以下では 「スプレッド固定 × ATR変動比率 × マイクロスケーリング」 を、
短期スキャルピング/指数・FX対応の実践戦略として、
プロップ系トレード手法の文脈で体系的に詳しく解説します。
■ 全体像(まず戦略の核をひと言で)
“ボラ(ATR)の微細な増減を利用して、固定スプレッドの優位性のもと、ごく小さな値幅を多数積む”
これが
スプレッド固定 × ATR変動比率 × マイクロスケーリング戦略 の本質。
■ 1. 戦略を構成する3要素の意味
① スプレッド固定(Fixed Spread)
- ボラ急増時でもスプレッドが一定
- コストが読めるため、極小利幅を拾える
- ボラティリティの小振れで即エントリーできる
- スキャルの勝率UP
② ATR変動比率(ATR Volatility Ratio)
通常の ATRをそのまま使うのではなく、
「現在のATRの変化率」 を指標化して使う。
例:
ATR比率 = 現在ATR ÷ 過去N期間のATR平均
これにより、
- ボラの“微増・微減”を捉える
- ブレイク前の静止 → 動意を早期察知
- レンジ内の小戻しを検知
- 無駄打ちを減らす
③ マイクロスケーリング(Micro Scaling)
= “極小値幅(ミクロレンジ)を反復して取るスキャル”
- 1〜4pips(FX)
- 3〜15pt(指数)
- 0.1〜0.3ドル(金・原油)
など、通常より桁が小さい利幅を積み重ねるトレード。
ポイント:
- 固定スプレッドにより“タッチ逆張り”を許容できる
- ATRの微振動と組み合わせると精度が跳ね上がる
- ボックス戦略や平均回帰戦略と相性抜群
■ 2. なぜこの3つを組み合わせると強力なのか?
理由は明確で、シナジーが発生しているため。
■ シナジー1:
ATR微増 → 小トレンド発生の前兆
しかし
スプレッド固定なので小ブレイクに躊躇なく乗れる
通常はスプレッドが拡大してエントリーできない瞬間でも
固定スプレッドは入れる。
→ ブレイク直後の“微値幅”が取れる。
■ シナジー2:
ATR微減 → レンジ回帰の兆候
しかし
マイクロスケーリングでレンジ上下を狩れる
通常は小レンジでスプレッド負けするが、
固定スプレッドなら上下の反転狙いで勝ちやすい。
■ シナジー3:
ATR変動比率が1.2〜1.5付近
= “ボラが拡大し始めた瞬間”
固定スプレッドはコスト不変なので
初動を利益化できる
(これが他の戦略より大きな利点)
■ 3. 実戦ロジック(完全フロー)
Step ① ATR変動比率を判定
期間 14 を基準として
- ATR比率 0.8 以下 → ボラ収縮(レンジ)
- ATR比率 1.0 付近 → 平常
- ATR比率 1.2〜1.5 → 動意形成
- ATR比率 1.5 以上 → ボラ急拡大
Step ② 状態別の戦略分岐
● A:ATR比率 0.8 以下(小レンジ)
→ マイクロスケーリング(逆張り)
- 上下のタッチポイントで即逆張り
- 利確 3〜8pt(指数)/ 2〜3pips(FX)
理由:
ボラ収縮 → 方向性なく → 平均回帰が多発 → 固定スプで小利取り放題。
● B:ATR比率 1.2〜1.5(動意初期)
→ 小ブレイク順張り
- MA20タッチ → 反発に乗る
- ブレイクの初動をマイクロで抜く
- 利確 5〜15pt(指数)/ 3〜6pips(FX)
理由:
ボラが立ち上がる瞬間は
固定スプの優位=初動取りが最も効く局面
● C:ATR比率 1.5 以上(急変動)
→ ブレイク否定の逆張り or 追随
状況によって反転も強い。
- 値幅が一気に伸びた
- しかし固定スプなので逆張りコストが低い
= ブレイク否定が取れる
または
- トレンド継続 → MA10 / VWAP順張り
どちらも コストが一定のため勝率/期待値が高い。
■ 4. マイクロスケーリングのシステム化
■ エントリー条件(逆張り型)
- 小レンジ上限タッチ
- 直前がピンバー
- ATR比率 < 1.0
■ エントリー条件(順張り型)
- 小ブレイク発生
- ATR比率 > 1.2
- 押し目/戻りの反発を確認した瞬間
■ 利確
- 固定値幅:指数 5〜12pt / FX 2〜5pips
- MA20 or VWAP へタッチ
- 中心ライン回帰
■ 5. この戦略が特に強い銘柄(経験上)
◎ NAS100
小レンジ → 初動ブレイク → 再レンジのループが多い。
◎ SPX500
マイクロスケールで安定しやすい。
◎ US30(ダウ)
ヒゲ戻りが多く小利取りがしやすい。
◎ XAUUSD
ボラが安定する時間帯はレンジ回帰最強クラス。
◎ USDJPY
ATR変動が読み取りやすい通貨。
■ 6. 期待値を最大化する時間帯
● 東京時間(9:00〜15:00)
→ 小レンジ多い → マイクロスケーリング最適
● NYクローズ後(3:00〜7:00)
→ 再レンジになる → 固定スプで逆張りが刺さる
● 欧州序盤前(14:00〜15:00)
→ 調整レンジ → 難易度低い
■ 7. 注意点
▼ トレンド相場でマイクロスケール逆張りは危険
ATR比率1.5以上では逆張りよりトレンド追随が安全。
▼ 固定スプレッドでも指標前後は危険
小利幅なので SL負けが大きく見える。
▼ ナンピンは禁止
微利で積む戦略なので管理が必須。
■ 8. まとめ(戦略の本質)
■ スプレッド固定
→ 超短期利幅を正確に積める
■ ATR変動比率
→ レンジ/動意/急変動を識別できる
→ 状態ごとに戦略を切り替える
■ マイクロスケーリング
→ 小レンジ逆張り/初動順張りの両方が刺さる
→ フルタイムでも生き残れる
結果、
“固定スプ×ATR×ミクロ利確”はプロップ級の収益安定戦略 になる。


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