Tradeviewのスプレッド感応型トレンドフォロー（動的ロット）について

**スプレッド感応型トレンドフォロー（動的ロット）**は、

「トレンドが出ているか」だけでなく
「今、そのトレンドに“参加しやすい市場状態か”」を
スプレッドで判断し、ロットを連続的に変化させる

という、トレンドフォローを一段上に引き上げる設計思想です。

• スプレッド異常検出
• 低流動時間帯
• 節目乖離

の**逆（＝順張り側の最適化）**に位置づけられます。

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1. なぜ通常のトレンドフォローは効率が悪いのか

従来型の問題点

• ブレイク直後 → スプレッドが最大
• 流動性が戻る前にフルロットで入る
• 結果：
  • 滑る
  • 逆行に弱い
  • 期待値が不安定

👉
「方向は合っているのに、入り方が悪い」

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2. スプレッドは“参加者の温度計”

スプレッドが示すもの

スプレッド状態	市場の意味
狭い	LPが多い・安心
やや拡大	トレンド発生
極端に拡大	参加者が一時撤退

➡
「トレンドの強さ」ではなく
「トレンドに参加できる安全度」

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3. 戦略の全体像

3つの同時入力

1. トレンド強度
2. スプレッド状態
3. 流動性レジーム

⬇
ロットサイズを連続制御

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4. トレンド判定（方向と強さ）

代表的指標（例）

(1) EMA傾き

$$Trend_t = EMA_{fast} – EMA_{slow}$$Trendt​=EMAfast​−EMAslow​

(2) 回帰傾き

$$\beta_t = \text{slope}(P_{t-n:t})$$βt​=slope(Pt−n:t​)

(3) ブレイク距離

$$Z^{trend}_t = \frac{P_t – High_{n}}{ATR_n}$$Zttrend​=ATRn​Pt​−Highn​​

➡ 方向と「出始めか／成熟か」を区別

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5. スプレッド感応モデル（核心）

スプレッドZ

$$Z^{spread}_t = \frac{S_t – \mu_{regime}}{\sigma_{regime}}$$Ztspread​=σregime​St​−μregime​​

解釈

Z_spread	状態
< 0	流動性良好
0〜1	健全
1〜2	注意
>2	危険（見送り）

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6. 動的ロット設計（最重要）

基本式

$$Lot_t = Lot_{base} \times f(Z^{trend}_t) \times g(Z^{spread}_t)$$Lott​=Lotbase​×f(Zttrend​)×g(Ztspread​)

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トレンド係数 $f$f

例：$$f(Z^{trend}) = \min(1 + k \cdot |Z^{trend}|, f_{max})$$f(Ztrend)=min(1+k⋅∣Ztrend∣,fmax​)

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スプレッド抑制係数 $g$g

例（実務向け）：$$g(Z^{spread}) = \begin{cases} 1.0 & Z \le 0.5 \\ 0.7 & 0.5 < Z \le 1.0 \\ 0.4 & 1.0 < Z \le 1.5 \\ 0.0 & Z > 1.5 \end{cases}$$g(Zspread)=⎩⎨⎧​1.00.70.40.0​Z≤0.50.5<Z≤1.01.0<Z≤1.5Z>1.5​

➡
「トレンドが強くても、広がってたら入らない」

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7. エントリータイミングの改善

王道パターン

1. ブレイク発生（Z_trend ↑）
2. 一時的にスプレッド拡大
3. スプレッド正常化
4. ロット増やして参入

👉
初動を追わず、2波目を厚く取る

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8. ピラミッディングへの応用

追加条件

• トレンド継続
• スプレッドが再び縮小

if trend_up and spread_normal:
    add_position(size = dynamic_lot)

➡
価格ではなく「市場状態」で積み増し

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9. イグジットもスプレッドで決める

利確サイン

• スプレッド再拡大
• 約定が急減
• トレンド鈍化

早期撤退

if spread_widening and momentum_fading:
    reduce_position()

➡
天井・底を当てに行かない

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10. なぜ期待値が上がるのか

要素	効果
悪い約定を避ける	損失減
良い時間帯だけ厚く	利益増
ロット連続制御	分散低下

👉
PFが安定する

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11. 向いている市場

市場	相性
FX	◎
先物	◎
暗号資産	○（板監視必須）
個別株	△

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12. よくある失敗

❌

• スプレッドをエントリー条件に使うだけ
• 固定ロット
• 指標発表直後で使う

✔

• ロット制御に使う
• regime 分離
• 低流動時間帯除外

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13. 発展（プロ向け）

• スプレッド × 約定強度（Hawkes）
• Hidden Liquidity 回復検知
• ロットを連続関数化（sigmoid）
• トレンド寿命推定

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一言まとめ

「勝ちやすい方向に、入りやすいときだけ、大きく張る」

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