Order Flow Absorption(オーダーフロー吸収)スキャルは、
👉 「一方向の成行注文が大量に出ているのに、価格が進まない」
という需給の破綻点を突く、プロップ・HFT寄りの最難関スキャル戦略です。
以下では、概念 → 観測方法 → エントリーロジック → 失敗回避 → 実戦運用まで、実務レベルで詳解します。
目次
Order Flow Absorption スキャル 完全解説
1. Absorption(吸収)とは何か
定義
成行注文(Aggressive Orders)が、
反対側の指値注文(Passive Orders)に吸収され、
価格が進まない状態
例(上昇時)
- Buy成行:大量発生
- Ask価格:ほぼ動かない
- 約定数:増える
- 高値更新:なし
👉 誰かが“売り切っている”
2. なぜ反転するのか
役割交代
- 突っ込む側(成行)=短期勢
- 吸収側(指値)=大口・MM
吸収完了 →
👉 推進力ゼロ → 逆流
3. 吸収が起きやすい場所(超重要)
| 場所 | 理由 |
|---|---|
| 直近高安 | ストップ+利確 |
| VAH / VAL | 価値境界 |
| VWAP | 機関平均 |
| POC | 最大合意 |
📌 どこでも起きるわけではない
4. 観測に必要なツール
必須
- Time & Sales(約定方向付き)
- DOM(板)
- スプレッド表示
あれば強い
- CVD(累積デルタ)
- Volume Profile
5. 吸収の典型パターン
上昇吸収(ショート)
① Buy成行が連続
② 約定サイズが大きい
③ Ask価格が1〜2ティック動かない
④ Ask板が何度も補充される
⑤ スプレッドが縮む
→ ショート
6. エントリールール(実戦)
エントリー条件(5点チェック)
| 条件 | 必須 |
|---|---|
| 成行偏り | ✔ |
| 価格停滞 | ✔ |
| 板補充 | ✔ |
| 重要価格帯 | ✔ |
| 上位足レンジ | ✔ |
全て満たした瞬間のみ
7. エグジット設計
利確
- 吸収ゾーン下抜け
- VWAP / POC
- 3〜10ティック
損切り
- 吸収価格ブレイク
- 板消失
- 即2〜3ティック
8. 本物吸収 vs 偽吸収
本物(反転)
| 観点 | 特徴 |
|---|---|
| 約定 | 大量・同価格 |
| 板 | 補充が早い |
| 価格 | 停滞 |
| デルタ | 片側膨張 |
偽(踏まれる)
- 板が補充されない
- 価格が連続更新
- 出来高が持続
9. 他戦略との相性
相乗効果◎
- Liquidity Sweep後
- FVG外側
- MSB直後
- POC / VWAP重合
10. 日本市場(日経225)での注意
- ラージは吸収が綺麗
- ミニはノイズ多め
- 夜間は板復元が遅い
11. よくある失敗
❌ 約定だけ見て板を見ない
❌ 吸収「っぽい」で入る
❌ 損切りを我慢
12. 習得トレーニング方法
1️⃣ 同価格帯の大量約定を探す
2️⃣ 価格が動かなかった例だけ保存
3️⃣ 100例以上観察
4️⃣ 1日最大3回だけ実践
13. この戦略の本質(一文)
「成行が“勝っているように見える”瞬間に、
実はすでに負けが確定している側を売買する」
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