約定強度(Tick加速)逆転スキャルは、
ここまで出てきた戦略の中でも 最も「フロー依存」かつ「裁量では再現が難しい」 部類です。
これは価格ではなく、
「約定の“勢い”がピークアウトした瞬間」
その**時間差(ほんの数秒)**を抜く戦略です。
以下、
構造理解 → 定量化 → 逆転検知 → エントリー/撤退 → EA視点 → 破綻条件
まで、実務レベルで解説します。
目次
約定強度(Tick加速)逆転スキャル【完全解説】
1. 戦略の本質(最重要)
一言で
「価格が止まる前に、
“約定の勢い”が止まった瞬間を先に売買する」
- 天井・底を当てに行かない
- フローの疲労を取る
- 数秒〜十数秒で完結
👉
価格 ≪ 約定強度 ≪ スプレッド
この順で情報が早い
2. 約定強度(Tick Intensity)とは何か
定義
一定時間内の Tick数/約定数It=ΔtTicks in Δt
例:
- ticks / second
- trades / second
なぜ重要か
- 強いトレンド → Tickが加速
- 疲弊 → Tickが減速
- 価格は その後で止まる
👉
Tickは“心拍数”
3. 勝ちパターンの市場構造
① 価格が急加速
② 約定(Tick)が爆発的に増える
③ さらに価格が伸びる(最後の一押し)
④ Tickが減速し始める
⑤ 価格が止まり、逆流
👉
④→⑤の時間差を取る
4. なぜ「逆張り」なのに成立するのか
- 加速の最後は
→ 成行の出尽くし - 新規参加者が来ない
- 反対側の指値が残る
👉
フローの非対称が一瞬生まれる
5. 定量化①:Tick加速の測定
基本指標
It=EMA(ticks/sec,n)
加速率
At=It−1It−It−1
実務目安
| 状態 | 条件 |
|---|---|
| 通常 | I < μ + 1σ |
| 加速 | μ + 2σ |
| ピーク | μ + 3σ |
| 減速開始 | A < 0 |
👉
ピーク → 減速 が最重要
6. 定量化②:価格との非同期(核心)
危険
- Tick減速と同時に価格反転
→ 遅い
狙う形
Tick:減速開始
価格:まだ高値更新(or 安値更新)
👉
価格が“嘘をついている”状態
7. スプレッド条件(必須)
勝ちパターン
- 加速中:スプレッド拡大
- 減速時:スプレッドが縮まらない or 再拡大
危険
- Tick減速+スプレッド縮小
→ 大口継続参加(本物)
8. エントリー設計(王道)
売り例(上昇後)
① 価格急騰(短時間)
② Tick強度がμ+3σ以上
③ Tick強度が減速に転じる
④ 価格はまだ高値圏
⑤ スプレッドが広め or 不安定
➡ 小ロットで成行 or 指値即約定
※ 初動では絶対に入らない
※ 減速“確認後”のみ
9. なぜ「確認後」でも間に合うのか
- 天井・底は
→ 時間を使って作られる - 出尽くしは
→ 一瞬では終わらない
👉
「最初の1tick」は捨てていい
10. 利確設計(即)
王道
- 直近加速幅の 30〜50%
- Tickが通常帯に戻る
if I_t < mu + 1σ:
take_profit()
👉
欲張ると勝率が崩壊
11. 損切り・撤退(最重要)
即撤退条件
- Tickが再加速
- スプレッドが急縮小
- 高値(安値)を更新し続ける
if I_t rising_again:
exit_now()
👉
“疲れていない”なら即逃げる
12. ロット設計(超保守)
原則
Tickが速いほどロットは小さく
if I_t < μ + 2σ: lot = 1.0
elif I_t < μ + 3σ: lot = 0.5
else: lot = 0.2
13. 向いている市場・時間帯
◎
- ロンドン前半
- NY前半
- Crypto高流動帯
✕
- 超低流動時間
- 指標直後
- セッション切替
14. EA化の必須要素(裁量不可)
必須モジュール
- Tick強度計測(リアルタイム)
- 強度ピーク検知
- 減速検知
- 価格非同期チェック
- スプレッド監視
- 超高速Kill Switch
👉
MT4のバーEAではほぼ無理
15. よくある致命的失敗
❌
- Tick増えたら逆張り
- 価格だけで判断
- ロットを張る
- 利益を伸ばす
✔
- 減速“後”に入る
- 非同期を見る
- 小ロット
- 即利確
16. この戦略が破綻する瞬間
- 指標・要人発言
- 大口アルゴの連続執行
- スプレッド安定+Tick再加速
- データ遅延
👉
「疲労」が存在しない相場では無力
17. 一言でまとめると
「価格ではなく、
“走る力が尽きた瞬間”を逆張る戦略」
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