TradersTrustのEA(自動売買)によるボラティリティ・スケーリングについて

EA(自動売買)によるボラティリティ・スケーリングは、
これまで話してきた **レバ最適化・MR・MTF設計を「自動で実行させる中核エンジン」**です。

裁量でやると必ずブレる部分を
👉 数値とルールで強制的に一定化する仕組み
それがボラティリティ・スケーリングです。


目次

1. ボラティリティ・スケーリングとは

一言定義

市場の変動率(ボラ)に応じて、
ロット・レバ・ポジション数を自動で増減させ、
常に「同じリスク量」で取引するEA設計

重要なのは👇
❌ 利益を最大化
リスクを一定化


2. なぜEAでやる必要があるのか

人間が必ず失敗するポイント

  • ボラが高い時にいつも通り入る
  • 静かな相場でレバを上げすぎる
  • 連勝・連敗で設定を変える

👉
ボラ判断 × 即時調整は人間には無理


3. この仕組みが解決する問題

問題スケーリング
相場が荒れるとDD拡大ロット自動縮小
相場が静かだと伸びないロット自動拡大
手法ごとのブレリスク統一
感情介入完全排除

4. ボラティリティの測り方(EA視点)

主に使われる指標

① ATR(最も一般的)

  • 期間:14〜50
  • 時間軸:手法依存(1H / 4H が多い)

② 標準偏差(σ)

  • リターンの分布
  • 統計的手法向き

③ 実現ボラ(Realized Vol)

  • 直近N本の実測変動率
  • 高頻度EAで使用

👉
EAでは「再計算が軽いもの」が優先


5. 基本ロジック(核心)

リスク一定モデル

ロット=口座残高×許容リスク率ボラティリティ(ATR等)\text{ロット} = \frac{\text{口座残高} \times \text{許容リスク率}} {\text{ボラティリティ(ATR等)}}ロット=ボラティリティ(ATR等)口座残高×許容リスク率​

意味:

  • ボラ↑ → ロット↓
  • ボラ↓ → ロット↑

👉 価格ではなく変動率で賭ける


6. レバレッジ制御への応用

EAでは
ロット=レバそのもの。

レバ上限ルール

  • 最大レバ:あらかじめ固定
  • ボラ急増時:強制デレバ
  • 平常時:通常運用

例:

  • 平均ATRの1.5倍超 → ロット50%
  • 2.0倍超 → 新規エントリー停止

👉
相場が壊れたらEAが勝手に逃げる


7. ストラテジー別スケーリング例

① スキャ・HFT系

  • ボラ基準:秒〜分ATR
  • 調整頻度:毎トレード
  • 目的:スプレッド耐性

② ブレイクアウトEA

  • ボラ基準:1H ATR
  • 調整頻度:数時間
  • 目的:フェイク回避

③ スイングEA

  • ボラ基準:日足ATR
  • 調整頻度:1日1回
  • 目的:DD一定化

8. ボラ・スケーリング × MR(最強構成)

組み合わせ設計

① EAがボラを測る
② 許容DDから最大ロット算出
③ MR制限でキャップ
④ 条件一致でのみ発注

👉
EAは「撃つ役」
MRは「止める役」


9. よくある致命的ミス

  • ATR期間が短すぎる(過反応)
  • ボラが低い=安全と誤認
  • ロット上限を設けていない
  • 指標・イベントを無視

👉
スケーリングは万能ではない


10. EA設計で必須の安全装置

最低限これが必要:

  • 最大同時ポジ数制限
  • 日次DD制限
  • 週次停止ルール
  • 異常スプレッド検知
  • 指標時間フィルター

👉
これが無いEAは“時限爆弾”


11. なぜプロはこの仕組みを使うのか

理由は単純:

手法の優劣より、
リスクの安定性の方が成績を決める

ボラ・スケーリングがあると:

  • 成績曲線が滑らか
  • 破綻確率が激減
  • 複数戦略を同時運用可能

12. 核心まとめ

EAによるボラティリティ・スケーリングは
「勝ち方」ではなく「壊れない動かし方」

そして本質は:

相場に合わせるのではなく
リスクを一定に保つ

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