「トレンドフォロー+スロースケーリングイン戦略(Trend Follow + Slow Scaling In Strategy)」は、
トレンド相場での安定的な利益拡大とリスク分散を両立する、非常に洗練されたプロ向け戦略です。
一言でいえば、
「強いトレンドに“ゆっくりと少しずつ”乗り増しして、反転のリスクを最小化しつつ利益を伸ばす」
という発想です。
あわせて読みたい


海外FX会社比較ランキング|海外FXのおすすめ業者をシンプルにわかりやすく
ここではあくまで海外FX初心者に優しいサイトを心がけております。 様々なランキングを紹介していますが、一口に言っても様々な面から評価できると思います。 数ある…
以下で、
📘戦略の理論 → 手法構築 → 実例 → 管理ルール → 注意点 → 上級応用
の順に、丁寧に解説します。
目次
🧭 基本コンセプト
● トレンドフォローとは
トレンド方向(上昇 or 下降)に順張りでエントリーする手法。
「流れに逆らわず、押し目・戻りで入る」が基本です。
● スロースケーリングインとは
勝っている方向に少しずつ(スローに)ポジションを積み増すことで、
「トレンドが続く限り利益を増やし、反転しても被害を最小限に抑える」テクニックです。
🎯 戦略の目的
| 目的 | 内容 |
|---|---|
| トレンドの初動に早めに乗る | 波の発生を逃さない |
| 一気にフルポジションを取らない | 初動フェイク・調整に耐えられる |
| トレンドが続くほど利益が“加速”する | スロースケールによる利益レバレッジ |
| トレンド終了時の損害を最小化 | ポジション分散でダメージ吸収 |
⚙️ 戦略構築ステップ
① トレンドの確認(上位足)
時間軸構造:
- トレンド認識:1時間足 or 4時間足
- 実行タイミング:15分足 or 5分足
上昇トレンド条件(例):
- 20EMA > 50EMA > 100EMA
- 高値・安値ともに切り上げ
- MACD > 0 & 上向き
- 出来高増加 or ADX > 25(勢いあり)
② 初回エントリー(ベースポジション)
- トレンド方向が確定したタイミングで**小ロット(例:全体の1/3〜1/4)**エントリー。
- 20EMA or 前回高値抜けなどを基準にする。
- 損切り:直近押し安値の少し下。
- 目標は“エントリー後の含み益状態を作る”こと。
③ スロースケーリングイン(Slow Scaling In)
初回エントリー後、トレンドが続いていると判断できたらゆっくりと追加します。
| タイプ | エントリーポイント例 | 増し方 | 備考 |
|---|---|---|---|
| タイプA:価格ブレイク型 | 直近高値更新時 | 初回の50〜70% | ブレイクを確認して追加 |
| タイプB:押し目型 | 20EMA or 38.2%押しで反発時 | 初回と同等 or 少し少なめ | トレンド持続確認型 |
| タイプC:時間分散型 | 一定時間経過後(例:3本連続陽線後) | 小ロットずつ | 自動スケーリング向き |
💡ポイント
- 「勢いに合わせて増やす」=スローペースで段階的に
- トレンドの確度が上がるほど、ポジションが増える設計。
④ スケーリング後の管理(リスク・利確)
✅ 損切り管理
- 新規ポジションを入れるたびに、全体のストップを調整。
- 最初のポジションが含み益になったら、その損切りを建値に移動。
- これにより「新規分だけがリスク対象」となる。
✅ 利確戦略
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 部分利確(スケールアウト) | 一部を直近高値付近で利確し、残りを伸ばす |
| トレーリングストップ | 20EMA or 直近安値割れで全決済 |
| ATRベース | ATR×2〜3分のトレーリング幅設定 |
📊 実践例:USD/JPY・上昇トレンド(4時間足)
- 4時間足で20EMA>50EMA、安値切り上げ確認
- 初回エントリー:150.00円(1ロット)
- 高値更新:150.30円 → 追加0.5ロット
- 押し目反発:150.10円 → 追加0.5ロット
- トレンド継続中:150.70円 → 含み益拡大
- トレーリングストップ:20EMA割れ=150.45円で全決済
結果:
平均建値150.13円 → 平均決済150.55円
→ +42pips × 2ロット合計 = +84pips(低リスク高効率)
📘 リスク管理ルール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 1回あたり最大リスク | 口座残高の1〜2%以内 |
| 各ポジションのリスク | 全体ロットの均等割り |
| 合計ロット上限 | 初回の3倍まで(例:1→3ロット) |
| スケーリング間隔 | 直近高値更新 or 押し目反発でのみ追加 |
| 最大ポジション期間 | 上位足トレンドが維持される間のみ |
⚠️ よくある失敗と対策
| 失敗パターン | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| トレンド初動で一気に全力 | フェイクブレイクで損失 | 小ロット始動+スロー追加 |
| 押し目待ちすぎて乗り遅れ | 慎重すぎる | 初回だけは小さく即参戦 |
| 逆行時にナンピンしてしまう | スケーリングと混同 | 負け方向に追加は厳禁 |
| トレンド終了を見逃す | 欲張り・決済ルールなし | EMA割れ・RSI反転で強制手仕舞い |
💡 この戦略の強みと弱み
| 項目 | 強み | 弱み |
|---|---|---|
| 精度 | トレンド確認後なので高い | 方向転換時に反応が遅れる |
| リスク管理 | 段階エントリーでリスク抑制 | 含み益が減る場面がある |
| 収益性 | 継続トレンドで利益加速 | レンジ相場では利益伸びにくい |
| 実践難度 | 低〜中(ルール化しやすい) | 忍耐と管理能力が必要 |
🧩 応用テクニック(上級者向け)
1️⃣ マルチタイムスケーリング
- 4時間足でトレンド確認
- 1時間足で第1エントリー
- 15分足で押し目を拾ってスロー追加
2️⃣ ボラティリティ・ベーススケーリング
- ATRで追加間隔を決める(例:ATR×0.5上昇ごとに追加)
- 相場の勢いに合わせて自動的にスケール調整可能。
3️⃣ 自動売買ロジック化(擬似コード)
if EMA20 > EMA50 and price > EMA20:
if first_entry == False:
open_long(size=base_lot)
first_entry = True
elif price > last_high + ATR*0.5:
add_long(size=base_lot*0.5)
move_stop_to_breakeven()
if price < EMA20:
close_all()
📈 戦略まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 戦略名 | トレンドフォロー+スロースケーリングイン |
| タイプ | 順張り+ポジション分割追加型 |
| 時間軸 | 15分〜4時間足 |
| 狙い | トレンドに長く乗り、リスクを分散して利益を最大化 |
| 強み | 安定性・スケーラブルな利益伸ばし |
| 弱点 | 方向転換に弱い/時間がかかる |
| 向き | 中長期デイトレ・スイング |






