スワップフリー制度の概要
まず、スワップ(スワップポイント)とは、FXなどでポジションを翌日に持ち越す際に発生する金利差調整のことです。通常、通貨ペアにおいて低金利国通貨を買って高金利国通貨を売るようなポジションだと支払い義務が発生したり、逆方向なら受け取りになることがあります。
「スワップフリー」は、このスワップポイントを課さない(=手数料を発生させない)ようにした制度です。
Exnessでは、スワップフリー制度を採用しており、一定の銘柄や条件下でスワップポイントが発生しないようにしています。
特に、イスラム教法に基づく取引をするトレーダー向けに「Islamic(イスラム)」口座という形でスワップフリー対応を行う業者も多いですが、Exnessではそれに限らず、一般アカウントにおいてもスワップフリーが適用される銘柄があります。
公式にも、「すべての口座タイプで初期設定からスワップフリーが適用される」といった記述があります。
ただし、すべての銘柄・すべての状況でスワップが完全に免除されるわけではなく、「スワップフリー対象銘柄」が限定されている場合が多いようです。
対象銘柄・条件
以下は、Exnessにおいてスワップフリー扱いされることが明記されている銘柄・条件などです。
| 種類 | スワップフリー適用の有無・備考 |
|---|---|
| 株価指数CFD | 全銘柄がスワップフリーの対象とされているとの記述あり。 |
| 仮想通貨・暗号資産 | 上位の仮想通貨(例:ビットコイン、イーサリアムなど)は 24/7 スワップフリー扱いという説明あり。 |
| FX通貨ペア(メジャー・マイナー) | 多くのメジャー通貨ペアおよび一部マイナー通貨ペアがスワップフリー対象。例として、EUR/USD、GBP/USD、USD/JPY などが挙げられている。 |
| XAU/USD(ゴールド/米ドル) | XAU/USD および BTC/XAU のポジションはスワップポイントが発生しない(=スワップフリー)という説明あり。 |
| その他商品(コモディティ・エネルギーなど) | 一部にスワップフリー対象がある可能性。公式FAQで「USOIL(原油)」や特定の銘柄がスワップフリー対象という記述あり。 |
ただし、以下のような制約や変動要因があります:
- スワップポイントは日々変動するため、スワップフリー対象であっても例外的に調整が入る可能性がある。
- 一部情報源によれば、2024年10月1日以降、Exnessは「スワップフリーステータス制度を撤廃する」という動きがあったという情報もあります。
- スワップフリー扱いになる「レベル(ステータス)」制度があった、という過去の説明も散見されます。たとえば「優待スワップフリー」「スタンダードスワップフリー」という分類も紹介されていました。
注意点・制度の変更・限界
スワップフリーを利用するにあたって、以下の注意点があります。
- 制度変更の可能性
スワップフリー制度や対象銘柄、ステータス制度は、Exnessが改定を行うことがあるため、過去の情報と現在の条件が異なることがあります。たとえば、上述のように「スワップフリーステータス制度を撤廃」という情報も見られます。 - レベル・ステータスによる制限
過去には、トレーダーの取引活動(取引量・保有期間など)によって「スワップフリーレベル」が変動し、スワップフリー対象となる銘柄の数が変動するという事もありました。
しかし、制度変更によりこのレベル制度自体が廃止された、という話もあります。 - スワップフリー解除のリスク
過去には、Exnessが特定のトレーダーに対してスワップフリー状態を解除する例が報告されており、スワップフリー解除されたらどうするかという話もあります。
スワップフリー解除が行われる原因は公表されていないことが多いため、予期しないコストが発生するリスクがあります。 - 対象外銘柄の存在
すべての通貨ペア・すべての商品でスワップフリーというわけではなく、上記の表のように限定的な銘柄に対して適用されるケースが多いです。 - 公称 vs 実際の適用差
公式表記に「初期設定からスワップフリー」とある一方、ユーザー報告では「スワップフリーが解除された」「条件で除外された」というものもあるため、実際に取引するときには自分の口座・銘柄でスワップがどうなるかを確認する必要があります。
🎯 戦略1:中長期スイング/ポジション保有型戦略
概要
スワップが発生しない=「ポジションを何日も持っていても金利コストを気にしなくて済む」ため、数日〜数週間にわたるスイングトレードやポジション保有型の戦略に非常に向いています。
手順・ポイント
- 日足・4時間足あたりで明確なトレンドまたはトレンド転換の兆しを探す。例:移動平均線のクロス、ADXでのトレンド強度確認など。
- 押し目・戻り目(トレンド方向の調整)を1時間足・30分足で待つ。サポート/レジスタンス、チャートパターン(ピンバー、包み足など)を使う。
- エントリーを決定。損切りは直近の逆方向の高値/安値の少し外側、利確目標はトレンドの幅+直近の山/谷を参考に。
- ポジションを数日〜数週間保有する可否を判断。スワップがないので「保有コストを気にせず様子を見る」ことができます。
なぜスワップフリー口座と相性が良いか
- 通常口座だと、長期保有するとスワップ負担が重くなり、利潤を圧迫する可能性があります。スワップフリーならその心配が減ります。
- 中長期でじっくり波を取る戦略において、コストが少ない状態は有利です。
注意点
- 保有期間が長くなるほど、ニュース・指標・経済イベントなどの影響を受けやすいです。リスク管理(損切り・トレイルストップ)を必ず設定してください。
- スワップが無いとはいえ、スプレッド・スリッページ・大きなギャップ(週明けギャップ)など他のコスト/リスクが存在します。
- 「ただ保有していれば儲かる」わけではありません。戦略・エントリー・含み損管理が重要です。
🎯 戦略2:ポートフォリオ多角化&「資産保有型」ポジション戦略
概要
株式CFD・コモディティ(例:金・銀)・インデックスなど複数のアセットに分散してポジションを持ち、「数週間から数か月」レベルで保有し、値動きによるリターンを狙う戦略です。
手順・ポイント
- スワップが無いことを前提に、保有コストを抑えられるアセットを複数選定。例:金(XAU/USD)、銀(XAG/USD)、株式CFDなど。Exnessではスワップフリー口座でも対象外の銘柄がある可能性があるため、契約仕様を確認。
- 各アセットのテクニカル分析+ファンダメンタルズ分析を行い、大きな上昇/下落の流れが期待できるものを選ぶ。例えば金が上抜け図を描いている、株価が長期調整を終えて反転の兆しが出ている等。
- 分散を効かせたうえで、ポジション毎に損切りレベルとホールド期間を決定。保有期間が長めなので、リスクを抑えるためロット数を少なめに設定。
- 期間中は主要な経済イベント・市場の流動性・週末のギャップに注意。スワップが無くてもそれ以外の突発コストは発生し得る。
なぜスワップフリー口座と相性が良いか
- 長期保有型・分散型戦略では「持っているだけのコスト」が少ないほど有利です。スワップが無い環境はこの点でアドバンテージがあります。
- 株・コモディティ・インデックスなど、通常保有コストが気になるアセットにも安心してアクセス可能。
注意点
- 保有期間が長くなるほど、マクロ環境・政策・地政学リスクに晒されます。ニュースを追い、必要ならポジションを手動で整理する習慣をつけましょう。
- 分散しすぎて「管理しづらい量・種類」を持つと、監視負荷が増します。必ず管理可能な範囲内で多角化を。
- スワップ無=リスク無ではありません。価格が予想と逆方向に動いた場合の損失は、即日発生します。
🎯 戦略3:「時間足を跨いで持つ」短期〜中期ハイブリッド戦略
概要
一般的にはスキャルピングやデイトレードでは「日跨ぎ」を避け、スワップを避けるため当日決済を徹底することが多いです。しかし、スワップフリー口座を活用すれば、「翌日以降も保有できるが、あくまで短期〜中期(数時間〜数日)」というハイブリッド戦略を採用できます。例えば、1 時間足~4 時間足でエントリーし、トレンド方向に向かえば翌日も持ち越す、という戦略。
手順・ポイント
- 30分足・1時間足でエントリーサインを探す。例えば価格が小さなレンジから明確に抜けた、サポート/レジスタンスで反発した、など。
- エントリー後、4時間・日足レベルでトレンドの方向性も併用して確認。翌日持ち越す場合の方向性確認が重要。
- ポジションは翌日または数日後の利確を想定。損切りはエントリー直後の高値/安値から少し余裕を持たせる。利確は、例えば翌日の流動性増加時(欧州時間→米国時間)を狙う。
- スワップ負担がないことを活かしつつ、「当日決済に拘らず良い波を逃さない」戦略とする。
なぜスワップフリー口座と相性が良いか
- 通常口座では「日またぎ=スワップコスト発生」のため、躊躇して翌日持ち越さないトレーダーが多いですが、スワップフリー環境ならその制約が無くなります。
- 短期~中期戦略の柔軟性が増します。「良い波があっても当日中の反転がなければ持ち越す」判断がコスト的にしやすくなります。
注意点
- 翌日持ち越すことで「夜間・早朝の流動性低下」「ギャップ」「重要ニュース発表前後」のリスクが出てきます。必ずリスク管理を行ってください。
- 長期保有型戦略ほどではないにせよ、持ち越すことでポジション管理の監視が必要です。
- 「スワップが無いから安心」という過信は禁物。ポジションが思惑と反対に動いたら損失が出ます。
📌 注意点・共通リスク管理
- スワップフリー口座でも スプレッド・スリッページ・手数料(口座タイプによる) など他のコスト/リスクが存在します。
- Exnessの「スワップフリー資格」には条件があり、取引活動が一定基準を下回ると取り消される可能性があります。
- どの戦略でも、損切りの設定とポジションサイズの管理は必須です。スワップが無くても、含み損が膨らめば証拠金維持率を割ってしまうリスクがあります。
- トレードを始める前に、必ずデモ口座等で「自分が用いる時間足・通貨ペア・戦略」がスワップフリー口座でどのように機能するか確認してください。
- 国や地域、口座タイプによってスワップフリーの対象通貨ペア/アセットが異なることがありますので、取引前に対象アセットを確認することをおすすめします。 7
実際に使う際のチェックポイント
スワップフリー制度をうまく活用するために、以下を確認しておくとよいでしょう。
- 自分の口座・銘柄でスワップフリーが適用されているか
Exnessのパーソナルエリア(MyExness や PA)や取引プラットフォーム上で、スワップ値が 0 になっているかを確認します。 - スワップポイントの表示(0 または非表示)
スワップフリー対象であれば、スワップポイントが付与されないため、スワップ欄が 0 または「-」の表示になることがあります。 - 制度変更のお知らせをチェック
Exnessからのお知らせ、更新ログ、FAQ などに目を通し、スワップ制度の改定がないか注意します。 - 長期保有ポジションの影響を考慮
スワップフリー制度は、長期保有ポジションにおけるスワップコストを抑える目的がありますが、非対象銘柄を保有すると従来通りコストがかかります。 - スワップフリー解除に備える
過去の事例では、スワップフリー解除がなされ、以後スワップが発生するようになった報告もあります。そうなった場合のリスクを想定しておくことが重要です。
Q&A:Exness のスワップフリー制度
| Q | A |
|---|---|
| スワップとは何ですか? | FX等でポジションを翌日に持ち越す際、通貨間の金利差に応じて調整される手数料(支払い/受け取り)がスワップです。Exness ではスワップは通常、夏時間・冬時間での決済時間で毎日付与または差し引かれます。 |
| スワップフリーとは何ですか? | 指定された銘柄(通貨ペア・CFDなど)について、スワップ(オーバーナイト金利調整)が発生しないようにした制度です。これにより、中長期保有でのマイナススワップコストを抑えることが可能になります。 |
| すべての口座でスワップフリーが使えますか? | はい、Exness の説明によれば、すべての口座タイプにスワップフリーが初期設定で適用される可能性があります。 ただし、「スワップフリー状態」がトレーダー単位で管理され、一定行動をすると解除される可能性もあります。 |
| どの銘柄がスワップフリー対象になりますか? | Exness の情報によると、以下のような銘柄が対象になりやすいとされています: ・メジャー通貨ペア(例:USD/JPY 等) ・仮想通貨(例:ビットコイン、イーサリアム等) ・株価指数 CFD(全銘柄がスワップフリー対象とする説明あり) ・ゴールド(XAU/USD)や一部のコモディティ/エネルギー銘柄もスワップフリー対象になることが明記されています。 |
| USD/JPY(ドル円)はスワップフリー対象ですか? | 複数の情報源で「メジャー通貨ペア(例:USD/JPY 等)はスワップフリー取引可能」と記載されています。ただし、実際にあなたの口座で USD/JPY がスワップフリーになっているかは、プラットフォーム上の仕様一覧(Swap = 0 などの表示)で確認する必要があります。 |
| スワップフリーが解除されることはありますか? | はい、スワップフリー状態が「解除」される例が報告されています。例えば、Exness はトレーダーの取引パターンを分析し、「スワップフリー禁止の行為とみなす振る舞い」があれば対象外とすることがある、という見解があります。 解除されると、スワップが再び発生するようになります。 |
| 解除されたらどうすればいいですか? | いくつかの対応案があります: 1. 取引を続けてスワップフリー状態が復活するか確認する。 2. 新しい口座を別条件で開設し直す。ただし、Exness 側ではトレーダー単位でスワップフリー適用を判断しているという報告もあり、単純な口座変更だけでは解決しないケースもあります。 |
| スワップフリーレベル(優待スワップフリー等)って何? | 過去には、Exness が「標準スワップフリー(Standard Swap-Free)」と「拡張スワップフリー(Extended / 優待スワップフリー)」などのレベルを設け、取引量など一定条件を満たしたトレーダーにはより広範な銘柄でスワップフリーを適用する制度があったという説明があります。 ただし、最近の情報ではこのレベル制度が廃止または見直された可能性もあり、その詳細や適用基準は公式情報で確認すべきです。 |
| スワップフリー口座(イスラム口座)とは? | イスラム法に基づく取引をするトレーダー向けに、利子(スワップ)を取らない「イスラム口座(Islamic / Swap-Free)」が用意されることがあります。 Exness では、イスラム圏の口座では自動的にスワップフリーとされる場合があります。 ただし、イスラム口座と非イスラム口座(通常口座でスワップフリー設定されたもの)は、スワップフリー状態を相互に切り替えできないという記述があります。 |
| スワップフリーの適用はアカウント全体(個人)ですか、それとも口座単位ですか? | Exness のヘルプセンターでは、「Swap-free 状態はアカウント全体(Personal Area)に適用される」との記述があります。つまり、すべての取引口座(口座タイプ)でスワップフリー状態が有効になるような扱いとされています。 |
| スワップフリーの確認方法は? | Exness のパーソナルエリア(Personal Area)から、「設定 → 取引条件 (Trading Conditions) → Swap-Free(スワップフリー)」欄で状態を確認できます。 また、取引プラットフォーム(MT4/MT5 等)の銘柄の「仕様」や「スワップ」表示欄でスワップが 0 かどうか確認する方法もあります。 |
| スワップフリーって本当に “無料(コストゼロ)” なの? | スワップが発生しないという意味では、「オーバーナイト金利コスト」がかからないというメリットがあります。 しかし、ブローカーには他のコスト(スプレッド、手数料、スリッページなど)が存在するため、それらも含めて取引コストを考える必要があります。 また、スワップがプラスになっていた場合、本来もらえるべきスワップがゼロ扱いになるケースもあります。 |
| スワップフリーの適用時間帯や例外はありますか? | 通常、スワップは GMT+0 時間ベースで付与されます。Exness では夏時間・冬時間に応じて、付与時間が 21:00 GMT+0(夏時間)または 22:00 GMT+0(冬時間)などとなります。 ただし、スワップフリー対象銘柄ではこれが “0” になります。 加えて、仮想通貨などは 24/7 スワップフリーとして扱われることが公式に示されています。 |
| スワップフリー制度は将来変更されることがありますか? | はい、ブローカーはサービス条件を改定することがあり、その中にスワップフリー制度の見直しが含まれることがあります。 そのため、最新のお知らせやヘルプセンターのアップデートを定期的に確認することが重要です。 |
| スワップフリーと無制限レバレッジの関係はありますか? | 明確な関連を示す公式情報は見つかりませんが、スワップフリー制度を導入している銘柄・口座では、他の条件(レバレッジ、マージン要件等)が別途設定されていることがあり得ます。 |
| スワップフリー制度で特に注意すべき点は? | – 常に公式情報で、あなたの口座・銘柄でスワップが「0」になっているか確認すること – 解除リスクを考慮して、極端なスワップ狙い取引や不自然な保有傾向を避ける – スワップフリー制度が変更・廃止される可能性を念頭に置く – スワップ以外の手数料(スプレッド、取引手数料等)も含めてコストを見積もる – スワップフリー状態であっても、原則として配当金調整(株価指数等)や他の調整コストは別途発生する可能性あり |
🔹 Exnessのスワップフリーまとめ
- スワップ(オーバーナイト金利調整)が0になる制度
- 対象銘柄:メジャー通貨ペア(USD/JPY含む)、仮想通貨、ゴールド、株価指数CFDなど
- 全口座タイプで適用される(ただし対象銘柄は限定)
- 注意点:
- 制度は変更・廃止される可能性あり
- アカウント単位でスワップフリー解除されることがある
- スワッププラスも0になるため、受け取り利益はなくなる
👉 要するに「ドル円など主要銘柄では基本スワップがかからないが、対象は限定的で制度変更もあるので、常に口座内でスワップが0か確認するのが安全」です。








