以下では、
「固定スプレッド × ロットスケーリング × スプレッド・ヘッジ」
を “プロップ系の短期~超短期戦略”として、
実務レベルで使えるロジック に落として詳しく解説します。
これは、固定スプレッド業者の特性を最大限に利用しつつ、
ロット調整(スケーリング)による期待値最適化と、
スプレッドの偏り(片サイド不利)を構造的にヘッジして消す
という “高度なコスト最適化戦略” です。
■ 全体像(まず戦略をひと言で)
**固定スプレッドの「一定コスト構造」を利用し、
ロット数とポジション構成を調整して、
スプレッドによる損失を実質ゼロ~極小に近づける技術。**
これにより:
- 超短期スキャルが安定
- 逆張り系での“スプ負け”が消える
- 裁定・スプレッドトレードの効率が跳ね上がる
————————————
■ 1. 戦略を構成する3要素の意味
————————————
① 固定スプレッド(Fixed Spread)
- ボラが急増してもスプレッドが広がらない
- エントリーコストが固定化される
- “タッチ逆張り”や“ミクロ利確”が成功しやすくなる
- スプレッドヘッジの計算が簡単(一定だから)
② ロットスケーリング(Lot Scaling)
= ロット数を非線形で最適化して期待値を最大化するロジック
- 一部ロング、大部分ショート等の「重み」調整
- ボラ比率でロット自動調整
- 合成ヘッジのロット調整(β計算)
- スプレッドコストが相殺される“ロット比”を求めることができる
③ スプレッド・ヘッジ(Spread Hedge)
= スプレッドの不利側(買いと売りの不均衡)を相殺する構造的ヘッジ
例:
- Aを買うときスプが広い
- Bを売るときスプが狭い
→ A買いのスプ負けを、B売りのスプ勝ちで相殺
= ペア構成でスプの影響を“ほぼゼロ化”できる。
—————————————————-
■ 2. 合成するときの「実質スプレッド」計算が核心
—————————————————-
2つの商品 A と B を使い、
合成ポジション
S = A − βB
を作るとする。
実質スプレッドは:
実スプレッド = Spread(A) + |β| × Spread(B)
ここで β(ロット比)を調整することで、
● 実スプレッドを最小化
● コストを均衡化
● 通貨・指数ノイズを消去
が可能になる。
—————————————————-
■ 3. 戦略の3つの代表パターン
—————————————————-
▼ パターン①
固定スプ × ペアのロット比調整で“実スプ最小化”
例:
散らばり(相関スプレッド)の裁定をするとき、
- NAS100(スプ 1.0)
- USDJPY(スプ 0.2)
β = 0.12 とすると:
実スプ = 1.0 + 0.12 × 0.2 = 1.024
実質スプをほぼ NAS100 の最小値に近づけられる。
= 合成ペアでも“低スプで裁定が可能”になる。
▼ パターン②
固定スプ × ロットスケーリング → “通貨ノイズ”の削除
例:
NASDAQ 価格から為替ノイズ(USDJPY)を消したい場合:
NAS100 ロング
- β × USDJPY ショート
SKILL:
- β = ボラ比 × 逆相関補正
- ロット比で通貨暴れを完全吸収
結果:
- “純粋な株価指数” に変換
- スプレッドは固定&最小
- 為替の方向に左右されない
▼ パターン③
固定スプ × スプレッド・ヘッジ → 小利スキャルの勝率UP
スキャルの悩み:
- 買いと売りのスプレッド差
- 買い方向だけ不利な銘柄
- 逆張りタッチでスプ負け
ヘッジ構造:
- 買いが不利な銘柄 A
- 売りが有利(狭スプ)な銘柄 B
A 買い(スプ広)
B 売り(スプ狭) × β
で組むと、
● A側のスプ負け < B側のスプ勝ち
→ 実行コストが実質ゼロ~マイナスになることもある。
これが「スプレッドヘッジ」。
—————————————————-
■ 4. 実際のロットスケーリング計算
—————————————————-
■ ① ボラ比(ATR比)
β_raw = ATR(A) / ATR(B)
■ ② 相関補正
β = β_raw × Corr(A,B)
■ ③ スプレッド最小化補正
(スプレッドを最小化するβを微調整)
β_opt = argmin( Spread(A) + |β|*Spread(B) )
この β_opt を使うと“実質スプレッド最小の合成ペア”が作れる。
—————————————————-
■ 5. 実戦ロジック(スキャル・裁定両対応)
—————————————————-
■① 逆張り・反転スキャル
(NAS100 × USDJPY 例)
- 小レンジ(ボックス)が発生
- 合成チャート
C = NAS100 − β × USDJPY
が上限にタッチ
3. 逆張りショート(固定スプでエントリーコスト低下)
4. 数 pt~十数 pt 抜く
5. 為替変動はヘッジ済みなので価格ノイズが極小
■② 相関スプレッド・アービトラージ
- 合成チャート C
- C が平均(μ)から上方乖離
- 空売り
- 中心線に戻す
- スプはロット調整で最小化済み → 期待値が高い
■③ トレンドフォロー
(為替の成分を除去した“純指数トレンド”を取る)
- C がブレイク
- ブレイク後の押し目でロング
- 余計な通貨ノイズが入らないため結果が安定
—————————————————-
■ 6. 固定スプ × ロットスケーリングが最強に機能する理由
—————————————————-
◎ 固定スプ → コストが変動しない
→ ロット比の最適化が“完全に固定化できる”
◎ スプレッドヘッジ → 実コストが限界まで下がる
→ 小利スキャルで勝率が大幅に向上
◎ 合成チャート化 → ノイズ削減・乖離が見やすい
→ アービトラージが取りやすい
◎ ロットスケーリング → 通貨暴れを消せる
→ インデックス本来のトレンドが鮮明化
—————————————————-
■ 7. この戦略が特に強い銘柄
—————————————————-
◎ NAS100 × USDJPY
最も定番。
通貨ノイズ除去の恩恵が大きく、
固定スプ業者では最強格。
◎ US30 × USDJPY
ヒゲ戻り系スキャルで強い。
◎ XAUUSD × USDJPY
金の円建て合成&スプレッド最適化。
◎ FXクロスの合成(EURUSD+GBPUSD → EURGBP 等)
固定スプ業者で小スプ裁定に超強い。
—————————————————-
■ 8. まとめ(本質)
—————————————————-
**「固定スプレッド × ロットスケーリング × スプレッドヘッジ」**とは:
▶ 固定スプで“コスト構造を固定化”し
▶ ロット比(β)を最適化して“実質スプを最小化”し
▶ 通貨ノイズまで完全ヘッジ
▶ 小利・逆張り・裁定の勝率を大幅に上げる
プロップ系の “低リスク・高頻度トレード” に必須の技術です。


\ IFCmarkets(アイエフシーマーケッツ)は顧客資金保全に強い! /






