Tradeviewのレンジ上限下限“板吸収”スキャルについて

レンジ上限下限「板吸収」スキャルは、
これまでの中でも 最も“板・約定・参加者心理”に依存するプロ向け戦略です。

「価格が止まっている理由が
“テクニカル”ではなく
“誰かが本気で吸収しているから”の瞬間だけを取る」

以下、
構造 → 見抜き方 → 定量条件 → エントリー/撤退 → EA視点 → 破綻条件
まで、実務レベルで解説します。


目次

レンジ上限下限「板吸収」スキャル【完全解説】

1. 戦略の本質(最重要)

一言で

「抜けるはずの価格で抜けない理由を“板”で確認し、
吸収が勝った瞬間の反転を数pips取る」

  • 価格は信じない
  • インジケーターも信じない
  • “約定が消えている”ことだけを信じる

2. 「板吸収」とは何か

定義

特定価格帯で、
継続的に成行がぶつかっているのに
価格が進まない状態

つまり:

  • 成行(攻撃)は来ている
  • しかし
  • 同じ価格に巨大な指値(防御)が存在

👉
“見えない壁”がある


3. なぜレンジ上限・下限で起きやすいのか

レンジ端の構造

  • ブレイク狙いの成行が集中
  • 逆張り勢の指値も集中
  • 大口は最も流動性がある場所で吸収する

👉
吸収は“目立つ価格”で起きる


4. 勝ちパターンの典型構造

① レンジ上限に到達
② 成行買いが増える
③ しかし価格が更新されない
④ Ask板が減らない(または即復活)
⑤ 成行が枯れる
⑥ 反対方向に一気に動く

👉
③〜⑤が“吸収”の正体


5. 本物ブレイクとの決定的違い

項目吸収本物ブレイク
成行来る来る
価格止まる進む
減らない食われる
スプレッド拡大/不安定安定
Tick失速継続

👉
価格が止まり、板が生き残る=吸収


6. 対象となるレンジの条件

必須

  • 同価格帯で複数回反発
  • 直近 10〜60分で有効
  • 幅が狭すぎない(最低 0.5 ATR)

NG

  • レンジが古い
  • ボラが急増中
  • 指標前後

7. 定量条件①:価格滞在時間

吸収のサイン

  • 同一価格帯に 異常に長く滞在

Tstay>μT+2σT_{stay} > \mu_T + 2\sigmaTstay​>μT​+2σ

👉
“動かない時間”が最大の情報


8. 定量条件②:約定 vs 板の非対称

吸収状態

  • 成行ヒット量 ↑
  • 板数量 ↓しない or 即復活
ΔExecuted >> ΔOrderBook

👉
消えない板=誰かが補充している


9. 定量条件③:Tick強度の変化

勝ちパターン

  • 上限接触時:Tick増加
  • その後:Tick減速

👉
攻撃が疲れた合図


10. スプレッド条件(補助だが重要)

  • 吸収中:
    → スプレッド不安定・やや拡大
  • ブレイク直前:
    → スプレッド安定・縮小

👉
安定し始めたら危険


11. エントリー設計(王道)

売り例(レンジ上限)

① レンジ上限接触
② 成行買いが来る
③ 価格が更新されない
④ Ask板が残り続ける
⑤ Tickが減速

成行 or 軽い指値で売り

※ 押し戻された“直後”に入る
※ 抜けた瞬間に逆張りしない


12. なぜ「押し戻し確認」が必要か

  • 吸収は
    勝つまで表に出ない
  • 抜けたように見えても
    → 最後の一押しの可能性

👉
1tick逆流=勝敗確定の合図


13. 利確設計(即・浅く)

王道

  • レンジ中央
  • 最低 2〜5 pips(FX)
  • Tickが通常帯に戻るまで

👉
全部戻る前に降りる


14. 損切り・撤退条件(最重要)

即撤退

  • 板が一気に消える
  • スプレッドが安定
  • Tickが再加速
if orderbook_thins and tick_intensity_rising:
    exit_now()

👉
“吸収役”が逃げたら即死


15. ロット設計(超保守)

原則

吸収が強いほどロットを下げる

if absorption_confidence_high: lot = 0.5
else: lot = 0.3

👉
張る戦略ではない


16. 向いている時間帯

  • ロンドン前半
  • NY前半

  • アジア薄時間
  • 指標直後

17. EA化の現実(重要)

EAで可能な部分

  • 滞在時間
  • Tick強度
  • 価格更新有無

EAで難しい部分

  • 板の「補充意図」
  • 見せ板との判別

👉
完全EA化はほぼ不可能
→ 半自動 or 裁量補助が現実的


18. よくある致命的失敗

  • レンジと決め打ち
  • 板を1回見ただけ
  • 抜けた瞬間に逆張り
  • ロットを張る

  • 複数回の滞在確認
  • 成行 vs 板の継続比較
  • 押し戻し後に入る
  • 即逃げ前提

19. この戦略が破綻する瞬間

  • 吸収役が撤退
  • 大口が本気で突破
  • 指標リーク
  • 板が突然スカスカ

👉
“守る人”がいなくなった瞬間が終わり


20. 一言でまとめると

「抜けない理由を“板”で確認し、
勝敗が確定した瞬間だけを抜く戦略」

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