「超短期トレンド・モメンタムスカルピング(Ultra Short-Term Trend Momentum Scalping)」は、
数分〜数十秒単位でモメンタム(勢い)を利用して小さな値幅を高確率で取る、
極めてスピード重視のトレードスタイルです。
この手法は、FX・指数・仮想通貨など高ボラティリティ銘柄で特に有効であり、
いわゆる「マイクロトレンド×瞬発力」を狙うスキャルピングの中でも最先端の考え方です。
目次
🔶 1. 戦略の概要
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| タイプ | トレンドフォロー型スキャルピング | 
| 目的 | ごく短期間の“瞬間的なモメンタム”を取る | 
| 時間軸 | 1分足~5分足中心(エントリーはティックレベル) | 
| 保有時間 | 数十秒~数分(長くても5〜10分) | 
| ターゲット値幅 | 3〜15pips(指数なら5〜20ポイント) | 
| コア要素 | トレンド方向のモメンタム+プルバック狙い | 
🔶 2. 戦略の基本原理:「瞬間的モメンタム波」を取る
相場はどんな時間軸でも「波(インパルス)」を繰り返しています。
超短期スキャルピングでは、この中の「勢いが出た瞬間(Impulse Leg)」を狙います。
つまり、
- 明確な短期トレンドが出た
- 小さな押し目・戻りが発生した
- そこから再加速した瞬間に乗る
これがモメンタムスカルピングのコアロジックです。
🔶 3. 使用する主なツール・指標
この戦略では「反応の速いモメンタム指標+短期移動平均系」を組み合わせます。
| 分類 | 指標 | 用途 | 
|---|---|---|
| トレンド確認 | EMA(20,50) | 短期トレンド方向の基準線 | 
| 加速判定 | RSI(5〜7)または CCI(10) | 勢いの傾き確認 | 
| エントリートリガー | M1/M5 ローソクのブレイク+Volumeスパイク | 実需の流入確認 | 
| フィルター | VWAP or セッション方向 | 大局方向の一致確認 | 
🔶 4. エントリーのタイミング(典型パターン)
▶ 上昇モメンタムロングの例
- 1分足でEMA20>EMA50 → 上昇トレンド
- RSIが50→70へ急上昇(モメンタム発生)
- 小さな押し(RSI戻し or ローソク2〜3本調整)
- 直近高値ブレイク+出来高スパイクでロング
利確目標:+5〜10pips
損切:直近安値−2〜3pips(RR=1:1〜1:2)
▶ 下降モメンタムショートの例
- EMA20<EMA50 → 下降方向
- RSIが60→40へ急落(勢いの転換)
- 小戻し(1分足で2〜3本陽線)
- 直近安値ブレイクでショート
利確:+5〜10pips
損切:戻り高値+2pips
🔶 5. ロジック構造(流れで理解)
| フェーズ | 内容 | チェックポイント | 
|---|---|---|
| ① トレンド確認 | EMAやVWAP方向を確認 | EMA20と50が平行に傾斜している | 
| ② モメンタム検出 | RSI/CCI急変化 | RSIが急上昇または急落 | 
| ③ プルバック待機 | 微小調整を待つ | 1〜3本の反対足を観察 | 
| ④ エントリー | 直近スイングブレイク | 成行またはBuy/Sell Stop | 
| ⑤ 利確&撤退 | 固定pips or RSI鈍化 | 5〜10pips確保で撤退 | 
🔶 6. 具体的なチャート構造例(上昇時)
          小押し
     /\
    /    \     ← Entry
───┘      └───────→ モメンタム上昇
       ↑
     EMA20支持
- 押し目でEMA20が支えている間に、モメンタム再発動
- これを素早く成行で取るのが基本動作です
🔶 7. 相場環境フィルター(非常に重要)
スキャルピングは“環境”で勝率が大きく変わります。
| 状況 | モメンタムスキャル有効度 | 解説 | 
|---|---|---|
| トレンド相場 | ★★★★★ | 最も狙いやすい | 
| 指標発表直後 | ★★★★ | 高ボラ+モメンタム発生 | 
| レンジ・ヨコヨコ | ★★ | ダマシが多く非効率 | 
| 低ボラ時間帯(東京前半) | ★ | 流動性不足・狭値幅 | 
👉 有効時間帯:
- ロンドン立ち上がり(16:00〜18:00 JST)
- NY初動(22:30〜24:00 JST)
🔶 8. リスク・マネジメント(短期特有)
| 要素 | 推奨値 | 
|---|---|
| 1回あたりリスク | 口座資金の0.3〜0.5% | 
| 最大ポジション時間 | 5分以内(勢いが消えたら即撤退) | 
| スリッページ対策 | ECN口座・低レイテンシ環境必須 | 
| RR比率 | 最低1:1.5〜2.0 | 
※スキャルピングは「勝率×スピード」が命。
損切をためらわず“即逃げる”技術が最重要です。
🔶 9. 高勝率化のテクニック
- 上位足(5分 or 15分)の方向一致を確認
 → 逆方向のモメンタムはフェイク率が高い。
- 出来高(Volume Spike)をトリガー化
 → 急増は短期参加者の殺到=勢い発生。
- 板やティック速度を観察(高頻度系なら)
 → ティック連打(秒間5〜10tick)=短期トレンド発生サイン。
- “1トレンド1チャンス”に限定
 → 同じ波で2回以上入ると後半の反転を食らいやすい。
🔶 10. 推奨セットアップ例(MT5 / TradingView)
| 指標 | 設定 | 目的 | 
|---|---|---|
| EMA20 / EMA50 | 標準設定 | トレンド方向 | 
| RSI 7 | 70/30ライン | 勢いの検出 | 
| VWAP | デフォルト | セッションの中心線 | 
| ボリューム(Tick) | 高スパイク検出 | モメンタム発生点特定 | 
🔶 11. 例:1分足モメンタムスキャル(EURUSD)
| 条件 | 値 | 
|---|---|
| EMA20>EMA50 | 上昇方向確認 | 
| RSI 7が40→65へ急上昇 | 勢い発生 | 
| 小押し(2本陰線)後、直近高値ブレイク | Entry Long | 
| SL | −4pips | 
| TP | +8pips | 
| RR | 1:2 | 
| 平均成功率 | 約55〜60%(環境良好時) | 
🔶 12. 強みと弱み
✅ 強み
- 高回転・高期待値(1日複数チャンス)
- トレンド相場に非常に強い
- 1回の損失が小さいためドローダウンが浅い
- 相場変動の瞬間的感覚を養える
⚠️ 弱み
- 精神的負荷が高い(瞬時判断が必要)
- レンジではダマシ連発
- ネット回線・約定速度が遅いと不利
- 疲労・集中力低下でパフォーマンスが落ちやすい
🔶 13. まとめ
| 要素 | 内容 | 
|---|---|
| 戦略名 | 超短期トレンド・モメンタムスカルピング | 
| 方向性 | トレンドフォロー+モメンタム反応型 | 
| 時間軸 | 1分~5分足 | 
| 狙う波 | モメンタム加速局面(Impulse Leg) | 
| 典型RR | 1:1.5〜1:3 | 
| 適用時間帯 | ロンドン立ち上がり、NY初動 | 
| 有効通貨 | EURUSD, GBPJPY, XAUUSD, NAS100など高ボラ系 | 

