**「EA限定:スプレッド動的フェーズ制御フルレバ」**は、
これまで話してきた裁量系(歪み・フェード・回帰)を
**EA(自動売買)で“事故らずにフルレバを使うための制御思想”**として
完全に体系化したものです。
これは**手法というより「OS」**に近い概念です。
目次
① 一言で言うと(核心)
EAは「入る条件」ではなく
「レバを使っていいフェーズ」だけを
スプレッドで判断する
つまり
- エントリー条件:別ロジック
- レバ制御:スプレッド専任
② なぜEAでは「フェーズ制御」が必須か
裁量なら:
- 違和感
- 約定感
- 板の薄さ
を感じて「やめる」ができる。
EAは:
- 感じられない
- 異常時ほど機械的に突っ込む
👉
だから“市場の異常を数値で止める装置”が必要
= スプレッド。
③ フェーズとは何か(定義)
EA内部で市場を
スプレッド状態によって段階分けします。
例(FX):
| フェーズ | スプレッド状態 | EAの挙動 |
|---|---|---|
| Phase 0 | 異常(爆拡大) | 完全停止 |
| Phase 1 | 不安定 | 監視のみ |
| Phase 2 | 通常 | 軽ロット |
| Phase 3 | 安定 | 通常ロット |
| Phase 4 | 極安定 | フルレバ解放 |
👉 Phase 4は常に一瞬しか存在しない
④ 動的フェーズ制御の仕組み
固定値NGの理由
- 通貨ペア
- 時間帯
- 業者
でスプレッドは全く違う。
解決策:動的基準
基準スプレッド = 過去N分の中央値 or EMA
現在値 ÷ 基準値 = 歪み率
例:
- 歪み率 1.0 → 通常
- 0.7以下 → 極安定
- 1.5以上 → 異常
👉 絶対値ではなく“相対値”で判断
⑤ フルレバ解放ロジック(超重要)
EAでフルレバを使っていいのは
以下すべて一致時のみ。
- 歪み率 ≤ 0.7
- 連続T秒(例:5〜10秒)維持
- スプレッドの傾きが横ばい or 縮小
- 直前に拡大フェーズを経ていない
👉 「狭い」+「落ち着いている」が必要
⑥ ロット制御の実装例(擬似コード)
if spread_ratio >= 1.5:
lot = 0
elif spread_ratio >= 1.2:
lot = base_lot * 0.3
elif spread_ratio >= 1.0:
lot = base_lot * 0.6
elif spread_ratio >= 0.8:
lot = base_lot * 1.0
else:
lot = base_lot * 2.0 // フルレバ
※ エントリー可否とロットは完全分離
⑦ なぜ「フルレバでも破綻しにくい」のか
- フルレバが使われるのは
市場が最も静かな瞬間 - ボラ・滑り・歪みが最小
- 滞在時間が極短
👉
“当たるから”ではなく
“外れても致命傷になりにくい”
⑧ 絶対に入れておくべき安全装置
① クールダウン
- Phase 0〜1発生後
X秒〜X分エントリー禁止
② 連続拡大検知
- 縮小→拡大→縮小
が短時間に起きたら全停止
③ 指標フィルター
- 経済指標前後
Phase判定自体を無効化
⑨ この設計で向いているEAタイプ
- スキャルEA
- フェード/回帰型
- 秒〜分単位保有
- 勝率重視型
❌ 不向き
- トレンド追随
- 長時間保有
- ナンピンEA
⑩ よくある致命的ミス
❌ スプレッド条件をエントリー条件に混ぜる
❌ 固定スプレッド値で制御
❌ フルレバ時間を長く取る
⭕ 正解
スプレッドは「許可証」
⑪ まとめ(本質)
- EAは空気を読めない
- スプレッドは唯一の空気計
- フルレバは
- 瞬間
- 相対評価
でのみ許可
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