「固定スプレッドを活かしたブレイクアウト・フェイクアウト戦略」は、
スプレッドが一定に保たれる環境(=固定スプレッド口座や時間帯)を利用して、
“抜け(ブレイク)”と“だまし(フェイク)” の両方を狙う高度な短期トレード手法です。
以下では、FXを前提に構造・狙い方・実践例まで詳しく説明します。
目次
🔹 1. 背景:「固定スプレッド」の強みとは?
通常のFXでは、重要ニュースやボラティリティ上昇時に
スプレッド(売買価格差)が大きく拡大し、ブレイク狙いが難しくなります。
しかし、固定スプレッド型の口座では:
- スプレッドが「常に一定」(例:USD/JPY=0.3銭固定)
- 高速なブレイクでも取引コストが予測可能
- 「抜けた瞬間」に即エントリーしやすい
という特長があります。
この環境を活かして、**ブレイクアウト(突破)+フェイクアウト(だまし戻り)**を組み合わせた戦略が非常に有効です。
🔹 2. 戦略の基本構造
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 戦略名 | 固定スプレッド・ブレイクアウト+フェイクアウト戦略 |
| 対象 | 高ボラティリティ通貨(USD/JPY、GBP/JPY、GOLDなど) |
| 時間軸 | 1分足~5分足(短期スキャル) |
| タイプ | トレンドフォロー+逆張り併用 |
| 使用条件 | 固定スプレッド環境 or 低スリッページ口座 |
🔹 3. 戦略ロジックの流れ
✅ ステップ①:レンジ形成の確認
- 直近で**一定の価格帯(ボックス)**を形成していること。
- 例:USD/JPYが1時間で 151.20〜151.40 の間を往復。
✅ ステップ②:ブレイクアウトを狙う
- 上下に**明確なライン(上限・下限)**を引く。
- 「上抜け or 下抜け」した瞬間にエントリー。
固定スプレッドの利点:
ブレイク時にスプレッド拡大がないため、実際の抜け幅をそのまま利益化できる。
✅ ステップ③:フェイクアウト(だまし)を検出
- 抜けた後に勢いが続かず、レンジ内に戻る動き。
- このとき、初動と反対方向へ再エントリー。
例:
- 上限(151.40)をブレイク → 一瞬151.45まで上昇
- しかし数分後に再び151.35まで戻る
→ 「フェイク」と判断しショートエントリー
🔹 4. エントリーロジック例(擬似コード)
条件A(ブレイクアウトエントリー):
・現在価格 > レンジ上限 + 0.5pips
・出来高またはティック回数が直近平均より1.5倍以上
→ 買いエントリー(SL=直前ボックス内、TP=10pips)
条件B(フェイクアウトエントリー):
・直近ブレイク後に価格がレンジ内へ復帰
・戻り幅 ≥ 50% かつ 出来高減少
→ 反対方向にエントリー(SL=ブレイク高値/安値の少し外側)
🔹 5. 固定スプレッド口座での優位性
| ポイント | 通常スプレッド | 固定スプレッド |
|---|---|---|
| ブレイク時のコスト | スプレッド拡大(損) | 一定・低コスト |
| ダマシの検知 | 難しい | 明確に判断可能 |
| 逆張りタイミング | 遅れやすい | 安定して執行可能 |
| スキャル向き度 | △ | ◎ |
つまり、「固定スプレッド=エントリー精度が落ちにくい」ため、
ブレイク→フェイク→反転の“往復取り”がやりやすいです。
🔹 6. 実際のトレード例(USD/JPY)
| 時間 | 価格 | 動き | 行動 |
|---|---|---|---|
| 10:00 | 151.20〜151.40 | ボックス形成 | レンジ確認 |
| 10:32 | 151.42 → 151.47 | 上抜け | ブレイク買い |
| 10:36 | 151.47 → 151.33 | フェイク(戻り) | 反転ショート |
| 10:42 | 151.33 → 151.20 | 下落継続 | 利確 |
→ 固定スプレッドで「上抜け+下落」の両方を安全に狙える。
🔹 7. 補助インジケーター(おすすめ)
| 目的 | インジケーター | 使い方 |
|---|---|---|
| ボックス検出 | Donchian Channel / Fractal | 上下のブレイクラインを自動抽出 |
| 出来高判断 | Tick Volume / OBV | ブレイク時の勢い判定 |
| フェイク検知 | RSI・CCI | ブレイク方向でのダイバージェンス確認 |
🔹 8. 注意点とコツ
- 固定スプレッドでも**リクオート(再提示)**が起きる業者あり。
- ブレイクの「初動」は速すぎる場合があるため、成行+IFD注文を使う。
- フェイクアウト狙いはレンジ復帰が明確になってから入る(早すぎるとただの押し目)。
- ロンドンオープン・ニューヨークオープンなど流動性が高い時間帯が最適。
🔹 9. まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 戦略名 | 固定スプレッド・ブレイクアウト+フェイクアウト戦略 |
| タイプ | スキャルピング/短期逆張り複合 |
| 条件 | 固定スプレッド or 低コスト口座 |
| メリット | コスト安定・ブレイク精度UP |
| デメリット | 動かない相場ではノイズが多い |
| 最適環境 | 高流動時間帯・テクニカル明確なレンジ |

