TradersTrustのブレイクアウト+フォールスブレイク検出拡張戦略(False-Break Filter付き)

TradersTrustの「ブレイクアウト+フォールスブレイク検出拡張戦略(False-Break Filter付き)」は、FXトレードの中でもトレンド初動の捉え方だまし(フェイク)回避を高度に組み合わせた手法です。
単なるブレイクアウト戦略を「実戦仕様」にまで進化させるために、フォールスブレイク(偽ブレイク)検出アルゴリズムを組み込む構造になっています。

以下では、
1️⃣ 基本構造
2️⃣ フォールスブレイク検出方法
3️⃣ エントリー条件例
4️⃣ 実装・運用ポイント
まで体系的に解説します。


目次

🧭 1. 基本コンセプト

🔹 通常のブレイクアウト戦略とは

「レンジやサポレジを明確にブレイクしたら、その方向へ順張りする」シンプルな手法。

例:

  • 直近高値(抵抗線)を上抜け → 買い
  • 直近安値(支持線)を下抜け → 売り

しかし現実には、

「ブレイクしたと思ったらすぐ反転」
というフォールスブレイク(False Break)=だましが頻発します。


⚙️ 2. フォールスブレイク検出(False-Break Filter)

だましを検出・回避するためのフィルターを組み込むのが、この拡張戦略の核心です。

📘 フォールスブレイクの特徴

  1. ブレイク後のローソク足終値が再びレンジ内に戻る
  2. ブレイク足の出来高が小さい
  3. ブレイク方向のモメンタムが弱い(RSI・MACDが同調しない)
  4. ブレイク後に次足が反転足(ピンバー・包み足)を形成

🔍 検出ロジック例(条件構成)

✅ 条件1:終値戻りフィルター(ローソク足ベース)

if price_breaks_high and candle_close < breakout_level:
    mark_as_false_break()

→ 一度上抜けたが、終値がブレイクライン下で確定したら「だまし認定」。

✅ 条件2:モメンタム非同調フィルター

if breakout_up and RSI < 60:
    reject_entry()

→ 価格は上抜けてもRSIが強気ゾーンに入らなければ、本格的な買い圧力が欠如。

✅ 条件3:ボリュームフィルター

if breakout_volume < avg_volume * 0.8:
    ignore_break()

→ 出来高が平均より低ければ、勢いのない一時的な抜けの可能性。

✅ 条件4:ローソク足反転パターン検出

if breakout_up and next_candle_is_pinbar_down():
    mark_as_false_break()

→ ブレイク直後のピンバーや包み足出現で「フェイク」警告。


📈 3. 戦略構成(ブレイク+False-Break Filter)

(1)レンジ定義フェーズ

  • 一定期間(例:直近20本)の高値・安値をレンジとして定義
  • ブレイク対象のレンジ上限・下限を確定
high_level = highest(high, 20)
low_level  = lowest(low, 20)

(2)ブレイクアウト検知

  • 現在の価格が high_level または low_level を明確に突破したか確認
if close > high_level:
    breakout = "UP"
elif close < low_level:
    breakout = "DOWN"

(3)False-Break Filter適用

  • 上記のフィルター群で「だまし」の可能性を評価
if breakout == "UP" and not false_break_detected():
    entry_buy()
elif breakout == "DOWN" and not false_break_detected():
    entry_sell()

📊 4. 具体的なエントリー・決済条件例

条件内容
エントリー方向ブレイク方向(ただしFalse-Break条件が未成立)
フィルターRSI・出来高・終値戻り・ピンバーなどの複合
ストップロスFalse-Break判定足のヒゲ外(またはATR×1.5)
利確目標レンジ幅と同等(リスクリワード1:1〜1:2)
ノートレードブレイク直前のローソク足が大きすぎる場合(行き過ぎ)

⚖️ 5. トレード例(視覚的シナリオ)

🟩 上昇ブレイク成功ケース

  1. 20期間レンジを上抜け
  2. 出来高上昇+RSI > 60
  3. 終値が明確にレンジ上で確定
    → 成功ブレイク、買いエントリー

🟥 フォールスブレイクケース

  1. 上抜け後、次の足で再びレンジ内へ
  2. ピンバー出現・出来高低下・RSI失速
    → False-Break判定 → 「順張りキャンセル」または「逆張りショート」

💡 6. 応用型:False-Break逆張りエントリー

実は、False-Breakを「エントリー機会」として使う手法もあります。
つまり、「ブレイク失敗を検出 → 逆方向に仕掛ける」戦略です。

例:

if false_break_up_detected:
    enter_short(target = mid_range)
elif false_break_down_detected:
    enter_long(target = mid_range)

このように、False-Break Filterは単なる防御ではなく、反転トリガーとしても活用可能です。


🧠 7. バックテスト・運用ポイント

項目内容
評価期間少なくとも3〜6ヶ月のレンジ+トレンド混在期間
主要指標勝率・PF・最大DD・False-Break検出率
注意点ニュース時・薄商い時間は誤検出が多い
最適化項目フィルター閾値(RSI水準・ボリューム比率など)

🔩 8. 実装イメージ(Python風擬似コード)

if price > high_level and volume > avg_vol and rsi > 55:
    if candle_close > high_level and not false_break_condition():
        open_long()
elif price < low_level and volume > avg_vol and rsi < 45:
    if candle_close < low_level and not false_break_condition():
        open_short()

def false_break_condition():
    return (
        (close < breakout_level if breakout_up else close > breakout_level) or
        (volume < avg_vol * 0.8) or
        (rsi not in valid_range) or
        (detect_pinbar())
    )

🎯 まとめ

「ブレイクを狙うが、だましを見抜いてエントリーを限定する」
これがFalse-Break Filter付きブレイクアウト戦略の核心です。

利点

  • ダマシによる損失減少
  • ブレイク初動だけを確実に狙える
  • 逆張りにも転用可能

弱点

  • 条件が複雑で機会損失が出やすい
  • 強トレンドでは一部ブレイクを見逃すことがある
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