「トレンドフォロー + プルバック戦略(中期〜スイング型)」は、FXの王道中の王道です。
この戦略は、トレンドの方向に沿って“押し目買い・戻り売り”で参加し、数日〜1週間かけて大きな値幅を狙う手法です。
初心者〜上級者まで幅広く使え、再現性が高く、心理的にも安定しやすいのが特徴です。

以下で、「構造 → 相場認識 → エントリー → 利確・損切り → 実践手順」まで、体系的に解説します。
🧭 1. 戦略の概要
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| 戦略タイプ | トレンドフォロー(順張り)+プルバック(押し目/戻り)型 | 
| 取引スタイル | スイング〜中期デイトレード | 
| 保有期間 | 2〜7日(平均3〜5日) | 
| 時間軸 | 4時間足・日足(補助:1時間足) | 
| 狙い | トレンド第2波〜第3波の中間利益を取る | 
| 典型的通貨ペア | EUR/USD、USD/JPY、GBP/USD、XAU/USD(ゴールド) | 
⚙️ 2. 戦略の基本構造(波の捉え方)
トレンド相場は、次のように「上昇 → 調整 → 再上昇(または下降 → 戻り → 再下落)」を繰り返します。
上昇トレンド例:
  上昇波(Impulse) → 押し(Pullback) → 再上昇(Continuation)
本戦略の狙いは、この「調整(押し・戻り)から再上昇/再下落に転じるタイミング」です。
つまり、「大きな流れの中の安値買い/戻り売り」です。
🧩 3. 時間軸の構成(マルチタイム分析)
| 役割 | 使用時間軸 | 目的 | 
|---|---|---|
| 上位足 | 日足 | トレンドの方向(上昇/下降)を判断 | 
| 中位足 | 4時間足 | 押し目/戻りの波形を特定 | 
| 下位足 | 1時間足 | エントリータイミング(反発サイン)を確認 | 
📘 原則:上位足(日足・4H)の方向に沿ってのみトレード。
🔍 4. トレンド方向の判断基準
✅ 移動平均線(EMA)の並び順
- 上昇トレンド:EMA20 > EMA50 > EMA100
 → ローソク足が全てのMAより上
- 下降トレンド:EMA20 < EMA50 < EMA100
 → ローソク足が全てのMAより下
✅ 高値・安値の構造
- 上昇トレンド:Higher High(高値更新)+Higher Low(安値切り上げ)
- 下降トレンド:Lower Low(安値更新)+Lower High(戻り高値切り下げ)
✅ 補助確認(RSI / MACD)
- RSI:上昇トレンド時は40以上を維持
- MACD:シグナルより上でプラス圏推移(上昇)
💡 5. プルバック(押し目/戻り)判定条件
| 条件 | 押し目買い(上昇) | 戻り売り(下降) | 
|---|---|---|
| フィボナッチ | 38.2〜61.8%押し | 38.2〜61.8%戻り | 
| 移動平均線 | 20EMAまたは50EMA反発 | 20EMAまたは50EMAで反落 | 
| ローソク足 | 陽線ピンバー/包み足 | 陰線ピンバー/包み足 | 
| 出来高 | 調整中は減少 → 反発で増加 | 戻り中は減少 → 再下落で増加 | 
| RSI | 40〜50で反発 | 50〜60で反落 | 
📘 フィボナッチ×EMAの一致ゾーンが最も信頼性の高いエントリーエリアです。
📈 6. エントリー戦略(押し目買い例)
条件:
1️⃣ 日足で上昇トレンド(EMA20>50>100)
2️⃣ 4H足でフィボ38〜50%押しの調整波を確認
3️⃣ 1H足で陽線ピンバー or 包み足確定(反発)
エントリー:
→ ピンバー高値+数pips上で買い(成行または指値)
損切り:
→ ピンバー安値下+10〜20pips
利確:
→ 直近高値手前/RR1:3〜1:4(例:40pips損切→120〜160pips利確)
📉 7. エントリー戦略(戻り売り例)
条件:
1️⃣ 日足で下降トレンド(EMA20<50<100)
2️⃣ 4H足でフィボ38〜50%戻り発生
3️⃣ 1H足で陰線ピンバー/包み足確定(反落)
エントリー:
→ ピンバー安値−数pipsでショート
損切り:
→ 戻り高値上+10〜20pips
利確:
→ 前回安値手前 or RR1:3以上
🧠 8. 実践例(EUR/USD・4時間足)
1️⃣ 日足:上昇トレンド
2️⃣ 直近波:1.0700 → 1.0850上昇
3️⃣ 調整下落:1.0780(38.2%押し)+50EMA反発
4️⃣ 1H:陽線包み足+RSI45→55上昇
→ 1.0790 ロング
- 損切り:1.0750(−40pips)
- 利確:1.0910(+120pips)
 ✅ RR = 1:3
→ 押し目から綺麗に再上昇、王道の成功パターン。
🧩 9. 利益伸ばし・ポジション管理
| 方法 | 内容 | 
|---|---|
| 分割利確 | RR1:2で半分利確、残りをRR1:4まで伸ばす | 
| トレーリング・ストップ | 直近安値下/EMA20割れでストップ移動 | 
| 再エントリー | 押し目が再度発生したら追加エントリーも可(ピラミッディング) | 
📘 スイング型の強みは「一度当たると数日で100pips以上伸びる」ことです。
⚠️ 10. トレンド終了・撤退のサイン
| シグナル | 意味 | 
|---|---|
| 高値更新が止まり安値割れ | 上昇トレンド終了の兆候 | 
| EMA20とEMA50のクロス | トレンド減速・転換 | 
| MACDデッドクロス | モメンタム低下 | 
| 直近押し安値/戻り高値の明確ブレイク | トレンド終焉確定 | 
→ これらが出たらポジションを縮小 or 利確で撤退。
🧮 11. フィボナッチ×EMA活用例(押し目買い)
1️⃣ 上昇波の起点と頂点を結ぶ(例:1.0600〜1.0850)
2️⃣ フィボ38.2〜50%(1.0750〜1.0725)ゾーンを注目
3️⃣ そのゾーンに50EMAが重なるタイミングを待つ
4️⃣ 陽線ピンバー確定 → エントリー
→ 押し目とトレンド継続が重なった「高確率の反発点」。
📊 12. 戦略まとめ
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| 戦略名 | トレンドフォロー+プルバック戦略 | 
| スタイル | 中期スイング(2〜7日) | 
| 狙う波 | トレンドの第2〜3波(調整後の継続波) | 
| 時間軸 | 4H〜日足(補助1H) | 
| 典型的RR | 1:3〜1:4 | 
| 成功率 | 60〜70%(条件一致時) | 
| 損切り | 押し安値/戻り高値の外側 | 
| 鍵 | 「上位足方向 × 押し戻り精度 × 感情排除」 | 
🧩 13. 実践ステップ(練習方法)
1️⃣ 日足で方向性を決定(EMAと波構造)
2️⃣ 4Hでプルバックゾーンを特定(フィボ×EMA)
3️⃣ 1Hで反発シグナル確認(ピンバー/包み足)
4️⃣ RR1:3以上でのみエントリー
5️⃣ 部分利確+トレーリングで伸ばす
📘 この手順を習慣化すると「感覚ではなく構造」でトレードができるようになります。
💬 14. この戦略の強みと弱み
| 強み | 弱み | 
|---|---|
| ノイズを避け、方向性が明確 | トレンドが出ない相場では機能しにくい | 
| RRが高く、少数精鋭で勝てる | 待つ時間が長く、退屈になりがち | 
| 精神的負担が少ない | フェイク押し目・戻りに注意が必要 | 
✅ 15. 向いているトレーダータイプ
| タイプ | 理由 | 
|---|---|
| 兼業トレーダー | 4H〜日足で十分判断可能 | 
| 感情を抑えてルール重視の人 | 明確な条件でトレードできる | 
| 大きな波で利益を伸ばしたい人 | リスクリワードが高く、継続収益向き | 
| トレンド好きのフォロワータイプ | 流れに乗るのが得意な人に最適 | 
💎 16. 補足:理想的なチャート設定
| インジケーター | 設定 | 用途 | 
|---|---|---|
| EMA(20, 50, 100) | トレンド方向と押し戻り確認 | |
| フィボナッチリトレースメント | 押し戻りゾーンの特定 | |
| RSI(14) | 押し/戻り圏の判定(40〜60) | |
| MACD(12,26,9) | トレンド継続・転換確認 | |
| トレンドライン | 波構造の可視化 | 
🎯 17. まとめ:戦略の本質
「トレンド方向 × プルバック精度 × タイミング」
= 再現性の高い中期トレード戦略。
この戦略は、
- 「方向が決まった相場」だけを狙う
- 「待ってから入る」ことでリスクを小さく
- 「トレンド波の真ん中」を取る
という極めて理論的で安定したトレードモデルです。

