TradeviewのEA用シグナル&スプレッドヒストグラム解析について

ここはかなりEA(自動売買)実務の核心なので、
**「作り方」「使い方」「やってはいけないこと」**まで踏み込みます。


目次

0. EA用シグナル&スプレッドヒストグラム解析【完全解説】まず結論(重要)

スプレッドは「条件」ではなく「分布」で扱え

EAが死ぬ最大原因は

  • 固定スプレッド前提
  • 単一閾値(◯pips以上は取引しない)

👉
ヒストグラム化して初めて「意味のあるシグナル」になる


1. EAにおけるスプレッド解析の役割

スプレッドは何を表すか

要素意味
流動性板の厚み
参加者LPの有無
リスク約定不利・滑り

👉
価格シグナルの「信頼度重み」


2. スプレッドヒストグラムの基本設計

取得データ

EAで最低限必要:

  • Time
  • Bid / Ask
  • Spread(Ask − Bid)
  • Tick or Bar
spread = (Ask - Bid) / Point;

ヒストグラム化の単位

推奨①:時間帯別

  • Asia
  • London
  • NY
  • Overlap

推奨②:レジーム別

  • 高流動
  • 低流動
  • 指標前後(除外)

👉
1ヒストグラム=1状態


3. 正規化(やらないと壊れる)

NG

  • pipsそのまま

OK

(1) 相対スプレッド

Strel=AskBidMidS^{rel}_t = \frac{Ask – Bid}{Mid}Strel​=MidAsk−Bid​

(2) 対数変換(安定)

St=log(St)S’_t = \log(S_t)St′​=log(St​)


4. ヒストグラムから取る指標(超重要)

最低限これだけ

指標用途
Mean平常状態
Std異常検出
P90 / P95EAフィルター
Max取引停止判断
if spread > P95:
    no_trade = true

5. スプレッドZスコア(EAで使う形)

Ztspread=StμregimeσregimeZ^{spread}_t = \frac{S_t – \mu_{regime}}{\sigma_{regime}}Ztspread​=σregime​St​−μregime​​

EA向け解釈

Z処理
< 0フル許可
0〜1ロット減
1〜2最小ロット
>2売買禁止

6. EA用シグナルとの統合方法

価格シグナル単体(弱い)

if MA_cross:
    buy()

スプレッド重み付け(強い)

if MA_cross and Z_spread < 1:
    lot = base_lot * spread_factor(Z_spread)
    buy(lot)

spread_factor例(実務向け)

function spread_factor(z):
    if z < 0.5: return 1.0
    if z < 1.0: return 0.7
    if z < 1.5: return 0.4
    return 0.0

👉
「エントリーON/OFF」ではなく「量」で制御


7. ヒストグラム × シグナル分類(重要)

勝ちパターンを可視化

Spread帯勝率PF
P0–50
P50–80普通普通
P80–95
P95+破滅破滅

👉
EAの期待値が一気に安定する


8. EAバックテストでの注意点(超重要)

❌ よくある罠

  • テスターの固定スプレッド
  • ヒストグラムをリアルと混ぜる
  • 将来データで平均計算(リーク)

✔ 正解

  • Tickベース
  • Walk Forward
  • 時間帯別分離

9. スプレッド異常を「シグナル」にしない

NG思考

「スプレッド広い=逆張りチャンス」

正解

スプレッドは「市場状態」

状態行動
異常+価格静止ロット極小
異常+価格加速完全回避
正常+価格加速トレンド参加

10. EA設計テンプレ(最小構成)

必須モジュール

  1. Spread Logger
  2. Regime Classifier
  3. Histogram Updater
  4. Signal Weighting
  5. Kill Switch

11. 実務レベルの発展

  • ヒストグラムのオンライン更新(EWMA)
  • 銘柄別スプレッド特性DB
  • EA停止判断(Spread Tail侵入)
  • ブローカー劣化検知

12. 一言でまとめると

「スプレッドを条件から“統計構造”に昇格させると、EAは別物になる」

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