しかも今なお機能しやすい戦略の一つです。

特に短期トレード(FX・先物・株式デイトレなど)では、
“市場参加者が意識する価格水準(水平線)”での反発・反落を狙う逆張りアプローチとして、
実践的かつ高精度に運用されています。


目次

🧭 1. 戦略の基本コンセプト

🎯 目的:

市場の**「意識される価格帯(支持線・抵抗線)」で、
価格が一時的に行き過ぎた際の
反転(リバーサル)を捉える**こと。

つまり:

  • **サポート(Support)**付近では「買い」
  • **レジスタンス(Resistance)**付近では「売り」
    を狙います。

📏 2. 水平線(Support / Resistance)の定義

① 明確な過去の高値・安値:

  • ローカル高値・安値(スイングポイント)
  • 直近のレジスタンスラインサポートライン

② 出来高・注文集中帯(Volume Profile的な視点):

  • 出来高が多くついている価格帯
  • 板情報で「厚い買い・売り」が並ぶ価格帯

③ 心理的価格帯:

  • キリ番(例:USD/JPYの150.00、日経平均の40000など)
  • 前日高値・安値、週足高値・安値、など

⚙️ 3. 典型的な戦略ロジック構造

🟩 買い(ロング)シナリオ:

  1. 価格が「明確なサポートライン」に接近
  2. サポートラインで反発の兆候(ローソク足パターン or RSI上昇)
  3. 反転確定でエントリー
    → 利確:レンジ中央または直近抵抗線
    → 損切:サポートライン明確割れ

🟥 売り(ショート)シナリオ:

  1. 価格が「明確なレジスタンスライン」に接近
  2. そこで反落サイン(RSI高止まり・長上ヒゲなど)
  3. 反転確定でショートエントリー
    → 利確:レンジ中央または直近サポート
    → 損切:レジスタンス上抜け

📊 4. 反転確認の典型サイン(Entry Trigger)

種類内容備考
ローソク足パターンピンバー(Pin Bar)、包み足(Engulfing)信頼度高い
RSI/ストキャスティクスRSI<30→上昇反転 / RSI>70→下降反転短期過熱判定
出来高(Volume)押し目・戻り目で出来高急増大口参入のサイン
プライスアクションダブルボトム/ダブルトップ形成レンジ反転型
移動平均との位置関係MAからの乖離が拡大しすぎている行き過ぎ判定

📉 5. 水平線の引き方(実務的手順)

  1. 上位足で主要ラインを抽出(日足・4時間足)
     → “市場が明確に反応した高値/安値”を線で結ぶ
  2. 下位足で細かい調整(1時間・15分足)
     → 実際のエントリーレベルを細かく設定
  3. ラインの“ゾーン化”
     → 価格が数pips〜数十pipsの範囲で反応するため、「帯」として扱う

🧮 6. トレードルール例(実務型)

買い(逆張りロング):

  • 条件①:価格がサポートゾーンに到達
  • 条件②:RSI < 30(またはストキャスティクス < 20)
  • 条件③:直近足が陽線で確定
  • → 成行または押し目指値でエントリー
  • 利確:レンジ中央値 or +1〜1.5 ATR
  • 損切:サポートゾーン下抜け(終値基準)

売り(逆張りショート):

  • 条件①:価格がレジスタンスゾーンに到達
  • 条件②:RSI > 70(またはストキャスティクス > 80)
  • 条件③:陰線確定 or ピンバー形成
  • → 成行または戻り指値でエントリー
  • 利確:レンジ中央値 or −1〜1.5 ATR
  • 損切:レジスタンスゾーン上抜け

📐 7. 戦略パラメータ例(FX・15分足想定)

パラメータ推奨値説明
RSI期間7〜14短期反転感度調整
サポート/レジゾーン幅±0.15%〜0.3%銘柄ボラティリティで調整
ATR期間14利確・損切の幅設定用
リスクリワード比1 : 1.2 以上反転精度前提
トレード回数1〜3回/日サイン厳選型

📊 8. 典型的チャート構造(イメージ)

   Resistance Zone(売りゾーン)
───────────────▲───────────────
                 ↓反落(ショート)
                 ↓
     ↑反発(ロング)
───────────────▼───────────────
   Support Zone(買いゾーン)

レンジ内で「上限売り・下限買い」を繰り返し、
ブレイクしたらその方向のトレンドフォローに切り替える、という運用も可能です。


⚖️ 9. 戦略の特性(統計的特徴)

項目特徴
勝率高い(60〜75%程度)
リスクリワードやや低め(1:0.8〜1.2)
トレード頻度中〜高
有効環境レンジ相場・ボラティリティ低下局面
弱点トレンド発生時の逆行ダメージ大

⚠️ 10. 注意点・リスク管理

リスク要因対応策
ブレイクアウト相場で逆行ATRストップ・損切り徹底
ダマシの多発(フェイクブレイク)終値ベース確認 or RSIフィルター
水平線の引き方が主観的マルチタイムフレームで客観化
スプレッド・スリッページ取引時間帯を限定(ロンドン・NY時間)

🧠 11. 発展型・応用戦略

  1. S/R逆張り+ATRフィルター
    • ATRが閾値以下(=ボラ低下)でのみ逆張り有効。
  2. S/R逆張り+RSIダイバージェンス
    • サポート接近+RSIが上昇ダイバージェンス → 高精度反発サイン。
  3. S/R逆張り+出来高急増確認
    • 反転時に出来高が急増 → 機関投資家の反転参加シグナル。
  4. S/R逆張り+トレンド転換検出(MACDクロス併用)
    • 水平線反発がトレンド転換初動になりやすい。

💬 12. まとめ

水平線S/R逆張り戦略は、
「市場心理と過去の反応点」を可視化して、
その価格帯での反転を狙うシンプルで再現性の高い手法です。

  • サポート/レジスタンスで「反転確認後に入る」
  • ローソク足+RSI/ATRで「確証を得る」
  • ATR/ゾーン幅で「リスク管理する」

この三点を徹底すれば、
トレンドフォローが苦手なレンジ相場で安定的な成果を上げやすくなります。

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