ここでは、「指標“無風”抜けスキャル(No-Move Breakout Scalping)」 を、
トレーダーが実際に使う理論・発生条件・具体的な反応パターン・エントリー基準・偽物との見分け方・リスク管理まで
実戦レベルで極めて詳しく 解説します。
※投資助言にならないよう、一般的なトレード理論ベースで説明します。
◆ 1. 指標“無風”抜けスキャルとは?
重要指標(CPI、雇用統計、PMI など)では通常、
- 発表直後に大きく動く
- スプレッドが大きく広がる
- ボラティリティが上がる
というのが一般的ですが、
ごく稀に「ほとんど動かない」=無風で通過するケースがあります。
これを利用して
指標後の“無風 → 後発の自然方向”にだけ乗るスキャル手法
が「無風抜けスキャル」です。
◆ 2. なぜ“無風”がチャンスになるのか?(発生メカニズム)
市場では指標前に以下の状態になります:
- ポジションが一時的に凍る
- LPが流動性を引っ込める → スプレッドが広がる
- 参加者が新規注文を抑える
しかし、発表が 予想どおり or インパクトが低い 場合、
→ 指標直後に方向が出ない
→ 10〜60秒後に“通常の流れ”が戻る
という「二段階反応」が起きます。
この “遅れて動く本流” だけを取るのが無風抜けスキャル。
◆ 3. 無風時の典型的なチャート挙動
指標直前:
- ティックが減少
- スプレッドが広がる
- 価格が上下に数ティック振れる
指標直後:
[無風タイプの特徴]
- キャラキャラと1〜3ティックの狭レンジ
- スプレッドが一気に戻る
- 最初の“方向”がとても弱い
- ボラが10〜20秒間低い
その後、突然 “通常の方向” に走る
これが勝ちやすい局面。
◆ 4. 「無風」はどう判定する?
■(A)指標後 3〜5秒間で ±0.5〜1pips 以内しか動かない
NFP/CPIのような“本来動くべき指標”でこれが起きたら無風。
■(B)スプレッドが即戻る
※重要
無風時は スプレッドが5秒以内に通常レベルへ戻る。
動く時は戻らない。
■(C)ティックの上下が弱い(細かい横揺れのみ)
「行って戻って」でなく
「小刻みなフラット」になる。
■(D)最初の大口成行ヒットがない
大きく動くケースは最初に必ず
成行注文 → スパイク
が起きる。
無風はこれが起きない。
◆ 5. 無風抜けスキャルのエントリーロジック
一般的な“スキャル理論”としての説明です。
◎ STEP1:指標後10秒間を観察
- 大きなヒゲ無し
- スプレッド正常化
- ティックがゆっくり
→ これで無風確定
◎ STEP2:“後発方向”を見つける
無風後は、
A) 本流方向へゆっくり傾く
B) その傾きが強まり始める
C) そこから一気に加速
という段階を踏む。
STEP B の“傾きが出た瞬間”でエントリーするのが黄金パターン。
◎ STEP3:スプレッドが完全に締まった瞬間に順張り
- スプレッド縮小
- 最初の連続3ティック
- 1〜2pips抜きを狙う
この3つの同時条件が勝率高い。
◆ 6. めちゃくちゃ起きやすい無風指標
経験上、以下の指標で無風が多い:
■ CPIの「予想どおり」
→ リアルタイムでの反応が鈍いケースがある
■ 失業率・平均時給が予想と一致
→ 通常の流れに回帰しやすい
■ PMI系(欧米)で“中立値”
→ 反応がほぼゼロのことが多い
■ ECBやFOMCの声明内容が事前リークと一致
→ ボラが出にくい
◆ 7. 無風抜けの勝ちパターン 3選
【1】スプレッド戻り → チャネル抜け型
- 指標 → 無風 → スプレッド戻り
- 高値or安値ラインを抜いた方向へ走る
最も安定するパターン。
【2】無風 → 半値押し → 本流加速
指標後動かない
→ 少しだけ押す
→ 元の方向へ大きく動く
【3】無風 → ティック横ばい → どちらかに急加速
方向判定が遅れるが、動き出しの勢いが強い。
◆ 8. “偽の無風”に注意(危険パターン)
以下は入ってはいけない。
✕(1)スプレッドが戻らない
→ 本当にボラが潜んでいる(嵐の前の静けさ)
✕(2)0.3〜0.6pipsだけ“じわ伸び”
→ 無風ではなく、HFTの“仕込み”の可能性
✕(3)最初のティック速度が速い
→ 大口が静かにヒットしているケース
◆ 9. リスク管理(一般的な注意)
● 損切り:1.5〜3pips
無風抜けは“動かなかった分、伸びも短い”。
● 利確:2〜5pips
欲張るとすぐ戻される。
● 無風判定は最低10秒必要
焦って早く入ると死にやすい。
◆ 10. 無風抜けスキャルの本質まとめ
✔ 指標後なのに動かなかった
✔ だから市場参加者が反応し始めるのが“遅い”
✔ その遅れた反応だけを取る
✔ 方向が出たら一気に伸びやすい
✔ 伸びは短いので早利確
つまり:
「本番じゃなくて“後追い反応”だけ取る逆張り寄りの順張り」
という、とてもユニークなスキャル戦略です。


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