FBSのレバレッジ段階制を利用した「証拠金調整トレード」について

以下では、**FBSの“レバレッジ段階制”を逆に利用して、証拠金効率を最大化する「証拠金調整トレード」**について、
仕組み → 利用される理由 → 具体的構造 → プロが意識する点 → 典型的失敗 → まとめ
という順番で体系的に詳しく解説します。

※売買指示・具体ロット・具体価格などは示さず、あくまで“仕組みと考え方の理解”に限定します。

■ 1. レバレッジ段階制とは？（前提知識）

FBS では、

ロットが大きくなるほど利用できる最大レバレッジが低くなる仕組み

になっています。

例（概念イメージ）

0.01〜ロット：最大3000倍
中ロット帯：1000倍
大ロット帯：500倍
さらに大ロット：200倍…

つまり、

「小ロットなら高レバ、大ロットほどレバが下がるため、必要証拠金が増える」

という構造。

これが“証拠金調整トレード”の肝です。

■ 2. 証拠金調整トレードとは？（概念）

「レバが高い“小ロット区間”のメリットを最大化しながら、
“証拠金の必要量が突然増えるポイント”を回避しつつポジションを組む方法」

です。

より簡単に言えば：

レバ制限がかからない“安全なロット帯”を維持しながら複数ポジションを作り
証拠金負担が少ない状態でトレード効率を高める

という考え方です。

■ 3. なぜこんなトレードが行われるのか？

① 高レバ区間を維持すれば証拠金効率が圧倒的に良くなる

高レバ＝証拠金が少なくて済む
→ 小さな資金でも複数ポジションを持てる

② レバ段階が落ちる瞬間に強制ロスカットが近づく

FBSの危険ポイント：

“ロットを増やしすぎてレバが下がる”
↓
必要証拠金が突然増える
↓
証拠金維持率が急落
↓
ロスカットラインに急接近

そのため、段階制の“境界線”を理解し、
そこを超えないようにトレードを調整する技術が必要になります。

③ 複数ポジションを組みたいのに、レバ制限で苦しくなる問題を回避できる

スキャル・デイトレ勢は複数の小ポジションを組むことがあります。
その際にレバ制限を食らうと致命的。

証拠金調整トレードはこれを防ぐ考え方。

■ 4. 証拠金調整トレードの構造（考え方）

以下は“手法”ではなく“構造の理解”です。

① レバ段階を把握

まず、自分が使っている口座タイプで
どのロット付近からレバが下がるのかを確認する。

② 高レバ区間に収まるようロットを分割

1つの大ロットを持つより、
複数の小ロットに分けたほうが
レバ段階が維持され証拠金消費が少なくなることがある。

例：
1.0 lot を1発で持つ
→ レバが500倍に落ちる
→ 証拠金が急増

0.1 を10回に分ける
→ 高レバ区間を維持できる
→ 証拠金が少なくて済む

（※口座仕様による）

③ 証拠金維持率を常に高く保つ

レバが下がらない“安全地帯”に収めたまま
合計のポジション量を調整する。

④ レバ段階の“境界線”を絶対に超えない

レバが下がる瞬間が最も危険。

プロは：

ロット分割
時間差エントリー
追加ポジションの見送り
逆指値で間引く

などを使い、境界線を超えないようにする。

■ 5. プロのトレーダーが行う「証拠金調整」の具体的思考法

① 調整対象は“ロット”ではなく“必要証拠金”

プロはこう考える：

「今の状態でレバ段階を維持したまま何ポジションまで耐えられるか？」

ロット数より“必要証拠金の推移”が重要。

② 新規ポジションを入れる前に“レバ落ち”をシュミレーション

もしロット合計が境界を超えたら
レバが下がり証拠金が急増する。

その瞬間にロスカットが近づく。

プロはこれを事前に計算している。

③ 全ポジションの含み損に対して余裕を持つ

レバ制限近くでポジションを持つと
含み損が増えた瞬間に危険ラインへ。

そのため、
余裕を持って“80%程度まで”にしておく。

④ ロット増加は“階段式”にする

段階制に合わせてロットを増やす間隔を調整する。
ポジション量は絶対に連続的ではなく、
“段階的”に増減させるのがプロの特徴。

■ 6. 証拠金調整トレードの典型的失敗

① レバ制限がかかる境界線を超えてしまう

→ 証拠金が急増
→ 維持率が激減
→ 強制ロスカットの危険

これは最悪。

② ポジションを分散しすぎて管理不能

小ロットを大量に持つと、
逆行したとき整理できなくなる。

③ 値動きより“レバ段階”を気にしすぎる

本来は値動き・相場が最重要だが、
レバに気を取られ判断が遅れるケースがある。

④ レバ段階制を理解しないままナンピンする

ナンピンでロット合計が増える
→ レバ急低下
→ 調整ミスでロスカット

これはかなり多い事故。

■ 7. まとめ：証拠金調整トレードは“資金管理の上級戦略”

FBSのレバ段階制を理解し、その構造を逆手に取って
証拠金効率を最大化する考え方です。

特徴をまとめると：

小ロット×分散で高レバ区間を維持
レバが下がる境界線を絶対に越えない
合計の必要証拠金を中心に計算
証拠金維持率を高く保つ
ナンピン・複数ポジションを扱う上で必須の知識

レバ段階制の理解 = 海外FXの“資金消滅事故”を防ぐ最大の武器

でもあります。