HFM(Hotforex)のスプレッド前提両建てスナップについて

「スプレッド前提両建てスナップ」という言葉は、FX界隈(特に海外FXユーザー)の間で使われる“俗語的な戦略名”であり、公式な金融用語ではありません。しかし、戦略そのものは実在し、明確に体系化して説明できます

以下では、

  1. この戦略の本来の意味
  2. 実際の仕組み(なぜ利益が出る可能性があるのか)
  3. 具体的なやり方(エントリー構造)
  4. 典型的シナリオ
  5. 巨大なリスク・制約
    まで、専門家レベルで深く解説します。

目次

🔵 1. 「スプレッド前提両建てスナップ」とは?

要約すると:

ロールオーバーや流動性低下でスプレッドが急拡大するタイミングで、両建てを前提にして一時的に歪む価格(スナップ)を利用して利益を抜く超短期戦略。

“両建てでスプレッドの変動を受け流し、
価格の暴れ(スナップ)だけを取るための構造”

であるということ。


🔵 2. なぜ「スナップ(瞬間的な歪み)が生まれる」のか?

主な原因は3つ

ロールオーバー前後の LP レート停止・縮退
流動性が一時的に消失 → 価格が飛ぶ(オーバーシュート)

スプレッドが瞬間的に異常拡大
Bid/Ask の片側だけが飛ぶので、レートが“片方に引っ張られ”てヒゲを出す。

圧縮時(スプレッド縮小)に値が戻る
正常化が起こり、飛んだ分の “反動” が出る。

これが「スナップ(SNAP=瞬間反転)」。


🔵 3. 戦略の基本構造(両建ての意味)

この戦略での 両建ては“ポジションではなくスプレッドの回避”が目的

✔ 通常の両建て → リスクヘッジ

✔ この戦略の両建て → スプレッド拡大による損失を受けないための盾

スプレッドが広がると、片側の損失が急増する

しかし両建てしていると、その損失を反対ポジションで相殺できる。

その間に 価格の異常な片側飛び(スナップ) を利用して、
片側を利確して“先に逃がす”。

その後、落ち着いてから残りの片側も決済。


🔵 4. 実際のやり方(典型的ロジック)

以下は多くのトレーダーが使っている型です。


【ステップ①】ロールオーバー前後に両建てを固定

例:

  • Buy 1lot
  • Sell 1lot

これにより、スプレッド拡大の影響をほぼ中和できる。


【ステップ②】ロールオーバーの瞬間に“片側が一時的に大きくプラスになる”

  • LP が片側レートだけ飛ばす
  • 価格が 10〜30p ほど“瞬間的に行き過ぎる”

【ステップ③】飛んだ方を利確(スナップ抜き)

飛んだ瞬間に 利益がついた側を即利確
(両建てなので、もう片方は同額の含み損がある)


【ステップ④】正常化で戻ったら逆側もクローズして損失を消す

価格が正常に戻る

損側(残った片側)が減少

スプレッドも圧縮

両建ての残りを閉じて損失を最小化


🎉 結果

スナップの“片道分”だけが利益として残る。


🔵 5. 情景で見るとこうなる

▼ 23:59(ロールオーバー前)

EURUSD スプレッド:0.2p
→ Buy/Sell 両建て

▼ 00:00(ロールオーバー)

スプレッド:20p
価格が Ask 側に急飛び +25p
→ Buy が +25p
→ Sell が –25p

▼ すぐBuy利確

→ +25p 確定
(Sellは –25p のまま)

▼ 00:02(圧縮)

価格が 20p 戻る
→ Sell の損失が –5pに縮む
→ ここでSellも閉じる

👉 合計利益:+20p だけ残る


🔵 6. どの業者で起きやすい?

  • 海外FX(HFM、Exness、XMなど)
  • NDD系で LP が複数
  • ロールオーバーが強烈にスプレッド拡大するタイプ

HFM は比較的 “スナップが発生しやすい” 時期があったが、
仕様変更で発生頻度は年々減少傾向


🔥 7. 最大のリスク(知らないと即死)

❌ ① スプレッド拡大中に片側のみ強制損切り(=両建て崩壊)

スナップ戦略最大の破滅パターン。

❌ ② 価格が戻らず、逆側が永遠にマイナス

ロールオーバー後にトレンドが走ると残った片側の損が膨張。

❌ ③ スリッページで“狙いと反対方向で約定する”

特にロールオーバーは LP が不安定。

❌ ④ ブローカーが「スナップ狙い行為」を禁止していることがある

特に

  • スキャルピング規制
  • 異常変動狙いの両建て禁止
  • 裁定に類する行為
    で口座凍結の可能性。

HFM も利用規約に抵触する場合がある。


🔍 8. この手法は実際に再現性があるのか?

  • 昔は比較的容易に勝てた時期があった
  • 今は業者側のシステム改善により、
    スナップの“異常値が出にくい”

ただし、

  • ゴールド
  • ナスダック
  • マイナー通貨
  • ロールオーバー直前後
  • LP切替タイミング

などでは今でも稀に発生する。


🧠 9. 本質的な理解(上級者向け)

「スプレッド前提両建てスナップ」とは、

LP(Liquidity Provider)サイドの価格提供の歪みを
両建てで保護しつつ、異常変動だけ刈り取る
“マイクロ裁定の一種”

です。

ただし、
本当の裁定取引(機関投資家がやるもの)とは違い、
個人トレーダーは LP の約定保証が弱いため、
事故率が極めて高い代替スキームです。


🔚 まとめ:戦略の概要

要素内容
戦略名スプレッド前提両建てスナップ(俗称)
核心スナップ=ロールオーバー時の瞬間的な価格の歪みを抜く
両建ての役割スプレッド拡大のダメージを避ける盾
利益源スプレッド圧縮+価格正常化の“片道分”
危険度最上級(約定の不確実性が極めて高い)
再現性業者と市場条件に強く依存

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