以下では、FXクロスペア × リターンスプレッド逆張り を、
プロップ系・裁定系のトレーダーが実際に使うレベルで
“核心部分 → 実戦手順 → 高勝率ポイント” の順に整理して解説します。
🔷 1. リターンスプレッド逆張りとは?
まず定義から。
リターンスプレッド逆張り(Return Spread Mean Reversion) とは:
2つのFX通貨ペアの “リターン(変化率)” のズレ(スプレッド)を合成し、
そのズレが大きく広がった時に元に戻る力を逆張りで取る手法。
ポイントは「価格差」ではなく
“リターン(上昇率・下落率)” の差 を使うこと。
🔷 2. FXクロスペアが最適な理由
FXの主要クロスは
- 共通通貨を含む(EUR・GBP・JPY など)
- 資金フローのタイミングが近い
- ファンダに対する反応が類似
そのため 相関が極めて高い。
例:
- EURJPY と GBPJPY
- AUDJPY と NZDJPY
- EURUSD と GBPUSD
- AUDUSD と NZDUSD
これらは
“普段は一緒に動くのに、瞬間的にズレる”
という特徴を持つ。
→ この“瞬間的なズレ”こそリターンスプレッドの狙い目。
🔷 3. 「価格差」ではなく「リターン差」を使う理由
価格そのものを引き算しても意味が薄い。
為替は銘柄ごとに絶対価格が違うため、
価格差では本質的な乖離が見えにくい。
◆ リターン差(相対変化率)が本質
リターン=「%(割合)」なので、
銘柄間比較が完全に公平になる。
リターンスプレッドは
均衡性(ミーンリバージョン)が極端に強い
→ 逆張り向き
🔷 4. リターンスプレッドの作り方(分かりやすく)
▶ 合成式(例:EURJPY vs GBPJPY)
リターンA = (EURJPY 現在値 / EURJPY 過去値) - 1
リターンB = (GBPJPY 現在値 / GBPJPY 過去値) - 1
リターンスプレッド = リターンA − リターンB
またはTradingViewなら:
spread = change(EURJPY) - change(GBPJPY)
✔ 値が高い
→ EURJPY の方が“走りすぎ”
→ ショート(EURJPY売り + GBPJPY買い)
✔ 値が低い
→ GBPJPY の方が“走りすぎ”
→ 逆
🔷 5. どの組み合わせが最強?(プロが使う代表例)
🟦 ① EURJPY × GBPJPY(鉄板)
- どちらも “円ストレート + 欧州通貨”
- 資金フローがほぼ同時に動く
- 乖離したらほぼ確実に戻る
→ 勝率トップクラス
🟦 ② AUDJPY × NZDJPY(オセアニア兄弟)
- 超高相関
- 小さなニュースで一時的にズレる
→ ミーンリバージョンが強烈
🟦 ③ EURUSD × GBPUSD(ドルスト兄弟)
- 欧州・英国のニュースで偏差が出る
- NY時間に均衡に戻ることが多い
🟦 ④ AUDUSD × NZDUSD
- コモディティ通貨同士
- ズレても戻りやすい
🔷 6. 実戦:リターンスプレッド逆張りのエントリー形
■ パターン①:±2σ(Zスコア)逆張り
もっとも安定。
Zスコア > +2 → Aが買われすぎ → A売 & B買
Zスコア < -2 → Aが売られすぎ → A買 & B売
■ パターン②:急ニュース後の片方向走り
例:
EUR系のニュースで EURJPY だけ爆上げ
GBPJPY はそこまで動いていない
→ 数分〜数十分後に “反転して均衡化” が起こる
■ パターン③:レンジ放れ → オーバーシュート逆張り
リターンスプレッドがレンジを抜けた直後の
“過剰反応” を逆張りで取る。
🔷 7. 利確・損切り(最も重要)
リターンスプレッドは
「少し戻るだけ」で利益が出るため
◆ 利確
- スプレッドが平均近くに戻ったら即利確
- または Z=±0.5 付近で利確
◆ 損切り
絶対ルール:
- スプレッドが +3σ / -3σ に到達
= 即撤退
これは「正常な乖離ではない」状態。
🔷 8. 時間帯別に見た“勝ちやすさ”
リターンスプレッド逆張りは 時間帯が超重要。
| 時間帯 | 特徴 |
|---|---|
| 東京朝〜欧州前 | 縮小・均衡 → シンプルに戻る |
| 欧州初動 | 乖離が出やすい=チャンス |
| NY前後(21:00〜25:00) | 片方向に走りやすい=要注意 |
| NY後半〜深夜 | 再び均衡に戻るので逆張り向き |
🔷 9. 大きく稼げるポイント(プロの視点)
✔ 材料が “通貨片方だけ” のとき
例:
英国指標 → GBPJPY だけ過剰に動く
→ EURJPYとの乖離がMAXに
→ 数十秒速攻リバが出ることが多い
✔ 東京時間の急な片方向ワンショット
→ 欧州勢が反対方向で調整してくる
✔ オセアニア系(AUD/NZD)のズレ
→ ほぼ100%に近い勢いで均衡へ戻る
🔷 10. まとめ(最重要ポイントだけ)
✔ クロスペアは “資金フローの方向が近い” ため
瞬間的なズレが非常に戻りやすい
✔ リターンスプレッドは トレンドに騙されにくい
✔ Zスコア逆張りが最も合理的
✔ “ニュースで片方だけ走る瞬間” が最大の稼ぎどころ
✔ 損切りは Z±3σ(絶対)


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