ThreeTraderのVWAPタッチ時スプレッド先戻り反転について

VWAPタッチ時スプレッド先戻り反転」は、
裁量スキャル・High/Low・超短期デイトレの現場で使われる、やや高度な“見えないズレ”を突いた考え方です。
名前が長いので、構造→起きる理由→具体例→見抜き方→注意点の順で解説します。


目次

用語を分解

① VWAP

  • 出来高加重平均価格
  • 機関投資家・アルゴが強く意識
  • 「当日の公平価格」「磁石価格」

② タッチ時

  • ローソクの実体 or ヒゲがVWAPに触れた瞬間
  • 特に
    • 乖離からの初回タッチ
    • 欧州・NY開始直後
      が狙われやすい

③ スプレッド

  • Bid / Ask の差
  • VWAP付近では
    • 約定が集中
    • クォート更新が速くなる

④ 先戻り

  • 実勢価格(Mid)より先に
    表示レート(Bid/Ask)が戻る現象
  • 一種の
    • クォート先行
    • 表示のフライング

⑤ 反転

  • VWAPを
    • 明確に抜けず
    • タッチ後に元の方向へ戻る

つまりどういう現象?

👉
「VWAPに価格が触れた瞬間、スプレッドやクォート調整で“もう戻ったように見せる”動きが先に出て、結果としてVWAP反転が起きる現象」


典型的な流れ(例)

ケース:上からVWAPに接近

1️⃣ 価格がVWAPへ下落

  • 実勢(Mid):100.05
  • VWAP:100.00

2️⃣ タッチ瞬間

  • Askが 100.02 → 100.00 に先行
  • Bidはまだ 99.98

👉 見た目

  • 「VWAP割れそう」

3️⃣ スプレッド先戻り発生

  • Askが 100.03 に急戻り
  • Bidも追従

👉 チャート上

  • VWAPで止まったように見える

4️⃣ 結果

  • 実勢価格は
    VWAPを明確に割らず
  • 反転上昇

なぜ起きるのか(メカニズム)

1️⃣ VWAPは巨大な注文集積点

  • 機関・アルゴの
    • 指値
    • 受け渡し
      が集中

2️⃣ LP(流動性提供者)の挙動

  • VWAP付近では
    • スプレッドを一瞬広げる
    • 片側だけ先に戻す
  • → 不利な約定を回避

3️⃣ 表示価格と実勢のズレ

  • 我々が見るのは
    • Bid/Ask
  • 実際の
    • Mid
    • 取引成立価格
      とはズレる

4️⃣ そのズレが「先戻り」に見える

  • 先に戻った側につられ
    • 逆張り勢
    • アルゴ
      が反応

本物のVWAPブレイクとの違い

❌ フェイク(反転)

  • 初回タッチ
  • 出来高が増えない
  • ヒゲで止まる
  • スプレッドが一瞬不安定

✅ 本物ブレイク

  • 複数回VWAPテスト
  • VWAP上で滞在時間が長い
  • 出来高増加
  • スプレッドが安定

実戦での使いどころ

向いている

  • 初回VWAPタッチ
  • トレンド中の押し戻り
  • 欧州・NY開始直後

向いていない

  • レンジど真ん中
  • 指標直前
  • 出来高極小時間帯

注意点(重要)

  • 必ず反転するわけではない
  • VWAPは
    • 抜けたら一気に走る
  • スプレッド先戻りだけで
    エントリーすると危険
  • 上位足の流れ確認必須

見抜くコツ(まとめ)

  • 「VWAPに触れた瞬間」の
    Bid / Ask の挙動を見る
  • 他社チャートと比較
  • 出来高が増えていない反転を狙う
  • 初回タッチを重視

一言まとめ

VWAPタッチ時スプレッド先戻り反転とは
「VWAPという巨大磁石に触れた瞬間、表示価格が先に戻り、実勢がつられて反転する現象」

理解すると
VWAP逆張りの精度が一段上がる考え方です。

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