FBSのマルチタイムフレーム+トレンドフォロー with ハーモニック/フィボナッチ補完

マルチタイムフレーム分析+トレンドフォロー+ハーモニック/フィボナッチ補完」という組み合わせは、
プロの裁量トレーダーやシステム開発者が用いる「相場構造分析の完成形」です。

この手法を体系的に理解すると、
✅ トレンド方向を多時間軸で整合させ、
✅ 反転ポイント(押し目・戻り)をハーモニック/フィボで精密に特定し、
✅ 高確率で“トレンド継続波”を取る
ことが可能になります。

以下で、構造 → 分析法 → エントリー → 実践例 → 応用まで、順を追って詳しく解説します。


目次

🧭 1. 全体構造:マルチタイム×ハーモニックの統合フレーム

この戦略の骨格は、次のような階層構造です。

レイヤー目的使用チャート分析対象
上位足(環境認識)トレンド方向の確定日足・4時間足トレンドライン、波構造、ハーモニック大型パターン
中位足(戦略足)トレンドの押し戻り把握1時間足フィボナッチ、サポレジ、調整波
下位足(実行足)エントリータイミング調整15分足 or 5分足ダイバージェンス、プライスアクション

この「3階層モデル」で、

  • 上位足が上昇トレンド中の押し目
  • 中位足でフィボ補完し
  • 下位足で反転シグナルを確認して入る

これが「トレンドフォロー×マルチタイム」の核です。


📈 2. トレンドフォローの基本構造(ダウ理論+EMA)

✅ 上位足(例:4時間足)での判断

  1. 高値・安値が切り上がっている → 上昇トレンド
  2. 移動平均線(EMA50/EMA200)のゴールデンクロス確認
  3. フィボナッチで「押し目候補(38.2〜61.8%)」を特定

押し目買いのゾーンを決定

✅ 中位足(例:1時間足)

  • その押しゾーンに価格が到達したら
  • RSIが30〜40付近(売られすぎ)
  • MACDが反転(ヒストグラム上昇)

買い準備段階に入る


🔢 3. フィボナッチ補完(押し目・戻りを数値で特定)

上昇トレンドの押し目狙い:

  • フィボリトレースメント:
    38.2%、50%、61.8% が主要押し目候補
  • フィボエクスパンション(ターゲット予測):
    100%、161.8%、261.8% が利確目標

下降トレンドの戻り狙い:

  • 61.8% or 78.6% 戻しが強力なショートポイント

💡**“押し”が61.8%で止まり、再び上昇反転** → 典型的なエリオット波第3波発生ゾーン。


🌀 4. ハーモニックパターンによる反転精度の向上

ハーモニックは「相場の自然比率(フィボ比)で形成される反転型波形」です。
これをトレンドの押し目・戻りで重ねることで、精度の高い反転エリアを特定できます。

代表的パターンと特徴:

パターン名フィボ比意味
Gartley(ガートレー)AB=61.8%、BC=38.2〜88.6%、CD=78.6%典型的押し目型
Bat(バット)AB=38.2〜50%、CD=88.6%深い押し戻りの転換点
Butterfly(バタフライ)AB=78.6%、CD=127〜161.8%トレンド転換終点で出現
Crab(クラブ)AB=38.2〜61.8%、CD=161.8%強烈な反転を伴う

💡ポイント:
上位足でハーモニックが形成され、中位足で反転兆候(RSI反転・包み足など)が出たら、非常に高確率なトレンド再開ポイントになります。


⚙️ 5. エントリー手順(実践)

例:上昇トレンド中の押し目買い

ステップ分析内容使用足
① 環境認識4時間足:上昇トレンド(高値・安値切り上げ)上位足
② 押し目ゾーン抽出フィボ38.2〜61.8%ゾーン+EMA50付近中位足
③ ハーモニック一致確認Bat/GartleyのPRZ(Potential Reversal Zone)と重合中位足
④ 下位足反転確認RSIダイバージェンス+陽線包み足(または高値ブレイク)下位足
⑤ エントリー押し目ゾーン下限付近でロング下位足
⑥ 損切・利確損切=PRZ下抜け10pips、利確=FE 161.8%複数分割可

💹 6. 具体的トレード例(EURUSD)

  • 上位足:4時間足 → 明確な上昇トレンド
  • 押し目:1.0900(前回安値)〜1.0850(フィボ61.8)
  • ハーモニック:Batパターン完成(CD=88.6%)
  • 下位足(15分足):RSIダイバージェンス+陽線包み足出現

トレードプラン:

項目内容
エントリー1.0860 ロング
損切1.0835(25pips)
利確①1.0940(80pips、FE100)
利確②1.0990(130pips、FE161.8)
結果1:3超の高効率トレード

🧠 7. マルチタイム×ハーモニック戦略のポイントまとめ

要点
🔸 上位足トレンド方向に従う(逆張り厳禁)
🔸 押し戻りゾーン=フィボ38.2〜61.8+EMA
🔸 ハーモニックPRZとフィボ押し目が重なる箇所を狙う
🔸 下位足で明確な反転シグナル(包み足・MACDクロス)確認
🔸 損切はPRZ外10〜20pips以内に限定
🔸 利確はFE100〜161.8段階で分割決済

🧩 8. 使用ツール/インジケーター推奨セット

ツール用途
EMA50/EMA200トレンド認識・動的サポート/レジスタンス
フィボナッチリトレースメント&エクスパンション押し戻り・利確ポイント
Harmonic Pattern Indicator(MT4/5用)ハーモニック自動描画
RSI/MACDダイバージェンス・反転補助
TradingViewのマルチタイムレイアウト上位足と下位足の同時監視

⚖️ 9. メリット・デメリット

メリットデメリット
✅ トレンド方向+精密押し目で高勝率❌ チャンスは少ない(1週間で2〜3回)
✅ 損益比が大きい(1:3〜1:5)❌ ハーモニック判定に慣れが必要
✅ EA・裁量どちらにも応用可能❌ フィボ設定誤差でズレるリスク

🚀 10. まとめ:「マルチ+トレンド+ハーモニック」黄金方程式

上位足の方向性 × 中位足の押し目ゾーン × 下位足の反転確定
ハーモニックPRZ重合点 → エントリー

これを忠実に守るだけで、
「トレンドを取る精密裁量トレード」が完成します。

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