板薄時間帯フェイクブレイク逆張りは、
これまで話してきた戦略の中でも 「最も環境依存・最も判断が難しい」 ですが、
条件が揃った時の期待値は非常に高い 上級者向け手法です。
ここでは
構造理解 → 見抜き方 → 定量条件 → エントリー/撤退 → EA化視点 → 破綻条件
まで、実務レベルで解説します。
目次
板薄時間帯フェイクブレイク逆張り【完全解説】
1. 戦略の本質(最重要)
一言で
「流動性がない時間帯に、
“本気ではないブレイク”が
成行1〜数発で作られた瞬間を否定する」
- ブレイク方向に賭けない
- 価格ではなく市場参加者の不在に賭ける
2. なぜ「板薄時間帯」はフェイクが多いのか
板薄時間帯の特徴
- LP(流動性提供者)が減る
- 板の深さが極端に浅い
- 少額成行でも価格が飛ぶ
👉
価格が動いた理由が「需要」ではなく「空白」
3. 対象となる時間帯(超重要)
◎ 向いている
- FX:
- 東京早朝(7:00前後)
- ロンドン昼休み
- 先物:
- ナイト後半
- Crypto:
- 流動性急低下時間(UTC深夜)
✕ 向いていない
- ロンドン・NYオープン
- 指標直後
- セッション切替直後
4. フェイクブレイクの構造(勝ちパターン)
本物ブレイク
- 板が厚い
- 約定数が増える
- スプレッドは安定 or 縮小
- 押し目が作られる
フェイクブレイク
- 板が薄い
- 約定数が増えない
- スプレッドが拡大
- すぐに止まる
👉
「抜けた」ではなく「飛んだ」
5. ブレイク対象となる価格帯
必須条件:誰かが見ている場所
- レンジ高値・安値
- 前日高安
- 00・50
- アジアレンジ上下限
👉
どうでもいい価格のブレイクは無視
6. 定量条件①:価格ブレイク幅
小さすぎる → ノイズ
大きすぎる → 本物の可能性
目安
0.3ATR<ブレイク幅<0.8ATR
7. 定量条件②:約定・出来高(最重要)
フェイク条件
- 約定数が増えていない
- もしくは一瞬だけ増えて即失速
if break and trades_per_sec < threshold:
possible_fake = true
👉
「音がしないブレイク」
8. 定量条件③:スプレッド挙動
勝ちパターン
- ブレイク時にスプレッド拡大
- 追随中に縮小しない
危険パターン
- ブレイク中にスプレッドが安定
if break and Z_spread > 1.0:
liquidity_vacuum = true
9. エントリー設計(王道)
売り例(上抜けフェイク)
① 板薄時間帯
② 主要節目を上抜け
③ ブレイク幅が中程度
④ 約定数が増えない
⑤ スプレッド拡大
➡
戻りを待たず、失速確認後に成行 or 指値
※ 初動では入らない
10. なぜ「失速確認後」なのか
- 初動はまだ“本物の可能性”
- 失速=追随者不在の証拠
👉
フェイクは「止まることで確定」する
11. 利確設計(欲張らない)
王道利確
- レンジ内回帰
- 抜けた節目まで戻る
目安
- ブレイク幅の50〜100%
12. 損切り・撤退条件(最重要)
即撤退
- 約定数が後から増える
- スプレッドが縮小し始める
- 再度ブレイク方向へ加速
if after_entry and trades_per_sec rising and spread shrinking:
exit_now()
👉
「後出し流動性」は一番危険
13. ロット設計
原則
板が薄いほどロットは小さく
if Z_spread < 1.0: lot = 1.0
elif Z_spread < 1.5: lot = 0.6
else: lot = 0.3
14. EA化する場合の必須要素
必須モジュール
- Time/Regime Filter
- Level Detector
- Trade Intensity Monitor
- Spread Analyzer
- Stall Detector(失速検知)
- Kill Switch
👉
価格だけのEAでは絶対に再現できない
15. よくある致命的失敗
❌
- 全時間帯で使う
- 出来高を見ない
- ブレイク直後に逆張り
- ロット固定
✔
- 時間帯限定
- 失速確認
- スプレッド重視
- 小ロット高速撤退
16. この戦略が「死ぬ」瞬間
- 指標リーク
- 大口の指値が後出しで入る
- セッション切替
- ブローカーの約定遅延
👉
“誰もいない”前提が崩れたら終わり
17. 一言でまとめると
「価格を否定するのではなく、
“参加者の不在”を否定する戦略」
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